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作者の体験した恐怖体験録  作者: パイオニアレポート
6/6

不思議なおばさん


これは私が専門学生だった頃に本当に体験した話です。

これは恐怖体験というよりは不思議な話です。


前回、ヴェネツィアに行った事をお話しましたが、その時の出来事の話です。

私は絵が好きなのですが、ヴェネツィアの路上では沢山の絵描き達が屋台を開いて作品を販売しています。その光景を見た時、私は1枚は絶対に買って帰ろうと思いました。


そして時間は流れ、私がヴェネツィアの端到達を成功させその帰り道での事です。

数ある出店の中で私の目にとまった絵がありました。


ヴェネツィアの有名な橋を描いた作品です。

絵の題材自体は普通だったのですが、その色彩感覚に目をうばわれました。


その絵を売っていたのは普通のおばさんでした。

海沿いの通りで屋台を開いてそこで売っていたのです。


私はその屋台に立ち寄り絵を見ました。

私はその有名な橋の絵を買おうと思いました。ただ、ここでいらぬ考えが出てしまったのでしょう。

ヴェネツィアでこの橋はありきたり過ぎるのでは?と考えてしまったのです。


結果、購入したのはサン・マルコ広場を対岸から描いた絵でした。


ちなみにこの時、私がもっていたお金が大きい単位のお札しかなく、おばさんに、おつり出すの大変だからもっと小さい単位の札を出せよと言われる事もありました。まぁ、結局、それしか持っていない事を伝えるとおばさんは渋々お札を受け取りました。


今思えばこの大きい単位のお札で橋の絵も買っておくべきでした。


私は絵を購入し受け取るとおばさんの屋台を後にし集合場所であるサン・マルコ広場に向けて歩きだしました。


ですが、その途中、橋を越えた時の事です。

私はいらぬ考えで購入しなかった橋の絵がどうしても気になりました。


そこで、もう一度戻ってやっぱり買おうと思ったのです。


そうと決まったら行動です。

来た道を戻り橋を超えておばさんの屋台を目指します。


しかしでした。私がおばさんの屋台があった場所に行くとそこはただスペースがあるだけで屋台は姿も形もありませんでした。


私は首を傾げました。


私が絵を購入してまだ2、3分もたっていません。

あれだけ大きな屋台が無くなるとは思えず、場所を間違えたのかと考えました。

ですが、幾ら探してもおばさんの屋台が見当たらないのです。


結局、私はそのおばさんの絵を再び購入する事はできませんでした。


今考えても不思議でならないのです。


考えられるとすれば屋台は個人営業な為、私が大きな札を渡した為におつりが無くなり、その日の営業を取りやめたという事なのですが……。


本当に重そうな屋台だったのです。屋根もありました。商品の絵も沢山残っていました。

そこを離れてたったの2、3分でそれほどの屋台をすぐに撤去できるものなのでしょうか……。

それに私が見る限りおばさんはそれなりに歳をとっている様に見えました。


私は未だにあの絵を見ると不思議でなりません。

あの、おばさんは何者だったのでしょうか。超パワフルなおばさんで、屋台を片付けるのがすごく早かったのか。それとも、別の不思議な何かなのでしょうか……。


まるで不思議な世界に迷い込んでしまったかの様な気持ちです。


ただ、一つだけ言えるのは、変な考えなぞせずに、あの橋の絵を買っておくべきだったと今でも後悔している事です。


皆さんもヴェネツィアに行った際に絵を買う時は、気にいった絵はすぐに買った方が良いですよ。

後で思い直して戻っても私の様に買えないかもしれません……。

 

とりあえず、私が体験した恐怖体験は以上になります……。

今後、私が何か新たな恐怖体験をすれば、この作品は更新されます。

もしかしたら皆さんは新たな話を読みたいかもしれませんが、私はもうそんな経験はしない事を祈るばかりです。

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