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魔物図鑑〔改訂版〕  作者: 龍崎 明
魔物図鑑
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緑魔種

緑魔種

 植物が魔化した魔物。自ら動くことは滅多にないが、動けるモノもいる。


歩茸マイコニド 脅威度:G

 歩く茸。実は生物学上、菌類である茸は、粘魔種に分類されるのが正確である。ただし、この世界の研究では未だ茸は、植物の一種として見る向きが強く、菌類などの発見には至っていない。


統蟲禍叢カラミティ・コルジケプス 脅威度:B

 寄生茸。発生初期は魔蟲種など小型の生物に寄生し、その思考を統制して行動する。勢力が増すと、より大型の宿主を求めて行動し、人類にも容赦無く襲い掛かる。最悪なのは、彼らに寄生された生物は死ぬわけではないということである。多くの者が寄生されて一日も保たず発狂するらしい。衝撃を与えると胞子を撒き散らすため逆効果であり、焼却や溺水などが有効であるが、知名度が低く寄生されていることを見抜くのが難しいため、その災禍は何度も振り撒かれている。


太歳タイサイ 脅威度:A

 東方の地中に棲息する菌類。無数の瞳を持つ肉塊のような姿をしている。能動的に動くことはなく、掘り返したモノとその一族を呪う受動的な厄災。古くは祟り神として畏れられた魔物。その身を食めば、不老不死となれると伝わる霊芝と同一の存在でもある。


太歳星君タイサイセイクン 脅威度:S

 古き時を経た太歳が知性に目覚めた魔族。自身を木星の陰影と定め、陰陽五行説における木の属性を自在に操る神代の魔術師。人形ではあるがこれは端末に過ぎず、本体は地中深くに広がる巨大な肉塊である。そのため、ほぼ不滅の存在。


金羊樹バロメッツ 脅威度:G

 羊が実る樹木。実る羊は、蹄まで羊毛で、その羊毛は黄金に輝いている。羊は実ると、周囲の植物を食べて栄養にし、充分な栄養を補給すると鳴き声を発して、周囲の獣にわざと捕食される。肉とともに捕食された種が、捕食者とともに移動し、棲息域を広げる。肉の味は、蟹に近いとされ、仔羊の肉が最も美味しいとされる。


暗黒羊樹シュブ・ニグラス 脅威度:S

 どことなく山羊のように見える黒い巨木。山羊が実るが、それは黒い仔山羊と呼ばれる肉食山羊である。さらに、花の香りには、狂乱の呪いが込められており、不用意に近づけば、狂乱したまま黒い仔山羊たちに食い殺される。そして、黒い仔山羊たちの糞尿が、この緑魔の肥料となる。なお、黒い仔山羊の肉は、栄養豊富でたいへん美味しい。


枝魔芽インプ 脅威度:F

 人面樹の枝が独立した自我を獲得した緑魔。栄養が足りないのか、積極的に活動する。姿は、枝で象った鼠くらいの大きさの猿である。


人面樹トレント 脅威度:D

 人面模様のある動く樹木。根によって動くことはできるが、基本的には普通の樹木の振りで待ち伏せすることを好む。


賢人面樹エルダー・トレント 脅威度:C

 老いた人面樹。長き時の流れの中で知性に目覚め、いくつかの魔術を本能的に行使するようになった樹木の賢人。個体によっては、念話を使う魔族である。


樹氷人面フロスト・トレント 脅威度:C

 針葉樹型の人面樹。寒冷地に棲息し、厳しい寒波から生き延びるため、通常の人面樹よりも活発である。個体によっては、いくつかの氷属性の魔術を行使する。


鉄面樹メタル・トレント 脅威度:C

 地中に含まれる重金属を蓄積した人面樹。通常の人面樹よりも堅固で燃えづらいが、雷電系魔術に弱い。また、鈍重なため滅多に動かない。個体によっては、地属性の魔術を行使する。その素材は、木材と鋼材の両方の性質を宿す。


妖樹フルドラ 脅威度:C

 美女の姿をした背中がうろのある樹皮の緑魔。魔族であり、友好的な性質ではあるのだが、栄養を求めて男から精気を啜る。ただ、死なないように加減はしてくれるらしい。


煉獄鳥の玉座ポイニクス・スローン 脅威度:A

 火山地帯に棲息する燃え上がる巨木。その様子から名前が付けられただけで、煉獄鳥が巣を作ることはない。バンクシアという植物に似た果実を実らせ、熟すと果実は裂開して種子を遠方に弾き飛ばす。その時、種子もまた燃え上がっているので、火山弾のように危険。


桃源郷アムブロシア 脅威度:A

 桃のような実をつける樹木。神々の食物ともされる昇天するほど美味しい実をつける。この実を食べたモノは、尋常ならざるチカラを与えるため、この緑魔の周辺は魔境と化している。


餓牢樹ザックーム 脅威度:A

 砂漠や火山などおよそ食物の少ない地域に生育する樹木。かつては地獄の植物とされたほどの危険性を有する。その樹液は香りだけでも飢餓感を煽り、周囲一帯の生物は共喰いさえも厭わなくなる。また、満腹感を得られないために腹が破裂して死ぬまで食べ続ける。そんな環境下であっても飢餓感と同時に依存性を与えるために移動することはできず、最後の一匹は餓牢樹に生る果実に目をつける。その果実は、悪魔の生首にも見える独特の形をして禍実アッダリと呼ばれる。それを食したらば、熔けた銅を呑んだかのように煮えくりかえり、悶え苦しみながら死ぬこととなる。死屍累々の惨状の中、餓牢樹はゆっくりとその養分を啜り餓牢の範囲を拡大する。どれだけ研究しても種子が発見できないため、魔法現象として発生しているのではないかとされている。


樹界ユグドラシル 脅威度:S

 超巨大な樹木の緑魔。内部が空洞になっており、魔物たちの楽園と化している一種の迷宮だが、鉱魔種とは異なり財宝は無い。とはいえ、この魔物自体が貴重な素材である。龍脈上に存在し、その膨大な魔力で成長している。


歓喜草ネペンテス 脅威度:F

 巨大なウツボカズラ。甘い香りで、主に魔蟲種を誘き寄せる。たまに、嗅覚の強い人も消化される。その種子を燻して砕いて湯に溶かした飲料は、珈琲に似て美味しい。また、蜜は鬱病に効果のある薬の材料となる。ただ、用法を間違えると感情を失う危険がある。


喰人植物マンイーター 脅威度:D

 蔓を能動的に動かす巨大化した食虫植物。名前に反して、人を好むわけではなく、何でも食べる。


象る茨ストラングラー・ソーン 脅威度:C

 能動的な茨の緑魔。生物の死体を象るように締め付け、さらに、その死体から栄養を吸収する。死体の栄養が枯渇する前に、次なる死体を求めて放浪する。何の死体を象るかで、若干、脅威度は変動する。


森の絞首台ガルゲンメンライン 脅威度:C

 蔓植物の緑魔。樹木に絡みつきながら成長し、高枝から蔓を垂らして獲物を待つ。蔓に触れたモノに絡みつくが、その時、首を絞めることが多いため、この名が付いた。締め殺した獲物の鼻や口から侵入して栄養を吸収する。なお、蔓をいくら斬っても斃すことはできず、斃すためには根を探して斬る必要がある。


金果竜ラードーン 脅威度:A

 黄金の林檎のような実をつける樹木。蔓が寄り集まって竜の頭部のようになった触手が百本あり、それによって果実の匂いに誘われた獲物を捕らえる。


古代金果竜エンシェント・ラードーン 脅威度:S

 古き時の流れを過ごした金果竜。長き時と共に蓄積された魔力によって、竜種との類感呪術を自然発生させた。すなわち、緑魔種でありながら竜種として成立し、竜玉の獲得、息吹をはじめとした強大なチカラの行使を可能とした。


妖華アルラウネ 脅威度:C

 雌蕊が美女の上半身のような姿をした巨大華。催淫作用のある香りと美女の擬態によって、男を誘き寄せて捕食する。長く生きた個体は、魔族になるとされる。古くは、アルルーナとも呼ばれ、その蜜は、媚薬の材料となる。


悲恋華クリュティエ 脅威度:B

 太陽に向かって咲く妖華。儚げな妖艶の美貌を備えた擬態部分が、男たちの庇護欲を掻き立てる魅惑の魔力を放っている。男たちは叶わぬ恋と知りながら、悲恋華の側に留まり餓死し、やがて彼女の栄養となる。


万華郷ラフレシア 脅威度:S

 寄生根によって森を支配する妖華。寄生された植物は、あらゆるところから綺麗な花を咲かせる。そして、その花の香りには、幻惑のチカラがあり、それによって、森に入り込んだ者を迷わせ、惑わせる。いつしか、楽園のような光景を目撃した時には、既に万華郷の腹の中である。


断末魔草マンドラゴラ 脅威度:B

 人面模様のある根菜。引き抜くと、耳栓がなければ気絶するほどの絶叫を放つ。さらに、絶叫には誘魔の呪いが込められており、周囲の魔物を引き寄せる。その根は、秘薬の材料の一つとなっている。


睡魔草ヒュプノス 脅威度:S

 眠りの神ともされる青い彼岸花。その花の香りには、睡眠の呪いを込められており、死ぬまで眠り続けることになる。


鬼案山子スケアクロウ・デビル 脅威度:D

 人形に寄り集まった麦藁の緑魔。ただ、枯れているので、その在り方は鉱魔種に近いとされている。その証拠として、案山子の魔動人形化に成功したとの実験報告がある。


藁火望ウィッカーマン 脅威度:B

 巨人の姿に寄り集まった麦藁の緑魔。満月の夜に炎上しながら現れる森の番人。その焼け跡からは瑞々しい新芽が顔を出し、やがて青々と繁茂した森になる。


踊る仙人掌ダンシング・カクタス 脅威度:C

 どことなく踊って見える動きをするサボテン。好奇心の高い動物を誘き寄せるための生態で、寄ってきたモノは凶悪な針の生えた葉肉で滅多打ちにされて殺される。厳しい環境に棲息するため、また、掌のように見えるため、仙人掌なのだとされる。

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