四話
「カルヴィーノ、君、得意な武器はなんですか?」
「基本何でも。相手の武器によります。普段は銃を持ち歩いてますけど」
「なるほど」
これから関わるであろう私の部下を紹介する、と言われ長い廊下を二人で歩く。ふむ。エルくん身長高いね。私があまり高くないってのもあるけど。それにしても横顔もきれいだわー。見てて飽きない。むしろ部屋に飾りたい。
「着きましたよ」
「あ、はい」
長い廊下の途中、豪華な扉の前でエルくんの足が止まる。危うくぶつかるところだった。
「……あぁ、みんな揃ってますね。ちょうどいい」
中にいたのは男性が三人。少ない。
「彼らがチームメイト。基本的には彼らと動きます」
「了解です」
「私たちは第六部隊をさらに細かく分けたA班です」
「第六部隊A班ですか」
「えぇ。今は平和ですから、少人数で行動して仕事をこなしています。大きな仕事はもっと人数が増えます」
「わかりました」
「では、まずカルヴィーノ、自己紹介してください」
「フィオーレ・カルヴィーノです。本日配属? されました。よろしくお願いします」
自己紹介をして頭を下げる。
「なんか女みたいですね」
「バルド」
「あっ、すみません」
思わず零れ出たのだろう言葉をエルくんが少ない言葉で咎める。言葉を放ったのは銀髪の若い男性。この中で私と一番年が近そうだ。
「よく言われます。気にしてませんので大丈夫です」
事実女だしね!! いやぁ、やっぱり隠せない女性らしさってあるよね! 仕方ないね!
「悪かったな。オレはバルド。バルド・アルテーレ。よろしくな」
屈託のない笑顔でそう言ってくる銀髪。バルド・アルテーレ。覚えた。
「すまないな、バルドは思ったことをすぐ口に出す。俺はカルロス・トゥルレッツォだ。よろしく頼む」
三人の中で一番ごつい男性がカルトス・トゥルレッツォ。苗字で呼んだら確実に噛むな。呼ばないでおこう。
「最後は私ね。私はエルミオ・フェッラーリ。よろしくねカルヴィーノ」
ふわふわの赤毛がエルミオ・フェッラーリ。……車かな。ていうか口調からしてオネェかな。
「それにしてもお前小さいな?」
「そうねぇ、今年入隊なら若くても15歳でしょう? もう少し背が高くても……」
「ちゃんと寝てるか? それとも栄養不足か?」
この人たち親御さんみたいだな?
「カルヴィーノ、今日はとりあえず施設を案内します。ついてきてください」
「はい!」
エル君直々に案内してくれるのか! うれしいね!!
私は部屋を出ようとしているエル君の後ろについていく。
「俺も行く」
「じゃぁオレも」
「私も~」
そして三人も後ろについてきた。わぁ大所帯。
「君たちね……まぁ今日の仕事は終わってるのでいいですが」
「今日は何のお仕事してたんですか?」
「今日は西の砦のところに出た魔物の退治よ~」
「おぉ~」
すごいなぁ。魔物って強いのが多いし、魔法を使うから、退治するのは大変だっただろうに。
五人で長い廊下を歩いていく。遠くから雄たけびのようなものが聞こえてくるが気にしない。