ジュウソウガイテン(仮題)
呼んでいる、喚ばれている
季節外れの風鈴の音が鳴り響く。
足は自然と動いていた。
私はどこにいくのだろうか。
それを知っているのは神さまか、風鈴を鳴らしている誰かだけだろう。
不安と恐怖で胸がドキドキして止まらない。
まぁ、ドキドキが止まったら高確率で死ぬのだけれど。
暗転
それは突然に。
まるで誰かに目隠しをされたよう。
見えないように、見られないように、知られないように。
風鈴の音は続く。
一つ歩けばチリンと、二つ歩けばチリンチリン。
それが楽しくて、楽しくて。
転ばないようにそぉっと足を伸ばして、地に着いた瞬間にチリン。
今度は左から聞こえた。
目隠しの下、瞼を閉じて。
感じるがままに足を伸ばす。
光よ。
何十歩か繰返し、風鈴の音から開放されて聞こえてくるのは風に揺れる葉の擦れる音。
鼻につくは緑の香り。
ゆっくり瞼を開けば、ここは何処か。
木が鬱蒼と茂る獣道。
『後戻りは出来ないよ』そんな言葉が聞こえてきそう。
いいの、良いのよ。
私が求めていたのは非日常。
ありきたりでつまらない、日常から離れた何処か。
「ようこそおいでくださいました、我らが巫女よ」
天鎧、魔(獣)鎧、鉱鎧(鉱害)、水鎧(水害)とか種族足してったら収拾がね、うん。