六話
「では、今日はこんなところで解散しましょうか」
「「「「はい」」」」
「明日は休養日ですから、皆ゆっくり休むように。カルヴィーノは何かわからないことがあれば私に言ってください」
「わかりました!!」
休養日かぁ。……できればエルくんの寝顔とかみたいけど、エル君の部屋に侵入したら攻撃されそうだからやめておこう。いや、攻撃されるのもよいのでは……? 攻撃してる時のエルくんとか超見たい。
私がエル君に思いを馳せていると、肩に腕が回された。なにごと!?
「フィオーレちゃん! 明日休みだし、夜通しおしゃべりしましょ」
「え」
「エルミオ、あまり無茶させないように」
「はぁい」
エル君の忠告に返事をしたカルトスさんは私を引きずっていった。残された三人は私たちに手を振っている。待って、私なにも了承してない!! っていうか、え、徹夜!? 徹夜なの?! 私徹夜したことないよ!? できたことないよ! 徹夜しようとしても夜十二時には寝ちゃう良い子だよ!?
その後、エルミオさんの部屋に連行された私は、結局日付が変わるまで寝かせてもらえなかった。エルミオさんの部屋は意外と黒で統一されていた。もっとかわいいものであふれてるとおもったよ…。
そして翌日。
「鍛錬しに行くぞ」
カルトスさんがエルミオさんの部屋の前にいた。わぁーお。威圧感がすごいよ! ところでまだ朝の四時なんですが。私寝てから三時間くらいしか経ってないよ。
「じゃぁフィーちゃんいくわよ~」
「エルミオさんいつの間に着替えたんですか!?」
「さっき。フィーちゃんも着替えてっらしゃい」
「はい……」
おかしい。私より後に寝たはずのエルミオさんの方が元気だ。
私が着替えて訓練場に向かうと、そこには昨日会った五人がいた。ひゃー! エル君もいるよ! あれは、運動するときの軽装ですね!? かわいい!! 睡眠時間少ないのなんて気にならないくらい元気になったよ!! ありがとうエル君!!
鍛錬では死ぬ気で鬼ごっこしたよ。カルトスさんめっちゃ速かったよ。鬼の形相でこちらに向かって走ってくる彼はまさになまはげ。私の悲鳴が訓練場に響いたよね。
その鍛錬の後、昼間で爆睡したのは言うまでもないと思う。