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加齢臭と転移する竜 (内容まとめ:おっさんが異世界に終活をしに行く話なのですが、なぜか『ほのぼの』と言われています)  作者: 黒長 二郎太
4章.大鎧と勇者編

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4-13.母娘の舞

挿絵(By みてみん)


確かに、トート森には大した軍備が無い。

トート森周辺がたいした軍備持ってないのは、竜の守りがあるかららしい。

昔、ダルガンイスト(を含む周辺国から)から攻撃されたが、当時は軍備があったが、竜が守ってくれたという。

相手から見ると攻め込んだら、竜に城を壊された。

竜は人間と関わらないのにトート森は竜に護られる。


おお!! だから、あっちでは竜は敵なのか。

こっちでは守り神。繋がった。


連合領内は、平和なのかと思っていたが、戦争はあるのだ。



”大鎧の書”は勝手に書き換わる。

俺が扉を開けてしまったせいか、新たなお告げが大鎧の書に出てしまった。


”迷宮の竜が導く”


このタイミングで書き換わったのだ。

俺が行かなきゃならないのだろうが、ちょっと抵抗してみる。


「行こうにも、金が無いから行けない!」という話をする。

すると、モブキャラA子が、「旅費は十分な額が出ますよ」と言う。


旅費が出るのはともかく、前より大幅アップだ。


ちょっと嬉しい……じゃ無くて、だから、その金どっから出てるんだよ!……と思った。


「その金は一体どこから」

「予算はあったのですが、使える候補者が現れなかったのです」とモブキャラA子が言った。


モブキャラA子の名前は”アイシャ”だった。


前にも聞いたが、あのときは、モブキャラだと思ってたので、気にしてなかったのだ。


ここの領主のルオール候は、大鎧信仰の熱心な信者で、大鎧の遣いの竜が見つかったことで、大幅予算アップ……というか、竜から託された財宝があるのだそうだ。


竜は、財宝で、人間を釣るだけの知能があるようだ。

かなり、知能の高い生き物である可能性が高い。



予算アップのかわりに、そのうち俺の神殿跡地を見に来ると言う。


めんどくさそうだから、住むの止めるかと思ったが、神殿跡地に住む以前に、俺が扉を開けた時点で、いつかは、領主様と会わなければならないことが確定していたらしい。


どうせ領主と会わなければならない。


ダルガンイスト行きと一緒で、いつもの通り、俺に選択肢はないのだ。


========


俺の家があるオリアン神殿跡地に帰ってから、近くの木の実取りに行って戻ってくると、家の裏手で声がする。

何してるのかと思って見てみた。

すると、テーラとエスティアが何かしてるのが見えた。

ここには水はないので、水浴びではないので安心だ。

同じ場所でガサガサしてるので、何をしてるのかと思えば、踊りの練習をしているようだった。


テーラとエスティアが、キタキタ踊りとナンナン踊りの練習をしてるのだ。


ただ踊るだけの人を崇める”ビフェット・ウグム”という同じ名前の町が山を挟んで南北にある。

そのため、多くの人は北の町、南の町と呼んでいる。

実際には町の名前だけでなく、踊りも同じなのだが、俺は北の町の踊りをキタキタ踊り、南の町の踊りをナンナン踊りと呼んでいる。


テーラはトート森生まれだが、母親のシートが北の町出身で、キタキタ踊りを踊れる。

エスティアは南の町出身でナンナン踊りを踊れるのだ。


とっても迷惑なことに!


もう不安しか感じない。

前にダルガノードで風呂で踊られて酷い目に遭ったのだ。


何故か俺に隠れて練習している。

悪い予感しかないので、俺は、あの2人を置いて迷宮に行きたい気持ちでいっぱいになった。


========


夜になって、エスティアが話があると言うので、無理やり踊り見せられると思い心配していたが、それとは違う話だった。


「ねえトルテラ、もう大鎧絡みの依頼は受けるのやめなさい」


俺もそう思っている。


「できれば俺もそうしたい」と答えつつも、迷宮には行かなきゃならないんだろうなと思った。

「そういうわけにも行かないだろ」とリナが


「どこか遠くに逃げるか」とアイスが言う。


テーラはいつもどおり無言だが、竜を見たいのだろう。


俺の考えに気付いたのか、

「いいよ。迷宮行かなくても」とテーラが言った。


どこか寂しげだったのが印象に残った。


========


今日は、エスティアとテーラと一緒に寝る日だった。

寝るときに再度「行かなくていいよ」とテーラが言った。


テーラの方を向くとやはりアイスと一緒で、あごひげジョリジョリ触ってる。

複雑な思いでいると、急に後ろからけっこうな勢いで抱き着かれた。


むしろ締め業か?と思った。


胸はぎゅうぎゅう当たってるのだが、こういう場合は、そっち系の刺激はあんまり感じないようで、それは平気だったのだが、「どこにも行かないでね」とエスティアが言ったので、なんだか感極まって、涙腺崩壊してしまった。


だんだん動悸がと思ったら、今度はテーラがくっついて来て「行かなくていいから」と言う、俺はもう駄目だと思ったところで気を失った。


でも、夜中に蹴られて、俺はどこかに行きたい気持ちでいっぱいになった。



朝起きると、この日の髭剃りはテーラの番だった。


ジョリ、ジョリ、ジョリ。


ふんふん。


「におわない」と俺が言う

「におわない」とテーラが言う


ジョリ、ジョリ、ジョリ。


ぺた。


「くっつかない」

「くっつかない」

いつもどおり、なぜか復唱する。


……いつもよりくっつく時間が長い。


「ごめんね」とテーラが言った。

たぶん、気を使わせてごめんとかそういう意味なんだろうけど、テーラのことを思うとちょっと涙が出た。

歳をとると涙腺が緩くなるのだ。お父さんの夢をかなえたいのだ。

お父さんの夢は、きっとシートとテーラの夢だから。


美しい親子愛だなと思って感動した。


========


ところが、早速その感動に水を差すような出来事が起きた。


シートが本を解説した見返りにキタキタ踊りを見ろと言うのだ。

しかも、シートとテーラの2人で踊るのを!


亡き父の思いを叶える美しい母娘の思い……と思って感動してたのに!台無しだよ。

俺の感動を返せ!!!と全力で叫んだ。心の中で。


避けるのは難しいと思い、俺は条件を出した。

パンツ禁止。もちろん裸も厳禁……すると、テーラがふらっとよろけて、へなっと挫けた。

珍しい。たぶん、パンツで俺を悩殺しようとしてたのだろう。


すると、シートが、「大丈夫。私が何とかするから」と言った。

珍しく母親らしいフォローに驚くとともに、嫌な予感が拡大する。


トルテラは気付いていなかったが、実はこの母娘キタキタが、美しい母娘愛だった。


ダルガノードの風呂で踊ったときに、トルテラがエスティアばかり見ていて、テーラはあまり見てもらえなかったことを悔やんでいたので、シートが一肌脱いだというわけだった。


前回パンツなしのテーラはあまり見てもらえなかったので、パンツ脱いでしまったことを酷く後悔していたのだ。

そこで今度こそパンツ姿のキタキタ踊りを披露するつもりが、パンツを禁止されてしまったのだ。


========


2日ほどして、準備ができたと言って、無理やり踊りを見せられることになった。


腰にはひらひらしたものを付けていた。怪しい。

ひらひらすると、裾から何かが見えそうで、とっても嫌な予感がした。


俺は無心を心掛ける……が、踊りが始まると、ひらひらすると裾から何かが見える。

この世界のパンツは裾が長いんだよ!


思いっきりパンチラ状態だった。


無心を心掛ける。

でも、ちらっと見えると、目がどうしてもパンツを追ってしまう。

ちょっと動悸が激しくなって、苦しんでると、後ろから凄い殺気を感じる。


エスティアとリナが見張りで付いてるのだ。

抜け駆け禁止とかで、俺には見張りがつくのだ。


スカウターが壊れるほど戦闘力が上がってそうだった。

スカウターと言うのは、俺が子供の頃からやっていた、国民的人気マンガに出てくるアイテムで、相手の強さがわかるのだが、限界を超えるとボンっと壊れるのだ。


俺はエスティアとリナに助けを求めたい気持ちでいっぱいになった。

でも、コイツら俺が倒れるのを見届ける役なんだよ。殺気全開で!

なんか、凄い勢いで、介錯人みたいなのだ。


微妙な歌とシャンシャンだけで、踊りもあんまりシンクロしてないのだが、そんなことよりパンツが見えたり見えなかったり、背中には殺気を感じるしパンツはちらちら見えてるし、動悸と背中の殺気とで、苦しくなり、俺はもう駄目だと思い、へなっと倒れた。

すると、踊りが終わってシートが来て優しく介抱してくれた。


今度は安心できた。これでノルマ達成。

テーラもパンツ履いてるから安心できる……


俺は試練を乗り越えたのだ!



しかし、困ったことは続くもので、次の日はエスティアのナンナン踊りリサイタルを見せられて、パンチラで倒れるまで許してもらえなかった。


後ろでリナとアイスが、殺気を放っていたので凄く怖かった。


なんで俺ばっかり、こんな拷問に遭わなきゃならないんだよ!!!と全力で叫びたかったが、エスティアが熱心に介抱してくれたので、俺の怒りのエネルギーが霧散していくのを感じた。


でも、やっぱり、今日もリナとアイスが、殺気を放っていたので凄く怖かった。

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