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魔物図鑑〔改訂版〕  作者: 龍崎 明
世界観
26/35

魔化に関するレポート

魔化

 魔力が物質化したとされる魔素を溜め込んだ動植物その他が変質し魔物となる現象。


魔石

 魔物の体内に存在する魔素の結晶。


とあるレポートの記述抜粋

『魔化の発生の始点が、魔石の生成の前後どちらであるのかを観測する術は現在のところ存在しない。よって、魔物となってから魔石を得るのか、魔石を得てから魔物となるのかは判然とせず、魔物となる前段階で危険を除去することは不可能と言わざるをえない。しかし、ここに興味深い古代の文献がある。これによると、古代人類は、魔術によって人工的に人類の体内に魔石を生成していたと考えられる。つまり、人類を魔化したわけであるが、これによって人類の形態が変化するような事例は確認されていないようだ。これによって世に存在する人類に類似した特徴を有する魔物たちは、決して人類が魔化した成れの果てではない可能性が高い。さて、ここからは私の推測になるが、魔物の魔化に伴う形態変化は、元々の彼らの本能的願望に由来するのではないだろうか。多くが生命体である彼らは、生存本能に由来して自身の肉体を強化することに魔化が働いていると考えるところだ。対して、我々人類は、その高い知能によって道具を開発し、自身の肉体を変化させずとも、外部環境に干渉する術を持つことが、形態変化を引き起こさない要因と考えられる。これについての補足としては、先の文献における人工魔石の目的は、錬金魔術専用の触媒開発であるからして、魔術への最適化という変化はあるものの、それは外見的変化を伴う必要はないということだろう。あるいは、形態変化の必要性以上に、変化への忌避感、アイデンティティの崩壊が関係するのかもしれない。

 少し話が脱線したが、すなわち、魔化とは魔石が先にある現象である可能性が高い。つまり、魔石を感知すれば、魔物となる前の段階で比較的安全に危険を排除できる可能性がある。この推論が、人類の繁栄に貢献することを願っている。』


『人類の自然発生的魔化を確認した事例は存在しない。魔素について、そもそも判明していることが少なく推測の域をでないが、この世の動植物の中で最も知能が高いと評価される人類は、その霊体構造も他の生物よりも複雑であろうことから、魔素を再び魔力に変換しているのではないかという仮説を提唱する。』

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