31-3.神様の秘密を暴くのはやめてください(15) おっさんの恥ずかしい秘密 中小国視点(1)
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複数の集団が、同時に行動しているため、各集団視点の動きを投稿していきます。
そのうちの”中小規模国(国、地域、部族)”視点のお話です。
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トルテラ失踪後に、新たな竜、【プルエクサ】が現れ、【一番大きな竜】に代わり、”ちゅうかまん”迎撃に当たることとなった。
トルテラは”ちゅうかまん”の侵攻タイミングを予測できたが、”ちゅうかまん”もトルテラの行動で侵攻タイミングを変えてくるので、侵攻タイミングが激しく変動していた。
ところが、トルテラ失踪後、”ちゅうかまん”の攻撃タイミングは最速で固定されたため、準備がしやすくなった。
【プルエクサ】の存在に関わらず”ちゅうかまん”の行動が変わらないため、【プルエクサ】は”ちゅうかまん”が【プルエクサ】の存在を察知できていない可能性があると考えていた。
【プルエクサ】がやるのは迎撃のみ。
その他の準備は人間が勝手にやる。
元々トルテラが準備していた迎撃作戦通り、”ちゅうかまん進路”に居る人々には、再度予定コースと、来襲タイミングが伝えられ、避難を進めた。
この様子から、この時点で既に、”ちゅうかまん”被害国には、迎撃の本気度が伝わっていた。
”ちゅうかまん”迎撃は元々トルテラ主導で行われていたため、トルテラに対する期待が高まりつつあった。
これが、後の見物人による大渋滞の遠因となる。
ランデルの兵が情報を配って回った。
結局、この時の実働部隊が、”トルテラ配下”のランデルの兵が多かったことから、近隣の国では、”ちゅうかまん退治”は”トルテラ”が行うものという認識を持った。
今回の”ちゅうかまん”予想進路上の国は、ランデルとは、枠組み上敵対関係にあっても、実際には本気では敵対していない国が多かった。
お互い相手の事情を知りつつも、戦いたくは無いが、今は敵同士なので、仕方なく戦うこともあるというような微妙な関係の国だった。
戦うことになっても、お互い、相手を全滅させようとはしない。
被害を最小に抑えつつ、戦ったという実績を残す。
皆それを知っているので、主戦力としては期待されない。
戦線がそこで停滞することを前提とした作戦を立てられる(堤防の役割を果たす)ので、それで問題はない。
ところが、ランデルがデルデ(アラガルトデルデ:連合領国に対する対抗勢力)から抜け、第三国になったことから、その関係は大きく変化していた。
連合と、デルデの間で毎回戦場になる環境から抜け出すことができる可能性がある。
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トルテラが率いるランデル軍が、今まで対策の糸口が全く見えなかった、”悪魔の足跡”発生源を、竜の力を借りて撃退するという。
そのため、勢力境界の弱小国の多くでは、ランデルが”ちゅうかまん”退治をするという話が広まった。
(遠方の国には、ダルガンイストからの招待状が届いたので、ダルガンイストが”ちゅうかまん”退治をするという認識)
この時点では期待だけで、実際に評判が爆上げするのは、予定通り”ちゅうかまん”が出たことが確認できたときだったのだが、その地域の住民は、行く先々でその話をしてしまう。
そこに、いつ頃”ちゅうかまん”が来て、危ないからしばらく近付くなと言う連絡が来る。
これにより、噂話は本当で、実際に竜が何かと戦うというお墨付きになってしまった。
元々、竜とトルテラを知る土地の人々は、竜が何かと戦う姿を見たい。
そんな大事件があるなら、そこにはトルテラが居るはずだと勝手に思ったのだ。
なお、連合内までは、”ちゅうかまん”が来ることはあまり無いので、”悪魔の足跡”の存在も、連合内ではあまり知られてはいなかった。
実際は、ディアガルドの迷宮や、家出のサークルが攻撃を受けており、連合内でも全く被害が無いわけではないのだが、ディアガルド迷宮は南部の人が少ない場所で目撃者が少ないまま、再び草が生え、家出のサークルは、”悪魔の足跡”が、できて早々、水浸しで、特徴的な悪魔の足跡が長く残らなかった。
ダルガンイスト周辺では、雨が少なく、雨が降っても、悪魔の足跡が目立たなくなるには、長い時間がかかるため、目立ちやすいという性質もあった。
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ちゅうかまん迎撃戦に合わせ、ダルガンイストは各国(国、地域、部族)の代表を集め、城壁から戦闘域全体が見られる席を用意した。
これも、トルテラ健在時に立てられた予定だったが、意味合いは大きく変化することとなる。
”ハスクバハル”のような、日頃、付き合いの無い遠方の地にまで、広く情報がばらまかれた。
このようなことは過去に例が無かった。
トルテラは、悪魔の足跡で被害が出る地域に対して、情報を出した。
それに対し、ダルガンイストは、とにかく広範囲に、情報をバラまいた。
これは後々、文句を言われないようにという保険の意味で、遠方まで情報を伝えたのだが、それを聞いた近隣国には”よほど派手に宣伝したい”と捉えられた。
ダルガンイストは、元々この世界で1、2を争う軍事力を持った国だ。
遠方の国から見ると、重大な何かがあるように見えたため、はるばる視察団を派遣する動機に繋がった。
※実際にはダルガンイストは要塞の名前です。
連合という呼び方も国内でしか意味の無い呼び方なので、
名称の良くわからない国になっています。
他国からはダルガンイストと呼ばれることが多いです。
逆に、近隣の国では、既に竜の出現と、”ちゅうかまん”来襲のことは知らされていたが、多くの国は”近頃、ダルガンイスト周辺に竜が出た”という程度の情報しか持っていなかった。
竜の目撃情報は伝わってきたものの、特に被害の報告も無いため、その時点では、さほど脅威とは考えられていなかった。
目撃者が居るのに、被害の話は聞かない。その結果、さほど危険なものではないという認識になった。
”ちゅうかまん”に至っては、悪魔の足跡の存在が知られる程度で、ほとんど情報を持たない国も多かった。(噂話の域を出ない)
※逆に、悪魔の足跡が出現する地域では、元からその現象は知られている。
そんな状況なので、中小国は、ダルガンイストからの閲覧会の件の解釈に苦しむ。
ダルガンイストから見たら、取るに足らないような、小国家であっても、いくつかの国でまとまって代表を出せば、閲覧室に入れてくれるという。
行かない手は無い。
竜が出たという話自体は、それなり信憑性があるため、ある程度遠方の国からは”竜を見せびらかすためのイベント”と認識された。
そのイベントを、どれだけ重視するかは、それぞれバラバラだが、脅威だと思ったり、興味本位であったりと、だいたいどこの国でも見に行きたがる者は居る。
そもそも、竜以前に、ダルガンイスト要塞自体が、恐らくこの世界(大陸?)で一番と言われる、巨大な要塞だった。
遠方の者にとっては、それ自体が、見る価値のあるものだった。
「ダルガンイスト要塞を一度この目で見ておきたい」
「一度は見ておかないと、それが実際にどれだけのものかわからない」
竜自体には、あまり期待せずに来る団体が多い。
そして、実際にやってきた視察団は、来たトタン、度肝を抜かれることとなる。
お披露目を待たずとも、城壁下のサークルには、竜が頻繁に現れた。
本当に、巨大な生き物が存在しているのだ。
このとき実物の竜をはじめて見て驚くものが多かった。
「こんな生き物なのか!」
「これだったら、ダルガンイスト要塞を破壊できるのも納得だ」
ダルガンイストが、竜の攻撃を受けて(一部)破壊されたという話は、知っている人は知っている。
御伽噺の類だと思っていたが、これが竜と言う生き物であれば、納得だ。
予想をはるかに超えた巨大な生き物だった。
軽い1歩で地面が揺れる。
そして、さらに驚く。
ダルガンイストの兵士は、竜を見て恐れもしないのだ。
「こんなものを飼い慣らすことに成功したのか」
「これはいかん、本国に報告だ」
こんなものが存在し、兵が驚きもしないという時点で異常事態だ。
この時点で早馬を出す。
※早馬:早馬と言う仕組みを使ったという意味ではなく。速達の意味。
各々の国、団体が、その情報に至急で届ける価値を感じ、
本国に速く伝わる方法で情報を流したという意味合いです。
そして、それが逆に謎を呼ぶ。
竜を見せるだけで十分な効果が見込めるのに、お披露目のタイミングを待たずに誰でも見ることができる場所に竜を置いている。
まず、そこに違和感を持つ。
閲覧室に入る前に、個々に説明を受ける。
管理された閲覧会を想像していたが、自由実見て回ることを許された、緩い状態であることに驚く。
事前に、ダルガンイストを経由して、崖上のダルガノードも、自由に見学可能であるとは聞いていた。
それにしても、ダルガンイストの狙いがわからない。
ダルガンイストは、竜を見せて戦力の高さをアピールする目的で人を集めたわけでは無いと考えるのが妥当だろう。
それは確実だ。
ダルガンイストは、商人たちも使う通用階段の使用は自由。
実際は戦時には、その階段が主の通路となるので、ダルガンイストの内部構造がある程度見えてしまう。
隠す必要が無いほど、強力な兵器を手に入れたように見える。
その感触と、説明の煮え切らない感触のギャップが、視察団を悩ませる。
早めに着いた集団は、ダルガンイスト要塞内の一部や、ダルガンイストの町、ダルガノードまで、比較的自由に見物する余裕があった。
これを見た時点で、並の国は戦意を失う。
ダルガンイスト上の町と、ダルガノードは大きく広がりすぎて、1つの町になってしまっている。
世界一とも言われるほどの大きな人口を持つ。
町は人口相応に栄えているし、人が多かった(この時点で見物客が集まってきていて、日頃の2倍にも見えるような混雑だった)。
中小国はもちろん、中堅国の出身者でも驚く。
「こんなでかい町、見たことが無い」
「昔から広さならネリバ。人口ならダルガノードと言われるだけのことは有りますな」
※ハスクバハルの旧王宮のある地区。ハスクネリバ中央都市区域。単にネリバと呼ばれることが多い。
並の国では、全く歯が立たない。
そして、恐ろしいことに、連合の場合、元は1つの王国で、王が不在と言う状態。
連合が一国として、力を合わせて、外に出てきたらどれだけの力を持つか。
考えただけで恐ろしい。
見れば見るほど、抵抗する気が無くなる。
これで恭順の意を示せと迫られた場合、どうすれば良いか。
浮かれて出てきたのは良いが、実物を見て、ようやく自分がどんな場所に来てしまったのかを認識する者も多かった。
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連合領は、○○候領という、領地の集まりです。例えば、トート森であれば、ルオール候領です。
現在の最高爵位は侯爵で、それ以上は存在しません。
元は王国ですが、何度も王が失脚したため誰も王になりたがらず、そのまま来ています。
王を名乗ると、一気に攻められて負けてしまうため、王を名乗るものが居ません。
大公はもちろん、公爵を名乗るのも死亡フラグです。
放置すれば、元の王国の頃の国境線から変わっていくのが普通ですが、元の王国は、2つの要塞に守られ、協定で領土比率も決まっているので、領土の変動がほぼありません。
そのため、王国だった頃の連携が今もあり、有事の際に連合領として、元の1国の範囲で協力して対策に当たります。
1つの領に、全体の1/3以上の兵が存在してはならないという規則と、要塞防衛の兵は別カウントと言う決まりがあり、軍備は、ダルガンイスト要塞と、アンバー要塞の2点で多く、ダルガンイストは、実際には要塞の兵も使ってトート森に攻め込むことがありました。
ダルガンイストは、要塞を使って防衛する軍なので、遠征はあまり上手くなく、トート森攻めが、武力攻めとして成功した例はほとんどありません。
”テリシア”という名前が高貴な者の名だったのは、王国の頃で、王族の名なので、連合内では、あまり良いものではなく、好んで使われません。
物語に出てくる王族は基本死ぬので。




