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作者の体験した恐怖体験録  作者: パイオニアレポート
3/6

元旦の恐怖


これは私が高校二年生の時、元旦の1月1日に体験した話です。


この頃、私は高校二年の冬休みをグータラと過ごしていました。

冬休み初日からベットに一日中寝転がってニコニコ動画を見まくったり、ユーチューブで動画を見たりしていました。

なかでも当時、一番楽しんでいたのが、冬休みに入ってから数日が過ぎた頃に見始めたアニメのOVA作品『異世界の聖機師物語』の視聴でした。

ファンタジーなロボットアニメというものを本格的に知ったのは恐らくこれが私にとっては最初だったと思います。

知らない人の為に簡単に説明しますが『異世界の聖機師物語』という作品は、まぁ簡単に言うと、地球から召喚された主人公がロボットに乗って戦いながら旅をする……そんな内容のお話です。


私はこのアニメをちょっと新感覚だなと思いながら当時、ベットに横になりながら見ていました。

ちなみに私が見ていて好きになったキャラクターはユキネちゃんです。

ユキネちゃんマジ天使……今でも当時を思い出すとそう思います。


私は12月31日までに、第8話までを見ていました。


私は冬休みを満喫していたのです。

年越しの際には卵を入れた鍋焼きうどんを食べて、甘酒を飲み、寒さを我慢してわざわざ玄関の外に出て除夜の鐘の音を聞くなど、今思ってもかなり充実した事をやっていたなぁと思います。


そして、1月1日。

元旦がやって来ました。


我が家では1月1日の行動は毎年、大体決まっています。

朝早く起きて家族一同車に乗り、近所の神社へと人が混まない内に向かって初詣をすませ、家に帰ればすぐに御節料理で朝食です。

そして、この後なのですが、夕方になったら隣町に住んでいる親戚の家に行って、そこで親戚一同が会して新年会を開くのです。


お雑煮やおしるこの他、様々な料理が卓上に並びます。


新年会には毎年大勢が集まる事だけあっていつもそれなりに盛り上がります。

正月やお盆くらいにしか会わない人も居る為、特に大人達はお酒が入っているその場で盛り上がらないという方が無理かもしれません。

私は早くアニメの続きが見たいという衝動もありましたが、その日は確かに正月を楽しんでいた訳です。


しかし、その異変は唐突と起こってしまいました……。


それは、まだ、新年会が始まって1時間か2時間ほどの時間が過ぎた頃だったと思います。

私は正月の料理を食べていたのですが、その途中で急に気持ち悪さを感じたのです。

胃がムカムカする様な感じがして料理に箸が進みません。

それでも途中までは平気だったのですが、しだいに吐き気を感じ始め、気がつけば私が口にするものは酸味のあるオレンジジュースだけになっていました。

ですが、こんな新年のめでたい時に体調が悪いなんて私には言えませんでした。


そんな時です。

私の母が私の異変に気がつきました。

母は私がオレンジジュースばかり飲んでいる事に違和感を感じていた様でした。


率直に言うと母は私に気持ち悪いのか?と聞いてきました。

もうそう聞かれれば言い逃れをするつもりは私には一切、ありませんでした。

私は正直に気持ちが悪いと打ち明けました。


すると、母はすこし横になっていろと言ったので親戚中に若干心配されながらも横になったのです。


しかし、横になっても状況は一向に良くなりませんでした。

ますます気持ちが悪くなっていったのです。

それで私はついに母に酷くなってる事を伝えると、母は今日はもう帰った方が良いという事でいつもの新年会よりも明らかに早かったのですが、私達家族は新年会を後にする事にしたのです。


車の中で私は違和感を感じていました。

胃が重いようなそんな感覚です。

私は今までそんな感覚を感じた事はありませんでした。

母や父は胃もたれが原因だろうと考えました。

私もその時はそうかも知れないと考えました。

今までに胃もたれを感じた事は一度もありませんでしたが、現に新年会でから揚げを何個も食べていたので今日は体のコンディションが優れなかったのかも知れないと思ったのです。


それに、家に帰れば胃もたれを治す薬があるという事で安心していました。

ですが、その安心に反して車に乗っている間にも体調はどんどん悪くなっていったのです。


そして家につくと、私はすぐに母から胃もたれの薬を貰うとその苦い薬を飲みました。

これで良くなるはずそう思っていたのです。


しかし、それは薬を飲んでから五分もしないうちに表れたのです。


私は自分の部屋のベットで寝ました。

いつもなら自分の部屋に入ってすぐにパソコンの電源をつけてインターネットをするのですが、この日は元旦にも関わらずそんな元気はありませんでした。


するとそれは本当に突然でした。


私は突然、やってきた強烈な吐き気に襲われ、急いでトイレに行き嘔吐したのです。

さらに、それだけではありませんでした。

嘔吐が終わると今度はこれまた急に下腹部に強烈な感じを覚えて下痢もしたのです。


トイレから出る頃にはすでに私の体の具合は薬を飲んだときよりも遥かに悪化していました。

この時点で私の症状は単なる胃もたれではないという事が母父だけでなく私にも分かりました。


普通ならば一度吐いたり下痢も出してしまえば少しは良くなるはずです。

ですが、私にとっての地獄はここからが、始まりだったのです。


それから私はなんと〝五分から十分毎〟にベットからトイレへダッシュし、嘔吐と下痢を数時間に渡って繰り返したのです。

吐いても吐いても吐き気は収まらず。

胃の中にはもう何も無いのにただ胃液だけが強烈な吐き気と共に出されるのです。


下痢に関しては、普段から便秘気味だったという事もありそれは酷かったのですが……。


そんな最中、母と父が何やら話し合っていた様で私にその結果を母が言ったのです。

私の症状に心当たりがあると。


それは……




……ノロウイルスでした。




実はこれは母にこの時、聞いて知ったのですが、母によると父が一週間ほど前に忘年会でカキを大量に食べてノロウイルスで寝込んでいたのです。

そして、その症状は私に起きていた症状と瓜二つだったと。


私はこの時、病院に行きたくてしょうがなかったのですが、母は元旦だし開いてないし、それに行っても意味ないと言われました。

聞くと母は父が病院に行った時に医者曰く「ウイルスを体外へと排出するしかない。水分不足にならないように水分をとること」としか言われず、薬ももらえなかったそうです。

なので、母は私を病院には連れて行かずに、父の時と同じ対処をするとの事でした。


それで結局、私は病院には行かずに強烈な気持ち悪さと、ほぼ五分毎に訪れる強烈な吐き気と下痢に数時間に渡って苦しめられました。

ベットで横になっていても、私は激しい気持ち悪さから寝る事はできずにベットの上で文字通り〝のた打ち回って〟いました。


腹痛でのた打ち回った事は経験がありましたが、気持ち悪さでのた打ち回ったのは初めてでした。


私が家に帰って来たのが、夜9時前。

覚えているだけでも、深夜2時か深夜3時ごろまで私はベットの上でのた打ち回り、トイレへと急行して嘔吐と下痢を繰り返していたのです。

それも時間がたてばたつ程、酷くなっていったのです。


そんな状態の中、深夜12時を過ぎた頃だったと思います。

この時、私の症状はピークを迎えていました。


私のベットでののた打ち回りも一番酷かった時です。


私は気持ち悪さに襲われながら、変な感覚を感じたのです。

恐らく私の人生で感じる初めての感覚を。


それは意識がふっと飛んでいく様な感覚です。

でも寝る時のアレではないんです。

言葉にするのは難しいんですが、こう、あっ私、もう駄目かも……みたいな。

これは死んだなかもみたいな、人生初の感覚です。


視界と感覚が一気に暗転しました……。


ですが、その次の時、私の頭の中には不思議な光景が浮かび上がってきました。

白いモヤモヤの中に映像みたなものがフラッシュバックで流れてきたのです。


皆さんに分かりやすく言うと、走馬灯みたいなものだと思います。

私自身もこんな経験をした事がこれを除いて現在に至るまでに幸運な事に一切ない為、分かりませんが。

でもイメージとしては走馬灯を思い浮かべてもらえると分かりやすいです。


この時、私が見た光景なのですが、それは、今思い出しても、すごい光景でした。

それはなんと……




なんと!




異世界の聖機師物語に出てくる美少女キャラクターたちが、次々とフラッシュバックの様に表れて私の名前を呼んできたのです!!!!


大事な事なのでもう一度言います。


異世界の聖機師物語に出てくる美少女キャラクターたちが、次々とフラッシュバックの様に表れて私の名前を呼んできたのです!!!!




あっ待って!

ページを閉じるボタンを押さないで!

これ本当の話なんです!恥ずかしいですが、本当にこの時、フラッシュバックで流れてきた光景の話なんです!


コイツヤべー……みたいな目でこれを見ている事は予想がつきます。

ですが、重ね重ね言いますが、本当に経験した話なんです!


恐らくは、ノロウイルスで私の脳みそがクラッシュしてたのではと思っていますが……。


この光景を見た瞬間、私の意識は急激に戻りました。

意思が一気に戻ってくる感覚を感じたのです。

この時、私が考えていた事は、まだだ!!まだ死ねない!!でした。

まだ続きを見切ってないじゃないかと。

結構、ガチめにこの時、こう思っていました。


この瞬間の出来事は今でもかなり鮮明に覚えています。


この後も私は気持ち悪さに襲われ続ける事になるのですが、これ以降、私は何とかノロウイルスの地獄を乗り切り無事に乗り切りました。


この時の事は今思い出しても、ヤバかったにつきます。

私は身体が弱かったので風邪をよく引いたり腹痛は日常茶飯事で学校の鞄には常に正露丸がビンごと入ってないとヤバかったりしたので、この時の経験は断トツで命の危険を感じた出来事でした。

ノロウイルスが完全に治ってから体重を計ったら5キロ以上(※10キロまでは減っていなかった気がする)体重が激減していました。

ノロウイルスが私に猛威を振るっていたのはたったの数日間、最初の1日が地獄で次の日からはだいぶ良くなり4日目には体調はほぼ回復していた様に思います。

たったこれだけの期間の間に5キロ以上も体重が減ってしまったのです。


テレビでよく食中毒が起きるとノロウイルスの単語が良く飛び出しますが、私はその威力を身をもって受けました。

ノロウイルスは本当に恐ろしい病気です……。

嘔吐と下痢による無限地獄……。


正直、アニメキャラ達には会えはしましたが、同じ経験は二度と御免です。

そもそもまた会える保障はありませんし、それに絶対にもうこの苦しみは味わいたくありません。


皆さんは絶対に私と同じ様な目に合わないで下さい。

ナマモノや時間のたった食べ物には細心の注意を払って下さい。

私みたいに家族からうつされてしまう場合もありますが……もしも家族の中でノロウイルスにかかった人が出たらすぐに隔離と徹底した除菌をお勧めします。

ノロウイルスにかかった人が使ったトイレは除菌をしないで使ってはいけません。


皆さんが私と同じ様な経験をしない事を祈っています。


ちなみにですが、私はこの一件以降、異世界の聖機師物語を私の命を救ってくれた命の恩人のアニメだと思っています。

もしも異世界の聖機師物語を見ていなかったらと思うと薄っすら寒い感じがします。

本当に!本当に!異世界の聖機師物語には感謝しかありません!!

重ねて言いますが、これは実話で私の実体験に基づいた話です。


それと、この経験から、こう思うようになりました。


オタクはアニメを見続ける限りちょっとやそっとの事じゃ死なん!と。

それと、死にかけると二次元の世界への扉が開かれるんですねぇ……(代償は命)と。

私と同じくオタクだというの方はアニメはマジで見続けた方が良いですよ。

もしかしたら本当にヤバイ時に命を助けてくれるかも知れません。


それでは

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