表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

7話 脳内会議

回を追うごとに長くなっていく次回予告。

挙句の果てには「次回予告読みに来た」と言われる始末。


 デパートから帰ってきて一晩が経ち、日曜日の朝……というか昼前。現在白夜達は──


「ファル○ンパ──なぜ当たらん!?」


「……当たるわけないでしょ」


 スマ○ラしてた。


 ちなみにファ○コンが陸斗で対する白夜はス○ークである。


「ふーはっはっはー。スネー○を使ったわたしに勝てるはずがなかろう。われVIC BOSS(ビッ○ボス)ぞ?」


「それは第4作のやつであってこれのモデルは迷彩服的に第3作だろ!」


「鉢の迷彩服がなんとなく懐かしい。でも第1作の通信とかあったから結局いつのスネークか分からない」


 なんだかんだ白夜もノリノリである。感情が乗っておらず高笑い(?)も棒読みにしか聞こえないが。


 この後結局白夜が勝った。


「そういえば昨日言ってたけど他人格と相談会するんじゃなかったのか?」


「あぁ、あれもう終わった」


「いつの間に!?」


「昨日の夜」


 そんな会話をしながら白夜は昨日の夜の出来事を思い出す。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 昨晩、薬の効果による抗えない眠りが終わり、白夜が普通に寝ようとしていたところ、


(おい、寝てる場合じゃねえ! やっとあいつが落ち着いた。今のうちに脳内会議やっちまうぞ!)


「え? ねむいんだけど?」


 傍から見ると真夜中に急に目を覚ましたと思ったら誰かと会話しているような独り言をつぶやきだすやばい絵面である。


(んな事知ってるわ! いいから早くしろ!)


 知ったうえで一切考慮されることはないようだ。


「はぁ〜。しょうがない」


 そうぼやきつつ再び目を閉じる。眠るわけてはない。


 自分自身の内側に意識を集中させる。精神を海の底へと沈めていく。


 そして………


「やっと来たか。さっさと終わらせるぞ」


 目を開くとそこには、真っ暗な空間が広がっており、目の前には真っ白な円卓があり、七つの灰色の席が周りを囲っている。


 席は六つうまっており、それぞれ見た目に少しずつ違いがあるものの、全員が白夜と似通った……というかそっくりな見た目をしている。


 今来た白夜の右隣が空いている。


 それぞれの席の後ろに別々の紋章が描かれており、今来た白夜の席から反時計回りに、三日月、炎、水滴、大樹、王冠、大地、太陽である。


 それぞれ名前が、ルナ、フレア、アクア、ウド、フライ、サタ、サンなので、今来たルナの右隣、つまり炎の紋章の席のフレアが空席である。


 ルナは隣の空席をしばらく見つめた後、


「……アホレアまだいないんだね」


 そのつぶやきには普段家族たちと会話している時のようなどこか温かみのある響きは無く、無機質で冷たい印象がある。


 ちなみにアホレアとはフレアのあだ名である。基本アホなので。


「そーだな。死んだんじゃね?」


 なんとも適当感あふれるなげやりなセリフは、先程も発言していたサタによるものである。


「殺しても死ななそうなやつなのにか〜?」


「それに関しちゃ紅月白夜という存在そのものがそんな感じだからなぁ」


「……わたしとしてはものすごく不本意」


 最初のどこか無邪気さを感じさせる声はサンによるものである。その後がサタとルナ。


 ちなみにそれぞれの性格を説明すると、


 常に無機質な感情が見えない冷たい目の死にたがり。第一主人格、ルナ。


 基本的に天然のアホ担当。第二人格、フレア。


 臆病でこの中で一番気弱。第三人格、アクア。


 常に怠惰で大体ぼけーっと何も考えていないように見えてその実何も考えていない。第四人格、ウド。


 基本頭と目が逝っているある意味一番分かりやすく狂っている殺人衝動の塊。第五人格、フライ。


 この中では比較的まとも。この中で比べてしまえば一番話が通じるが基本大雑把。第六人格、サタ。


 無邪気だが時折その中に狂気が見え隠れする。第七人格、サン。


 ここは夢の中とは少し違う人格たちのたまり場である。現実の脳は休まらないので睡眠としての意味は全く無い。


 特に決まった呼び方は無く、ドリームランド等とも呼ばれていたこともあったが、ここには見ただけでSAN値直葬の邪神はいない。頭の中を覗けばSAN値直葬な死神は現在6人程いるが。


 そして主人格であるルナと現実での白夜の性格が少し違うのは、現実の白夜がルナを中心に他の人格の影響を受けて──というより混ざって──いるためである。


 なので現在ここにいる6人を人格と言うのかは微妙なところである。


「あ、あの……」


 そんな風にルナ達が話していると、どこからか声が響き渡った。アクアである。


「?」


「ご、ごめんなさいぃっ!!」


 即座に席から飛び上がり、円卓の上で見事な土下座をきめる。完全にこちらを見ていなかったウドやサタたちでさえ思わず「おぉ……」と感心したような声が出るほどの美しい土下座である。円卓の上という微妙な頭の高さはアクアクオリティーだろうか。


「微妙に頭が高ぇな」


「それ言ったらアクア地の底まで沈んでいくから言っちゃだめだよ?」


 サタとそんな会話を繰り広げだ後、いまだに土下座の姿勢のまま微動だにしないアクアに向き直り、


「べつにわたしもりくも怒ってないよ? っていうかアクアは全然悪くないし。あれは制御手放してたわたしが悪いんだから」


 アクアが謝っているのは朝の暴走のことである。勝手に出てきたことを謝っているのだが、ルナからすればむしろ、


「出てきたのがアクアでよかった。フライとかなら朝から血の海だったから」


 殺戮衝動の塊であるフライが出てくると本当にそうなるのでこれは慰めでもなんでもなく本心である。


「で、でも……」


 その後も、顔を上げようとしないアクアをルナ、サタ、サンの3人なんとか強引に納得させ、ようやく『第……誰か何回か覚えてないの? 脳内会議』に入ろうとしていた。


「えーっと……『人魚の血』をどうやって克服するか、だっけ?」


「ちげぇよ。あとそれは遺伝子組み換えでもしないかぎり無理だろ」


 ちなみに『人魚の血』とは、白夜の母親の家系である水無月(みなづき)家の特徴である、なぜか成長がめちゃくちゃ遅い、というか老化が遅い。というある意味では人類の夢な不思議遺伝のことである。


 実際、母親である由美ももう40は過ぎているというのに、大学生でも余裕で通じる見た目をしている。


 愛夜華は父親似だったのかまだましで、高一から高二くらいの見た目である。もちろん白夜は小学生。(変化前でも中学一、二年生くらい)さすがにどこぞの見た目小学生の高校教師みたいなのはまだ親戚でも見た事が無いが。


 かなりどうでもいい話だが、そのせいで目が鍛えられたのか、白夜も愛夜華も年齢当てが得意である。


 とまあ、そんな体質に「ご先祖人魚でも喰ったんじゃね?」という話をしたことから、『人魚の血』と勝手に呼んでいるだけである。


 そんな雑談をていたために、話は逸れに逸れ、結局特に何も決まらないままに会議は終わった。というより現状どうしようもないし、べつにそこまで元に戻りたいわけでもないので保留というかたちになっただけである。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「……とまあ、そんな感じ」


「結局何しに行ったんだよ……」


「いつもこんなもんだよ?」


 実はその後、起きると隣で愛夜華が寝ており、窓からぽいしたのだが、それは関係ない話である。


 そんな風に、白夜が今朝のことを思い出し、ついでにいろいろあった昨夜の記憶を消そうとしていたところ、


「そういえばさ、お前しばらく暇だよな?」


「ん? そうだね。晴れてる日とかは外出られないし。仕事は休業中だし」


「じゃあ、あれやらね? 『フリティブ』」


「……? あー、半年くらい前に言ってたやつ?」


 陸斗が言っているのは、半年程前に発売されたフルダイブ型VRMMORPG、『フリーダム・アクティビティ・オンライン』通称フリティブのことである。


 従来のものがどこまでも『ゲーム』であるのに対し、フリティブは一見『現実』、どこまでもリアルとのこと。


「お、しろもフリティブやるの?」


 そんなことを言いながらリビングのソファーの下からにゅっと湧き出てくる美空、ソファーの下には女子高生が入れるようなスペースは無いはずだがどうやったのだろうか。


 ちなみに陸斗、拓海、美空、愛夜華は発売当初からこのゲームをプレイしており、白夜もその頃誘われたのだが、事情があり忙しかったためにプレイ出来ず、そのまま始めるタイミングを逃していたのである。


「ん、どうせ暇だしやる。VDCは持ってるしソフト自体はもう(姉ちゃんが勝手に)インストールしたからすぐできるし。ぶっちゃけビー○セイバーやるくらいにしか使ったこと無かったけど」


 と、少し前にフルダイブ版が発売された某VRの音ゲーの名前を出す白夜。ちなみにスーパ○ホットもやった。


 ちなみにVDCとは『バーチャル・ダイビング・システム』の略で、フルダイブゲームのハードのことである。


「そういえば今更だけどフルダイブってどういう仕組みなんだ?」


 と、とてもユーザー歴半年以上とは思えないセリフを吐く陸斗。


「さあ? どうなの製作者」


 白夜が玄関の方へ呼びかけると、ガチャリという音とともに愛夜華が入って(帰って?)きた。


 どうやら白夜に窓からぽいされた後外で寝ていたらしい。着地できないように毛布で縛って放り投げたのでそれを使っていたのだろう。強かすぎる。


「正確には製作者は私じゃないわよ〜。あれは私と鬼龍(きりゅう)の合作なのよ。私がしたのは元々あった理論の手直しと設計よ。だからぶっちゃけ私達もアレの仕組みは正確には知らないわよ。なんとなくは理解できてるけど他人に説明するのは難しい感じね」


「よくそんなもんを売り出したな。てか鬼龍って誰?」


「鬼龍神造(しんぞう)よ。……あれ? そういえばりく達の学校に義理の息子が通ってるって言ってたけど知らない?」


「鬼龍なんて名前そうそう忘れないと思うが……。お前ら知ってるか?」


 陸斗が問いかけるものの、拓海も美空も知らないと首を振る。


「いや、確か名字は鬼龍じゃなくて黒月(くろつき)だったわよ。黒月夕野(ゆうの)


「黒月? 最近どっかで聞いたな。覚えてるか?」


「………あ! 侠也(きょうや)の彼女……じゃないんだっけ? まあ、あの人の友達の名前だったはず」


 愛夜華の出した名前に、拓海が少し引っかかり、美空が思い出したらしい。友達の友達の友達くらいの関係らしい。完全に他人である。


 陸斗も「あ〜」と納得したような声をあげている。白夜はどの名前も分からないので何も言わない。親友達が自分の全く知らない話をしているからか、少しすねているように見えるのは気のせいだろうか。


 そんな白夜の様子に気づいたのか、拓海が苦笑いしながら白夜のほっぺをぷにぷにする。めっちゃ柔らかい。


 白夜は抗議の視線を向けるが、拓海には「なに? なんですか? べつになんにも思ってませんけどぉ?」と言っているようにしか見えない。拓海の苦笑いが深まりほっぺぷにぷにが加速する。めちゃくちゃ柔らかい。


 変化前に比べて白夜の表情が分かりやすくなった(あと子供っぽくなった?)のは気のせいだろうか。変化したことで、以前まで凝り固まっていた表情筋が緩んだ──というより元に戻った──のだろうか。などと拓海が考えていると陸斗が、


「そういや、結局その鬼龍って人何者なんだ?」


「まあ……一言で言えば『変人』ね」


「「「「あんたが言うのか」」」」


「あんた達も大概でしょうに」


 思わず同時に返された言葉に、愛夜華が呆れたように言う。


「まあ、一応天才発明家ってやつかしらね?」


「あや姉がそこまで言うとは〈特異点(イレギュラー)〉と見た」


「そうよ。ものづくりに限れば私より上よ。私とそんなに年が変わらないのに5、6年前から働いていたっぽいわよ」


「5、6年前ってことは〈特異点(イレギュラー)〉版働き方改革的なアレか」


「多分ね」


 陸斗達が言っているのは、数年前に作られた政策のことで、スローガンである『〈特異点(イレギュラー)〉を即戦力に!』の通り、基本自由人のため、適当に稼いでどこかで適当に生きる〈特異点(イレギュラー)〉達をもっと社会に役立てよう。という政策である。とても迷惑である。


 つまりは、一応天才なので有能な人材として働かせたい。でも下手に鎖で繋ごうとして、繋いであるのは犬どころかケルベロス、下手すればフェンリルである〈特異点(イレギュラー)〉達の反感を買おうものなら後が怖い。めちゃくちゃ怖い。


特異点(イレギュラー)〉達は基本頭がおかしいし、倫理感やまともな常識など通用しない。下手すれば冗談抜きでこの世から消される。


 というわけで、〈特異点(イレギュラー)〉達を鎖と言わずともせめて首輪、それでも無理なら最低限の監視と言わずともせめて目の届く範囲にいてくれ。というお偉いさん方の思いから作られた政策なわけだが、具体的な内容としては個人によって少しずつ変わるが、大まかなところで言うと、『成人せずとも働ける』『給料が多め』『上司からの命令にある程度逆らえる』と言ったところだろうか。


 大体の人が「優遇されるのずるい」で、〈特異点(イレギュラー)〉と実際に会ったことがある人が「こんな頭おかしい奴らと仕事してられるか!」といった意見から反対派が多かったが、研究職や専門の知識や技術が必要な職場では、「即戦力になるなら」や「天才が来るなら仕事能率が上がる」といった理由から賛成派が意外といた。(今では「こんな頭おかしい奴らと仕事してられるか!」が増えた)


 この制度に関してはお世話になっているため、白夜としては賛成派である。ついでに愛夜華が現在世界中で仕事できているのもこの制度による影響もある。


 ちなみに愛夜華の将来の目標は自分で稼いだ金でニートすることらしい。「自分で稼いだ金でニートできるやつは勝ち組だ!」とのこと。ごもっともだがそれを実現できるのはごく少数だろう。愛夜華はその少数に分類されるだろうが。


 そんな理由で愛夜華が突然仕事を辞めようものなら世界中で大変なことになりそうだが、本人は知ったこっちゃないとのこと。


 そんなこんなで話しているうちに時間が経ち、ふと白夜が既に時計の針が12時を少し過ぎていることに気づく。


「あ、ごはん作らなきゃ。ごはん食べたらゲーム始めてみる」


 そんなことを言いながら自然な動作で料理するのに邪魔になる長い髪をちゃちゃっと後ろで一つにまとめる。元々器用なためか、とても女の子3日目とは思えない自然な動作である。


「おう、ログインしたらしばらくその辺で時間つぶしといてくれ。俺らもすぐ王都に帰るわ。3時に噴水集合な」


「ん、わかった」


「おー、じゃあ私も──」


 と、白夜が陸斗の言葉に同意し、愛夜華も同調しようとした瞬間、ピコンッ! と愛夜華のスマホの通知音が鳴る。


 嫌な予感がして恐る恐るスマホを開くとビキィ! と愛夜華の動きが固まる。


「………」


「? あや姉どしたの?」


 隣にいた美空が画面を覗き込むとそこには、


『仕事があるんで今日の1時には迎えに行くって言ったの覚えてますよね? まさか忘れてゲームしようとなんてしてませんよね?』


 もちろん送り主は田村である。さすがは助手兼幼なじみ、愛夜華の行動はバレバレだったようだ。


「………」


 ギギッと音が鳴りそうな動きで白夜達のいる方を見るが、全員の表情は「まあ、ドンマイ!」といったところだろうか。


「あの野郎、あとでその名の通りレンチンしてやる」


 完全な逆恨み、というより八つ当たりである。ちなみにもちろんだが田村の名前はレンチンではない。田村の名前は蓮司(れんじ)である。


 その後、昼食を食べ終わり、しばらくすると田村が迎えに来て連れて行こうとする田村と抵抗する愛夜華という光景が繰り広げられていた。割といつものことである。

空「どうも、現在ドナドナに抵抗するあや姉をお見送り中。実況の美空です」


海「同じく哀れなあや姉を見送る。解説の拓海です」


空「まあ、別に実況も解説もしないけどさ」


海「しないのかよ……。まあいい、次回予告な。次回からようやくゲーム開始、やっとタイトル回収だな。何か弁明はあるか?」


空「私に言われてもね〜。まあ、一応するけど」


海「するのか……」


空「いや〜、TSVR(本当のバグでアバターの性別が逆転は含まれない。あれはTSではない、ただのネカマだ!)っていったら本来はTSして、友達にはバグだと説明して誤魔化してゲームして、しばらくしてやたらハイスペックな姉が急に帰って来てばれて、そのまま友達にもばらして、ってのがお約束じゃない?」


海「そうだな。なろうで有名なやつでも『お○こみゅ』とか『ネ○ゲ廃人』とか」


空「そうそう。でもさ、それらと同じような流れにするにはいくつか問題が出てくるのよ。……まあ、最初から同じような流れにする気があったかどうかはともかく」


海「なかったんかい」


空「まず一つ目、幼なじみ3人(わたしたち)が一緒に住んでる」


海「設定とかでなんとでもなるだろ。どっちの主人公も引きこもってなんとかしてたぞ?」


空「それを知ったら私達は何をする?」


海「……ドアだろうが壁だろうがぶち抜いて突入するな。もってせいぜい3日、1週間もったら神に感謝、どこかに入信した方がいい」


空「そう、そして二つ目、これが一番の問題なんだけど、そもそもそんなこと(性別の転換)気にするようなメンタルしてる? 私達」


海「……そうだな。あいつが『ロリったわ!』とか元気に報告してくる様子が目に浮かぶ。昔からその辺謎に平等というか……性別という差に対した価値を見出してないだけなんだろうけどな」


空「まあ、そういうわけでうちではその辺が省かれたってわけ」


海「なるほどな。……ところで、ここが登場人物の雑談コーナーになる前に次回予告しないか?」


空「そっちがふってきた話でしょうに……。私達は本編でも微妙に影が薄くなりそうだからここでレギュラーメンバー化してもらおうと思ったのに……」


海「それは重要だな。あと6000字くらい話すか」


空「なんで本編とタメはろうとしてんのよ……。ほら、やるならさっさとやるわよ」


海「そこでこっちにふるのか……。まあ、やるけど。ようやく始まったVRゲーム、そこで待ち受けていたやたらと濃い人達、『天使さんはしろが嫌い』『漢女(おとめ)心はワカリタクナイ』『しろちゃんナンパされる』『変態紳士参上!』の豪華4本立て! ……まじでロクなのがいないな。4つ全部いけるかは知らんが、もしかしたら最後は次の話にまわされるかもな」


空「次回:『ロクなのがいないんですけどこの世界』 次回もお楽しみに!!」


海「そして最後はきっちり持っていくんだな。そしてそれがサブタイかよ……」


空「おおっと! しろ選手に何かを言われたあや姉選手が突然やる気を出して飛び出していきました! これには田村選手も呆れ顔! 解説のたくみさん、これは一体どういうことでしょうか?」


海「実況のそらさん、お答えしましょう。駄々をこねるあや姉選手の姿に、田村選手の「こいつなんとかしてくれない?」という視線が合わさり、しろ選手は自らにも危険が及ぶ切り札を発動しました!」


空「なんと! ハイリスクハイリターンの一点掛け、しろ選手漢……です? して、その切り札とは何でしょう?」


海「たしかにとてもそうは見えない見た目ですが、しろ選手の切り札、それは、奥義「お姉ちゃん、お仕事がんばってね♡」です!」


空「うへへ……可愛い。……じゃなかった。なんと! たしかにこのような手を使われてはシスコンのあや姉選手では抗えない! 今の見た目としろ選手自身の演技力の合わせ技! たしかに切り札と呼ぶにふさわしい技です! おおっと! しろ選手、なにやら体調が悪そうですが、一体どうしたのでしょうか?」


海「これがこの技のデメリット、単純に自分でやってで気持ち悪くなっただけです」


空「さらになにやらほっぺたをぐりぐりし始めましたが一体どうしたのでしょうか?」


海「そうですね。これはおそらく、久しぶりに表情筋を動かしたうえ、しかも慣れない満面の笑みなんてものをしたせいで軽い筋肉疲労を起こしたのではないでしょうか」


空「この一瞬で!?」







陸「………結局実況と解説するのかよ……」


陸「あと、あいつらが言い忘れてたから言うけど、『幻想無限連鎖』より黒月夕野と鬼龍神造が参戦です。……え? いいのかって? 別に本人から許可はもらってるしそもそも名付け親はうちの作者だから実質オリキャラだろ(暴論)」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ