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魔物図鑑〔改訂版〕  作者: 龍崎 明
世界観
25/35

文化

人族

 王国、帝国、共和国等の様々な統治体制の国家が存在している。地域によってその文化は異なり、同族間での争いも絶えない。ただ、多種多様な在り方は、複雑怪奇な独創性を発揮する。


竜鱗族

 とある火山地帯にて、竜王国ナーガの名で国が存在している。種族特性として、女性優位社会であるため、統治者は女王であり、最高の魔術師でもある。主産業は、鉱物資源で、肉食文化。観光業として、温泉もある。竜王国以外にも、竜鱗族は存在しているが、集落規模が小さく国となるほどではない。名前は、サ行、ハ行の音を中心とした組み合わせとなっている。


魚鱗族

 とある海底にて、海王国アトランティスの名で国が存在している。種族特性として、女性優位社会であるため、統治者は女王であり、最高の魔術師でもある。主産業は、海産資源で、魚食文化。海王国があるのは内海で、外海は強大な魔物が棲息するため、国をつくることはできない。


人馬族

 とある大草原アルカディアにて、体高のある馬体のため、農耕に適さず、古くは略奪によって生計を立てていた。しかし、恨みを買うその手法が、限界であることは自明であったため、傭兵業や運搬業で次第に生計を立てるようになる。その際、商人たちとの交渉の重要性を感じ、知恵の回る者が尊ばれるようになる。そのため、賢人会なる統治機構が存在するが、国としては、複数の氏族の緩やかな集まりに過ぎない。また、彼らの子どもは産まれて直ぐに歩くができ、人族の三歳児程度の知能があるとされ、言語習得は半年ほどで日常会話を可能とする早熟な生態をしている。ただし、哺乳動物であることに変わりはなく、母乳で育てる。なお、その母乳は上半身から分泌されるが、馬体からも乳は分泌される。馬体の乳は、子どもだけでなく、家族内での食事にも使用される。家族以外の者に提供されるのは、息子の見合いで相手方の娘を気に入った場合のみである。なお、彼らの見合いは、一人の息子に対して一度に多数の娘を引き合わせる形式を取る。大草原の名をそのまま国名としており、一般には、草原の国で通じる。特徴的な氏族として、女性のみで構成されたアマゾネス氏族がある。なお、アマゾネス氏族は、馬体の乳を商品としている。それを加工した乳製品は一部の貴族に高値で販売されている。


山人族

 とある大山脈ドヴェルグヘイムにて、国と呼べる規模の共同体を形成している。坑道をそのまま住処とするため、統治者は巌窟王と呼ばれるが、実際は、鎚を握れなくなった老人たちによる評議会によって統治されており、巌窟王は議長であり長老に過ぎない。また、他種族からゲテモノと評される独特の食文化を持ち、主に、大蚯蚓の肉とキノコ類を主食とする。大山脈の名をそのまま国名としており、一般には、鍛治の国で通じる。葬法は、土葬であるが、埋葬したところに岩塊を置く。すると、その岩塊は血族が扱いやすい鉱物に変質し、その鉱物を用いて、子孫に鍛治を教えてゆく。その岩塊は、形見石と呼ばれ、墓場は、形見石の採掘場と呼ばれる。


森人族

 とある大森林アルヴヘイムにて、国と呼べる規模の共同体を形成している。亜人族の中で最も熱心に精霊信仰に努め、そのため、統治者は祭祀長と呼ばれる。普通に肉も食べる狩猟民族。大森林の名をそのまま国名としており、一般には、深緑の国で通じる。葬法は、土葬であるが、埋葬したところに種を撒く。すると、その種は質の高い霊草となる。霊草を収穫する頃には、遺体は自然に帰っており、新たな遺体を埋葬する。そのため、その年の遺体を一斉に埋葬するため、それまでは遺体は地下の安置所に保管される。その霊草は、森愛草(レンバス)と呼ばれ、墓場は、祖霊の花園と呼ばれる。


獣人族

 獣王国リンショウの名で国が存在している。獣王は、羅獅族の中から、最も強い存在が位に就く。これは種族優遇では無く、種族特性としての適性からくるものであり、他の種族が軽視されるわけではない。良くも悪くも実力社会であり、それぞれの分野で競い合っている。獣人同士であれば、匂いで識別できるためか、名前のバリエーションが少ない。


妖精種

 各種の亜人族の国で、丁重に扱われている。若しくは、精霊の頃の契約者と仲睦まじく暮らしている。


魔族

 魔王によって統治され、国を形成する。信仰は無く、強いて言えば、強さを信仰するため、魔王が神でもある。獣王国とは似て非なる実力社会で、その実力は戦闘力についてのみの話である。逆に、強ければ、魔族の国で人類も活動できる。例外的に、妖鬼種はその由来からか、精霊信仰である。ただ、彼らの価値観からくる自然と、人類の価値観からくる自然の在り方は異なるため、その教義も異なる。




東方文化

 主には、大陸の東方部とそこに近い島国の文化のこと。その人口のほとんどを人族が占め、人族以外の生命体は一括りに妖怪と呼称され、混血は半妖と呼ばれている。

 また、西方の両刃で叩き斬ることを目的とした剣に対して、片刃でただ斬ることを目的とした刀が発展している。その刀で武装する騎士に代わる地位に当たる者を武士と呼び、魔術師を陰陽師と呼ぶ。

 さらに、貴族制度は爵位ではなく位階で表す。ただし、島国の方では武力が重視され、地方は武士の名門である武家が治めており、統治者を大名と呼び、貴族は公家と呼ばれ、王府にのみ存在している。

 そして、信仰は精霊信仰に近いが、細部は異なる。特に、王家の源流を神霊とするため、王家もまた信仰対象であることは、聖天教会が優勢の西方ではありえないことである。




排泄に関する話

 竜鱗族、魚鱗族、人馬族の下半身の形態は、人族のモノと大きく異なる。そのため、排泄に関する文化も特異なモノとなる。

 竜鱗族は、蛇体の比較的上半身に近い部分に排泄器官があり、そのため、人族のように坐した体勢での排泄は不可能であり、便器には掴み棒が取り付けられ、それに掴まりながら、半ば蛇体を浮かしたような体勢で排泄する。

 魚鱗族も、魚体の比較的上半身に近い部分に排泄器官があるが、そもそも水中を生活圏とするためか、便所と定められた空間はあるものの便器はない。

 なお、竜鱗族にしろ魚鱗族にしろ、その雌性体は優秀な魔術師であり、人族の生活圏を訪れる際は人化の術を使うため、不便はない。

 人馬族は、馬体の後脚の間に排泄器官があり、排泄に対する羞恥心が薄く、馬体に衣服を纏う文化はなく、外で駆ける際は垂れ流し、居住地では便所はあるものの男女共用の公衆便所のようになっている。人族の生活圏では、交流があれば人馬族専用の宿屋が運営されている。そもそも部屋についてもほとんど厩舎のような形状でなければ不便なため、交流のないところでは厩舎に泊まるしかないこともある。

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