原田博#1
「まぁ、落ち着いて、まずは、コーヒーでも飲みなよ」
私は、なぜカフェの店員に自分がコーヒを出さなきゃいけないのだろうか
先程、急に泣き出し、慌てて工場に連れてきたが、今日は二人ほど面接が入ってるし、あまり長いはできない
「一体、何でいきなり泣き出したの」
30歳ほどだと思われる女性にまるで娘に話しかけると、本当に娘と話しているようだった
「履歴書のブラックリストを偽っていたのがばれてそれで、クビになって…」
彼女はまたしゃくりあげそうな雰囲気を出している
どうやら、こちらで彼女も引き取るしかないようだ
「これに履歴書を今すぐ書いて、後で私のところに来て」
なんとかこの気難しい状況を打開できた
これもあの赤い老害のせいだろうか
もうそろそろ50歳になるというのに、よく、人のことを老害などと呼べたなと批判されそうだ
娘は、サンタクロースからプレゼントを毎年、もらうのが楽しみで仕方なかった
しかし、中学三年生の頃、娘はいじめにあっていて、その日は、屋上に呼び出され、たまたま、近くにあった鉄パイプで相手を殴ったら、相手を骨折させてしまったのだった
正当防衛ということで相手側の両親や教師たちもちゃんとこちら側には否がないこと分かってくれたが、その年からプレゼントは貰えなくなった
そして、5年ほど前である
あの老害が自分の正体を公表し、そして、ブラックリストを公表したのだ
そして、就職先の宛もなくなり、知り合いからも迫害されるようになってから、娘は、自殺した
クリスマスの夜だった
私は、あの老害をいつか殺してやると決意したのだ
「すみませーん」
扉の前で、二人の若者が声をあげていた
第三話です
作業が早くてすみません
今後ともよろしくお願いします