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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
37章.神殿再建(2)

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37-20.[異世界側のお話です]パンツの中の毛(上)

挿絵(By みてみん)


今回はひさしぶりに、異世界側のお話です。

ひさしぶりの異世界側のお話なのに、大変残念なお話ですみません。


■現在の状況

主人公のおっさんは、ヨコハマに帰ってしまいますが、現代日本側の洋子さんと異世界側のエスティアさんが、通称”石”と呼ばれるアイテムを通して意思疎通に成功し、洋子さんがエスティアさんに神様を譲渡する約束をしましたが、まだ神様は戻ってきていません。

そこで、呪いに使われた5人の女の最後の一人、リナさんが最後の一押しをすると、神様が戻ってくるはず……だと異世界側のヒロインさんたちは予想しています。

そのためリナさんが洋子さんと接触しようと頑張っています。


========


アイスは暇なので、暇つぶしにリーディアの様子を見に来ていた。

※ここはリーディアさんの執務室です。


「リーディアはランデルに行くのか?」


アイスが突如聞いたのにもかかわらず、リーディアは即答する。


「もうすぐ戦いが始まる。

 その前にジェローネに伝えておかねばならないことがあるのだ」


つまり、”行かなければならない理由があるから行く”そう言っているのだ。


----


リーディアは石の記憶を読んで、巨人撃退のときにリーディアと同時に受勲したジェローネに、あのときのリーディアの行動が、()()()()()()()()()()伝えられていたことに気付いた。


そして今、ジェローネはこれから戦闘のはじまるランデルに居る。

なんとしてもジェローネが生きてるうちに誤解を解いておきたい。

永遠に伝えることができなくなる前に……


※死を意識している軍人の感覚だと”いつ死んでも良いように”

 が前提なので、この行動になるだけです。リーディアさんは、

 ジェローネさんがランデル防衛戦で死ぬと思っているわけではありません。


一方で、アイスには、ほんの数日前まで元気のなかったリーディアが突然元気になったように見えた。

石の記憶が見えたと聞いたが、それだけで元気が続くとも思えなかったので、他にも何か理由があると思っていた。


「リーディア、やけに元気だよな? 何かあったんなら、俺にも教えてくれよ」


「ほう。アイスは気付くか」

※気付いてほしかったようですね。


やはり何かあるのだ。

「トルテラのこと、何かわかったんだろ?」


「トルテラに関する”新たな情報”が入ったわけではない。

 もっと”根本的”なことだ」


”根本的”なことと言われても、アイスはしっくりこない。

「それじゃわかんないよ。なあ、教えてくれよ」


するとリーディアは、わざわざ一度後ろを向く。

「そうだな、私が元気になった理由は……」

そう言いながら振り返り、ポーズを決める。

「トルテラとのつながりを強く感じたからだ!」


ひさしぶりに、謎ポーズが出た。

そして、完璧にポーズとセリフが揃った……のだが、アイスはスルーした。

※興味が無いからです。


アイスは、なぜ急にトルテラとのつながりを強く感じるようになったのかを知りたいのだ。

「だから、なんで急に”つながりが強くなったと思った”んだ?」


「それはイグニスが来ればわかる」

リーディアはそう答えるが、アイスは、イグニスが来ても何もわかる気がしなかった。


※なんでリーディアさんはイグニスさんが来たらわかると思ったのでしょうね?


「イグニスが来るまで秘密ってことか?」


「ああ。そろそろ来るはずだ」


アイスはイグニスが来たからといって何かがわかったりしないと思ったし、

そもそもイグニスは約束したところで、決まった時間に現れるような生き物ではない。


「イグニスは、いつ来るかわからないだろ、教えてくれよ」


アイスがそう言ったとき、確かにイグニスが気配察知の範囲内に居ることが分かった。

誰かがイグニスを連れてこようとしているようだ。

「お? イグニス来てるのか」


……………………


しばらく待つと、ルルがイグニスと一緒にやってくる。

「リーディア、イグニス連れてきたわ」

「ああ、助かった」


イグニスは来るなりこう言う。

「で、竜がなんじゃと?」


リーディアは服をめくって見せる。

「ここだ」


いきなりリーディアが、わき腹を指して”ここだ”と言うが、アイスには何もないように見える。

「なんだ?」


イグニスにも、特に何も無いように見えるので文句を言う。

「何も無いではないか、くだらんことで呼びおってからに。

 それで、新しい菓子とやらはどれじゃ?」

※いつも通り、菓子で釣って連れてきたのです。


「お菓子は今用意してるから少し待って」


「くだらんとはなんだ。竜と関係のあるイグニスなら、

 ひと目見ればわかると思ったのだが。

 人間では見てもわからないが触れればわかる」


「妾が見てもわからぬ。それより菓子じゃ!」


イグニスは全く興味を持たない。


「ここ、不思議よね? 何も見えないのに」

「見えないが、ここに毛が生えている」


ルルとリーディアは、触れば毛があるように感じると言っているようだ。

アイスは、勘違いだろうと考える。


「何言ってんだ? 何もないじゃないか。

 触ったからって……」

そう言ってアイスが触るとサラサラした手触りで、過去に触ったことのあるような感触だった。


「おおお! これ、トルテラの尻尾と一緒か?」

「ほう。アイスもそう感じるか」


「なんじゃと、トルテラの尻尾?」

”トルテラの尻尾”のキーワードでイグニスが釣れる。


アイスが触っているのに、イグニスが割り込んで触る。

「おお! なんじゃ?」

イグニスはジョリジョリ逆撫でしながら言う。

「おかしいのう。確かに何かあるようじゃの。これは尻尾の毛と似ておる」


ようやく毛の存在を確認したイグニスにリーディアが問う。

「私はこのままいつか竜になるのか?」

※これがリーディアさんがイグニスさんに聞きたかったことですね。


「なるわけあるか、このたわけが!」

即答だった。


「このままってなんだよ」

アイスが突っ込みを入れる。


「この毛が徐々に広がっていくのではないかと思ったのだ」

リーディアは、だんだん毛が体中に広がっていつか竜になるのではないかと考えた。


アイスは何度か撫でてみるが、確かに見た目では全く分からないのに、トルテラの尻尾の毛と同じような手触りの部分があるのだ。

「これ、いつからだ?」


「比較的最近のことだ。何日か前からやけに服が引っかかると思ったら、毛が生えていた」


「リナと関係あるのか?」


リナが最近、”もしかしたら大鎧のことを伝えることができたのかもしれない”と言っていたのだ。


「その可能性はあると思っている。

 トルテラが大鎧のことを思い出したのかもしれない。

 あれが無いとトルテラは死ねないのだ。必ず取りに戻ってくるはずだ」


「それで、なんでコレができるんだ?」


大鎧のことを思い出したからといって、リーディアに謎の毛が生えるのも妙ではある。

だが、アイスは、そのことを指摘したわけではなかった。


アイスは、その毛皮が自分の体にも欲しかった。

なんのために、どうすれば、そんなものが体にできるのかが知りたかった。


……のだが、リーディアは突拍子も無いことを言い出した。


「私が竜になって竜の子を産んだとしても勇者の話は成り立つ。

 トルテラと結ばれるために竜になる必要があるというなら、私は竜になろう。

 それで戻ってきてくれるのなら安いものだ」


突然尻尾の毛のようなものが生えてきたのでリーディアがテキトーにこじつけた理由でしかない。

とはいえ、このタイミングで生えてきた意味を考えると、全く有り得ないとも思えない。


「それじゃ、トルテラの子を産むには、俺も竜になんないとダメなのか?」


アイスは、凄く心配になったが、イグニスにあっさり一蹴される。


「人間が竜になるわけなかろう、このたわけが!

 じゃが、不思議ではあるの。なんで生えたのじゃろか?」


わざわざ見せびらかすように、リーディアは、上半身裸になる。


「そうか? これが、トルテラと無関係とは到底考えられない。

 こうなった理由はわからないが、少なくとも私はトルテラに

 一歩近づいたように感じている」


目では見えないのに、トルテラと同じ触り心地の毛生えたら、トルテラと無関係とは考えづらい。


「確かにそうだよな……トルテラと関係ありそうだ」

アイスはそう言ったとき閃いた。

「じゃあ、俺にもあるんじゃないか?」


アイスは、今気付いていないだけで、既に自分の体のどこかに、この毛があるかもしれないと思った。


アイスはいきなり服を脱ぐと、わき腹と腰を確認するが、普通の肌だ。

「足とかにもできたりするのかな?」

さらに全身を足先まで触って確認する……が無い。


どこにも無いのでパンツも脱いで調べるが、やはり無い。


自分では、しっかり触れない場所にあるのではないかと考える。

「背中にあったりしないか? ルル、見てくれよ」


背中確認するのに素っ裸である必要ないのにと思いつつルルが確認する。

脇のあたりまで念入りに触るとアイスが反応する。

「うへっ、人に触られるとくすぐったいな」


「我慢して」


「うん。ちょっとくすぐったかっただけだ」


念のため上から2往復確認したが、無かった。

「安心して。普通の肌よ」


「そうかー」

アイスはかなりがっかりした。


アイスを元気づけるためか、理由はともかくとしてリーディアが言う。

「私は特別なのだ。私はトルテラの尻尾を愛しているからな!」


確かに、アイスは他の女ほど尻尾に惹かれてはいなかった。

それでも、トルテラと同じ毛が生えたら嬉しい。


パンツを履きながら言う。

「なんでリーディアだけ生えたんだ?

 ……そうだ、ルルも調べてやる」


アイスは、リーディアに生えていて、自分に生えていないのは確定済みとして、他の女には生えていないと良いな……と思った。


ルルは、毛が生えたかどうかなんて、さほど興味は無い。

「えええ? い、いいよ、わたしは」


「でも、あるかもしれないだろ」


「わたしは、いいから」


ルルはこの場で調べる必要を感じないのだが、アイスがしつこく調べたがる。


そこにテーラが現れる。

「なにしてるの?」

最近にしては、やけに騒がしいので、何があるのかと見に来たのだ。


すると、パンツ一丁のアイスがルルの服を脱がそうとしているところだった。

そして、リーディアは上半身裸で謎のポーズをとって勝ち誇っているように見える。


ルルはテーラに助けを求める。

「テリシア(テーラ)、アイスを何とかして!」

……が、テーラには何をしているのかがわからない。


「なにしてるの?」


テーラの問いにアイスが答える。


「ルルも調べた方が良いと思って」

「何を?」


テーラには何の話か分からないが、何の話をしているのかヒントになりそうなものが無いかリーディアの方を見る。


リーディアのわき腹を何故かイグニスが撫でている。

「手触りは似ておるのう」

「はははは! 私はあの人と同じ毛を手に入れたのだ」


テーラは、なんとなく理解した。

リーディアの体に何が異変があって、アイスは自分にも同じ異変が無いか調べたが、無かった。


リーディアに有って、アイスに無いのは仕方ないにしても、アイスは、他の女にも無いことを確認したかったのだろう。


※一目でわかるものなのですね!


リーディアの言う”あの人と同じ毛”の”あの人”はトルテラのことだと思うが、場所的にも、見た目的にも髭では無さそうだ。

「同じ毛ってなに?」


リーディアは、テーラが反応するのを待っていた。


「目では見えないが、触ればわかる」


テーラは、触って確認する。


「ここ?」

「ああ、そのあたりだ。触ればわかる」

テーラが触れると、すぐにわかった。あの触り心地だった。

上から下へはさらっと撫で下ろせるのに、逆方向になると引っかかる。

あの感触そのものだった。


懐かしい感触に、思わず涙がこぼれる。

「これ……いつから?」


「気付いたのは昨日だ。何日か前から服が引っかかる感じはあったかもしれない」


それを聞くと、テーラはいきなり服を脱ぐ。

「テリシア、何やってんの」 ルルが突っ込みを入れる。

テーラは、最近になって何か進展があったのなら、自分の体にも変化があるかもしれないと思ったのだ。


テーラが何をしようとしているのかは、アイスには良く理解できる。

アイスが寄ってきて、背中をぺたぺた確認する。

「背中には無さそう」

「そう」

「背中以外は?」


「私には無いみたい」

テーラは、自分にもそんなものがあったら良いなと思っていた。


ルルは凄く疑問に思った。リーディアは、毛があって嬉しい。

アイスは毛があると嬉しかったのに無かったから、ルルにもあるかどうかを調べたがったように思えた。

テリシア(テーラ)まで、毛が無いことがわかったらガッカリしたように見えた。


「そんなにあると嬉しいものなの?」


その言葉で、テーラの意識はルルに向いた。

「ルルも調べてあげる」


「わたしはいいよ。アイスにもテリシア(テーラ)にも無かったんだからいいじゃない」


ルルは毛があったら良いなとは特に思わなかったので、本当にあると嬉しいのか確認したかっただけなのだ。


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