番外-2-1.バイクで雪山登ったりする話(どうでも良い話です)
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☆☆☆☆ 注意 ☆☆☆☆
番外は雑談コーナーです。
本編読みたい人は飛ばしてください。
1章から読むと、スローライフからはじまります。
”富士の樹海より、もっと良い森”です。
未来の世界から、娘を名乗る死神さんに呼びに来て欲しい人は、こちらから読んでも良いと思います。
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21章.横浜編1 50の年の同窓会
1章から読んで、展開が遅すぎると感じる人は9章から読んで、後から1~8章を回想として読んでも話は繋がります。
21章から読んでも、1章に戻るポイントがありますので、どちらから読んでも問題ありません。
1章、或いは21章から読み始めてください。
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バァーーーーン! 雪山うどん。
ゆるキャン△2終わって、今度は、スーパーカブ(2021/春アニメ)見てるのですが、今度は北杜市なので、富士五湖より馴染みの薄い……なんてことなく、けっこう馴染みのある場所でした。
(東京側から見て)韮崎より先には、あまり行った記憶が無かったのですが、案外行くこともあったようです。
そもそも、私が行っていた当時は、北杜市という市は存在しなかったと思うので、記憶と一致しないのも仕方ありませんが。
日野春駅は(国道)20号から歩いて行ったことがあるような気がします。
(20号から駅まで歩いているのですが、どの駅だったのかは記憶に無く、ただ上り坂が猛烈な角度だったことを覚えています)
作中に度々出る川は、釜無川だと思うのですが泳いだこともあれば、川のすぐ近くに一時期住んでたこともあるくらい身近なところだったりします。
※普通泳ぐ機会は絶対無いだろうという感じの川です。
私は冒険家なので(?)泳いだことがあります!
あの橋、数十年前に歩いて渡ったことがあるような気がするので、あの交差点も歩いて通過したことがあるかもしれません。
絵(特に背景。見慣れた景色が絵になってるのを見るのが楽しい)もきれいで、1話の静かな雰囲気がなかなか良い感じです。
このあたり、元々景色が良く、川沿いに続く崖(七里岩)が美しい。
川に至っては、実物より、作中の景色の方がきれいです。
知ってる風景が美化されて出てくるとテンション上がりますね!
はじめの頃は、主人公にセリフが少なく、顔芸みたいになっているのですが、話のテンポの遅さと、田舎臭い絵(100%誉め言葉です)とマッチしていて、凄く良い。
田舎の女の子的な見た目であることは、元の小説の時から描かれている特徴で、よく再現されているように見えます。
(小説版は1巻の表紙がダサ可愛いです。後の巻になるとダサさが抜けていくのが残念ですが、割と中身脳筋な女の子なので、巻が進むとダサさが抜けていくのは内容にはあっていると思います)
リンゴほっぺは、私も昔リアルで疑問に思ったことがあります。
なんで田舎の女の子は、ほっぺに色が付いてるのだろう?と。
初っ端に着替えシーンとか出さず、いきなり制服着て、突っ立ったまま、食パンをもしゃもしゃ食べてる姿が良いです。超ラブリーです。
炊けたごはんをよそうシーンとか、1つ1つの動作が丁寧に描かれています。
あまり、高校生女子としてのリアリティは感じませんが、プリティーです!
朝起きるシーンと、シャワーを浴びたというシーンと制服着てるシーンはあるのですが、着替えやら裸のシーンは一切ありません。
その割に食パンにマーガリン(バター?)塗って立ったまま食べてるシーンと、ごはんをよそうシーンが描かれているのです。
重要なシーンだから描かれてます。シャワーやら着替えは重要では無いので省かれています。
そこが素晴らしい。見栄えしなくても大事なシーンは描かなければならないし、見栄えしても不要なシーンは入れない方が良い。
1話エンディングにも、食パン立ち食いからごはんをよそうシーンまで使い回されています。
使い回しも上手い。
あれは同じシーンを流して前回との差分を見せる演出です。
今までいつも同じことを繰り返してきたけど、今日からはこの部分が変わりましたというのを見せるために同じシーンを流しています。
無言で進んでいきますが、アニメで良く描かれる所謂無口な子とはぜんぜん違って、ただただ繰り返される何も無い、とてもつまらない日常と言う感じです。
ないない感が良く出ています。
このアニメ版のないない感は素晴らしい。
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スーパーカブはweb版小説、書籍化小説、マンガ版、アニメ版と有り、見た順番で印象が変わると思います。
私の場合は、アニメ版が最初なので、小説版で書かれている内容を知らない状態でアニメ版見ています。
なので、特に説明が無い限り、絵からキャラが何を考えているかを想像しています。
小説版には、そのシーンでキャラが何を考えているかが書かれているため、その時何を考えているかを先に知っている状態で見ることになりますので、順番が逆だと、ぜんぜん違う印象になるかもしれません。
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比較すると元のweb小説版は、あんまりないない感が強くありません。
原作でも1話の題名は『ないないの女の子』となっていて、確実に”ないないの女の子”なのですが、アニメ版とはちょっと違います。
web小説版の主人公は、未成年で親無し、貧乏、だけど、強い意志はあるように見えます。
現状を把握し、未来を創ろうという意思はあるのです。
それを実現するための計画も自分で立てることができる。
はじめから力強い頑固な感じに書かれているように読めます。
アニメ版の”ないない感”は凄いです。
味付けにかなりの違いがあるように見えます。
※アニメ版の主人公は、バイクの知識も含めて全くないないの女の子です。
(設定がどうなっているかは不明ですが、アニメ版見てると、事前にバイクを
全く知らない女の子が気が向いて見に来たように見える)
元のweb版の主人公はアニメ版と比べるとかなり知識もあり、何より目的があります。
アニメのないないの女の子には目的もありません。希望も無いのです。
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※アニメ版は書籍版小説ベースで作られていて、ないない感は web版<書籍版<アニメ版
の順で大きくなっています(主観ですが)。
アニメ版と書籍版小説を比較すると、主人公の思考の説明が無いだけで、
小説通りに描かれているようにも見えます。
なので、小説版を先に読んだ人は、そのシーンで主人公が何を考えていたかが
わかっている状態で見ることになり、原作と差があるように感じないかもしれません。
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ごはんや、レトルト食品は、後々まで繋がる描写なので、これに関しては上手いと思うのですが、より、リアル、日常感を高める結果となり、非日常部分とのギャップを拡大する結果にも繋がって行きます。
アニメ版の1話は恐ろしく完成度高いです。
実際に経験すると実感することがたくさん詰め込まれています。
当たり前ですが、免許無いと乗れません。
周囲に原付乗っている友達が居ないような環境だと、免許が必要なことは知っていても、どうすれば免許取れるのか知らないことも多いでしょう。
気が向いて偶然行ったバイク屋でバイク購入を決めてしまった。
となると、何の準備もしていない状態というのはよくありそうです。
免許取るのと、ナンバープレートも自分で取りに行ってます。
原付なので市役所で済みます(自動二輪は市ではありません)。
登録は店に頼むことはできますが、手数料取られます。
自分で行った方が安く済む。
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私は何度も自分で登録手続きしたはずなのですが、そのときのことは全く覚えていません!
試験場で試験受けた時のことはよく覚えているのですが。
原付の試験は、山梨ではなんと14カ所で受けられるそうです。凄いですね。
※普通は1ヶ所だと思ってました。
ちなみに東京は2カ所です。人口当たりの試験場の数で山梨は東京の113倍。
公共サービスで100倍以上の差が出るというのも凄い話です。
関東はほとんど1県1カ所。
神奈川県も1カ所ですから、東京が特別少ないということも無いのです。
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アニメ版の最初は無口で何もない主人公ですが、地はけっこう脳筋であることは1話の時点で理解できます。
なぜか1万円のスーパーカブ。
それなりの理由が有るはずで、事故物件であることがわかりますが、迷いもせずに買います。
脳筋です。買うと決めたから買う。
何を考えているのかは説明されませんが、おそらくスクーター目当てで来たのだと思います。
ところが奥から出てきた中古バイクは、たぶん主人公の目には商用車という印象があったのではないかと思います。学校の駐輪場に止めてあったスクーターを見て買いに来た。
ところが、店頭に並んでいる商品の値札は、40万とかです。
思っていた金額とはだいぶ離れていたようで、諦めて即帰ろうとしますが、店主に呼び止められます。
そこで、とても買える価格では無いから買うのは無理そうだという話をしたら店主は1万円の品があると言います。
1万円の値段を聞いて出てきたのがスーパーカブで、あんまり乗り気ではない感じですが、価格的には買うことができるので、試しに座ってみるかと言う感じで、積極的に買う気はなかったように見えます。
座ったら、ピンときた。
そのときには、値段にそれなりの理由が有っても買おうと心に決めていたと思います。
そこでその値段の理由を聞くわけですが、それでも買うと即答しています。
脳筋の人です。
結局のところ、原付が欲しいならこれを買う以外の選択肢が存在しませんから、これを買うか、しばらく原付を諦めるかの2択になります。
普通の高校生なら、そんな事故物件買わなくても済むわけですが、貧乏な主人公は他の原付買うことができません。
それにしても、おそらく、細かいことは何も考えず、
1.座ったらピンときた。
2.経済的にも買うことが可能である(他に買える原付は無い)
……の2点だけで決めていると思います。
そして、購入手続きだけして、免許が無いので取りに行き、登録、ナンバー発行まで自分で行っています。
そしてその後、操作方法を教えますが、キックのコツがわからずエンジンが始動しません。
ここでキックのコツを教えてもらって走り出します。
あっさり帰りますが、夜になってから、再度外出します。
そこで初トラブルと、そのトラブルを乗り切って家まで戻る。
話の流れとしては、エンジンのかけ方のコツを知っている状態で、エンジンがかからず困る場面を描くために追加されたのだと思います。
実際のカブでキックのコツが必要かどうかはよくわかりません。
私はカブ系エンジン車(カブエンジンのコピー品が載った車両)には乗ったことがありますが、キックが付いていませんでした。
キック付いてないのにバッテリーは必ず上がるステキマシンでした。
(なので毎回外して充電する)
小排気量車は、いきなり蹴ればかかったような記憶があります。
小説版にもキックのコツの話は出てきません。
4ストの200cc単気筒だと、確かにキックのポジション探しはします。
でも、わざわざ探すのは、キックで靴底に穴が開くようなやつの話で、50ccに必要かはよくわかりません。
理論的には、50ccでも圧縮探してそこから一気に蹴るとかかりやすい。
とは言え50ccだと、そんなの気にしなくても蹴り切れるような気もします。
体格の問題もありそうです。
あれがリアルかどうかは知りませんが、話としてはキリも良く、リアル度合い(どれだけ些細なことに反応するかと言う感度が揃っているように見える)も揃っていて非常に出来が良い。
カブを買ったことで、ないないの女の子を卒業した話になっています。
この話を見ると、カブの実車で実際に起こることを描いた話に見えます。
今後、友人ができ、話が進んで行っても、カブの車体に関する部分は、かなりのリアルさを保つのだろうと思っていました。
主人公は、1話の時点で試験場で免許を取った実績があります。
これがあとで違和感の元になります。
↑これは私の勘違いです。山梨は原付の試験場と、二輪の試験場が一致しません。
なので、”原付の免許を取ったからといって、
即二輪の試験場の存在を知っているとはならない”でした。
1話では、主人公が何を考えているのか、絵を見て補完していくと、そんなに違和感なく見れます。
アニメとして特に問題無いのです(実際は、何を考えてその行動をしたのか、動機が書かれていないので、小説版とはかなり違う印象を受ける)。
1話の完成度が非常に高いことが、この作品への期待を高めることとなりますが、かなりリアル寄りになっています。そのため1話が合う人は、途中で脱落しやすくなります。
1話のリアル度でそのまま進んでいくのかな……と思ってると、だいぶリアル度に差のある話が挟まります。
1話がカブの価格設定以外、概ねおかしな問題は起きていないことが後々問題になってしまいます。
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アニメ版の1話は、カブの価格設定に違和感を強く感じやすくなっています。
小説版とは印象がだいぶ違います。小説版では、かなり薄汚い状態なのです。
極端な価格設定は貧乏少女にカブを持たせるために仕方ない仕組みなのだと思いますが、絵がピカピカなのです。
1万はやりすぎです。3万とか5万くらいにしとけよ……と思いました。
3万、5万出せない少女がバイクを買うつもりでバイク屋に足を運ぶことは無いでしょう。
自転車がディスカウントショップで1万円位です。
原付がそれと変わらない価格で売られているわけが無いことは主人公も知っているはずで、おそらく安いやつならある程度の価格、例えば10万円くらいで買えることを期待して足を運んだのではないかと思うのです。
予算が1万円で、はじめから1万円の原付買いに行ったとなるとかなり頭おかしい人の行動になってしまいます。
元のweb小説版は、いつか買う日のために相場を見に来ただけで、その場で買うつもりはありません。
たぶん、十分な金を持っていない高校生は、こういう行動をすると思います。
さらに、スーパーカブを見せられても、これは欲しいやつではないと感じるのですが、1万と言われて、じゃあ試しに座ってみるか……という流れです。
欲しくないものだったのに、座ったらピンときた。
それ以前のマイナスイメージが吹き飛んで、そのバイクを買うという選択肢が生まれた。
アニメ版は、はじめから原付きを買う気はあったけど、値札を見て即退散しようとしたように見えます。
アニメ版の流れにするなら、もう少し高い方が自然な感じがします。
原作が1万円なので仕方ないのだと思いますが、絵とのバランスが非常に悪いです。
はじめからピカピカのカブが出てきて、買うまでの流れも小説版と異なるように
見えるので違和感が大きくなります。
アニメ版のスーパーカブは、主人公は店に行ったら、欲しいと思ってたのと違うバイクが出てきた。
でも、座ったらピンときたから買った。
それ以降、スーパーカブは好きで、見た目より実用優先で、より実用性の高い品を好みます。
経済的な都合もあったでしょうが。
元のweb小説版では、主人公は、ただの生活道具に過ぎない自転車に代わる、自分の暮らしに何かを与えてくれるものを探しに来ています。書籍版も近い内容のことが書かれています。
”ただの道具には興味は無い”という設定で、スーパーカブを見て、ただの道具でしかなく、”こんなものに乗っても何も得られないという感想しか沸かなかった”と書かれています。
ただ、これ、読んでいくと、その後の主人公の価値観と全く逆なのですよね。
主人公は一貫して実用品、特に古くて実績のあるものが好きなのですが、最初の部分だけ価値観が違っています。
小説版も、その場面場面で設定が変化しているような印象を受けます。
書きたい場面が先にあって、それに合わせて設定が変わっている感じです。
アニメ版でも、1万円のスーパーカブを見た主人公が乗り気ではないことはわかりますが、頭の中で、
”道具以外の何物でもない原付”、”こんなものに乗っても何も得られないという感想しか沸かなかった”
と考えているとは思いませんよね。
必要な説明を省いたせいで別の話になってしまっている感があります。
ただ、小説版を知らずにアニメの1話だけを見ると、カブが安すぎること以外あまり違和感ないのです。
アニメ版のキックは、すぐに圧縮点探す動作が省かれて、一気に踏み込んでいるように描かれるようになりますが、あれは正しいと思います。
慣れたので、重い場所が見つかったら力を入れて踏み込むという動作が連続して行えるようになったのだと思います。
排気量が大きくなると、事前に重くなる場所がある程度、キックアームの高い位置に来るように調整してから、勢い付けて踏み込むのですが、たぶん50ccだとそこまでしなくてもかかると思います。
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スーパーカブですが、女の子が主人公の割に、全体通して、恋愛話が全く出てこないのも安心して見られるポイントです。
それと、アニメ版の特徴的な点に、キャラ名がなかなか出てこないと言うのがあります。
主人公の名前がわからない。
エンディングに出演で出てきますが、本編にはなかなか出てこない。
普通は、キャラ名紹介を最初の方のどこかに入れるものですが、ぜんぜん入ってこない。
私と似たタイプの人が作ったのだろう……と思いました。
作中で名前出す必要が出るまで出さない。
”スーパーカブ”の名前は何度も出るのに、主人公の名前は作中、本編では、出てこない。
主人公に限らず、最初の方はキャラ名がほとんど出ません。
礼子の名前は2話のサブタイトルになってますが、しばらく名前呼ばない。
ないないの女の子の名前は、バイク屋の書類のところで不完全な状態で出るくらいで、セリフ、音声として名前が入ってくるのは、かなり後の方になります。
普通に見ていると、主人公の名前が不明な状態が続くと思います。
ないないの女の子には、名前もありません。
正確に言えば、名前はあるけれど、一切使われない、個体識別以上の意味で名前を呼ぶ人が存在しません。
でも、あとの方になると名前で呼ばれます。
名前を呼ぶ存在ができるのですね。
ないないの女の子には、途中から名前を呼ぶ存在ができます。
作中に出ないだけで、実際には日頃から個体識別のために、その名は呼ばれているはずです。
例えば出席とる時とか。
でも、ないないの女の子に、個体識別以上の意味合いで名前を呼ぶ存在ができたということを表現するには、単なる個体識別として呼ばれるシーンは一切入れないという、この表現方法が良く合っていて良いと思います。
わざわざ「名前を呼んでくれる友達ができました」などと説明が入ったら興覚めというものです。
そして、主人公も他人の名前を口にしません。
でも、口にするようになります。友達と認めるまで口にしなかったようです。
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私と似たタイプ……と書いたのは、わざわざキャラ名を紹介する作品が多いのは、名前を中心に、情報を関連付けするタイプの人が多いからという理由があるからではないかと思っているからです。
と言うのも、私の頭の中には名詞が存在しないので、キャラ情報で名前の重要性は、ほぼありません。
キャラクターを区別するのに名前は使わないのが普通なので、最初にキャラ名説明されても意味が無い。
わざわざ、名前なんか出さない。
なのに、一般的には、はじめに名前の紹介が入ることが多い。
不要なものが最初に説明されるのは不自然なので、多くの人が重要視している情報である可能性が高いと言う推測です。
このアニメ版スーパーカブ見てわかる通り、名前出さなくても問題ないことが多いです。
でも普通は名前の紹介から入る。
私の場合は、姿形も重要な情報では無いので、わざわざ文章で説明せずに済ませてしまいます。
小説ではキャラの区別のために何らかの呼び名を付けてますが、だいたい愛称で、正確な名前ではありません。
一番代表的なところでは、本作の主人公は“トルテラ“と呼ばれていますが、“トルテラは“固有名詞ではなく代名詞です。
”どこかの誰かさん(女)”、或いは、”森の神様”くらいの意味で名前ではありません。
そして、ヒロインたちも、主人公のおっさんの名前を最後まで知ることはありません。
(名前自体は身近なところで出ています)
トルテラ(どこかの誰かさん)で特定できてしまう存在に、名前なんて必要ありませんからね。
そして、トルテラの”テラ”は、ヒロインさんたちの幼少時の愛称です。
おっさんは”テラ”に反応して、トルテラと呼ばれるようになりますが、テラは、おっさん自身を指すものではなく、おっさんが庇護する対象です。
女たちにトルテラと名付けられるのは、バカボンに、バカボンのパパと名付けられたような状態なのです。
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ないないの子が教室の外の景色を見ると、一面の田んぼが見えます。
絵を見た瞬間、田んぼの臭いがした気がしました。
確かに瑞牆湖の方から、こっち側に降りてくると、段々畑と言うほどでは無く、四角形の形が保てる程度に段々になった田んぼが延々続いている景色があります。
川上牧岡林道の反対側(牧丘町、塩山側)は、ひたすら延々続くぶどう畑です。
こっち側は、田んぼが多かった気がします。
同じ山梨県の中でも、随分差があるのですね。
おそらく、こちら側には水源があり、反対側には十分な水源が無いのでしょう。
ぶどう畑には、大量の水は必要ありませんし、荒れた土地でも栽培できますから。
今はぶどうが名産になっていますが、本来はあまり良い土地では無いのでしょう。
こちら側は、比較的標高の高い、眺めの良いような所にまで田んぼがあった気がします。
田んぼの絵ですが、見た感じ7月くらいに見えました。
ところが、しばらく後で、米が実った稲穂の画面が出て、スーパーカブに乗って半年という場面があるので、もっと早い時期だったのかとも思いましたが、小説では、梅雨が明けてから乗り始めたとあるので、やっぱり7月くらいなのですね。
主人公の声が聞き取り辛いと感じる人が居るようですが、個人的には、むしろ聞き取りやすかったです。
声優さんの演じるボソボソ喋る系のキャラは、だいたい何言ってるのか私には非常に聞き取り辛いです。
この主人公は、はじめの方はかなり静かに喋りますが、私は聞き取りやすかったです。
ただし、どこからどこまでがナレーションで、どこからが会話なのかは明確にわかり辛いです。
思考を音声として説明してるのかと思って聞いていたら、実はセリフだったりします。
アニメ スーパーカブですが、はじめの方は、ゆっくり顔芸で進んでいくのですが、話が進んでくると、顔芸も説明も無しに、主人公がいきなり大きな行動に出るようになります。
(ないないの女の子は、見た目に反して中身は脳筋です。
バイク買うシーンでも、迷い無しなので、1話から地が見え隠れしているので、
個人的には中身脳筋は違和感無いです)
行動の急変に関しては、成長、環境の変化に合わせて変わっていったのだと思えるのですが、その場面で、何を考えてその選択をしたのかは全く描かれません。
妙なことに、主人公のセルフナレーションが流れることがある割に、本人の気持ちなどはその場では説明されないという、珍しい作りになっています。
ごく普通の行動をしている間は、それで問題無いのですが、”いや、それは普通やらないだろう”と思うようなシーンでは、何かしらの方法で動機の説明が必要になります。
はじめの方は、個人的に違和感なく見れたのですが、途中から、
”なんでその状況で、その行動に?”
という謎行動をすることが出てきます。
特に11話は何を考えて動いているのかさっぱりわかりません。
『え? 何と戦ってたんだ?』という感想に。
小説版は動機が書かれているので、
”やってることはおかしいけど、なんでそうしたのかは理解できる”
という感じですが、アニメ版は、”やってることがおかしくて、なんでそうしたのかもわからない”という状態で流れる上に、カブが来たから大丈夫という感じで話が進んで行くのですが、カブでなければいけない要素がよくわからない。
小説版もこの話はかなり苦しいのですが、
”前かごに人間を乗せて運ぶなんてことは、カブにしかできない。だから前かごに人を乗せて運ぶシーンを書きたい”が先にあって、書きたいシーンを書きたいように書くとこうなるのかもしれないような気がしました。
そのシーンを実現させるために、”心情によるキャラの行動制限”をかけているのですが、その心情の説明が省かれているので、アニメ版は謎行動の連続にしか見えない。
その謎行動の動機は、原作小説読みに行くと、描かれています。
やってることはおかしいけれど、動機はわかる。
そもそも高校生が常に瞬時に最適な行動を選択して実行するわけはないので、行動が正解である必要は無いのです。
小説版では、キャラの思考、動機が書かれてるので、そのキャラはそう考えて行動したんだなというのはわかる。
ところが、アニメ版は思考を説明しないので、何と戦ってるのかわからない。
小説版だと、椎さんから電話がかかってきたときに、小熊さんは警察か救急への通報を最初に考えますが、なぜか、救急では間に合わずに椎さんが死んでしまうと考えます。
数分で死に至る人が浅い川で水に浸かったまま電話してこないと思いますが、小熊さんはそう考えた。
まあ、普通に考えて、友人から救助要請の電話がかかってきたら、とりあえず助けに行くでしょう。
アニメ版は、どうしてそう判断したのかは描かれずに、その割にセリフの「スーパーカブが必ず助けに行く」が存在するので、”なんだかわからないけどカブがあるから万事解決”みたいな流れになっているように見えてしまいます。
小熊さんは考えて行動しているのに、アニメ版は何を考えたかが一切説明されないのです。
この、何を考えたかがわからないまま何故か動機のわからない行動するという場面が多く、何と戦っているのかがわからないのです。
アニメ化で動機の描写が省かれてしまったので、やってることがおかしくて、その動機もわからないという状態になってしまいました。
原作が小説の場合、アニメ化で省かれる場面があるのは当然ですが、元々、原作の情報量が多すぎて、カットする必要があるからなのですが、この作品の場合は、アニメ化された範囲が狭く、その範囲に該当する原作の文字数は、それほど多く無いのです。わずか2冊分です。
※逆に言うと、小説版が少ない文字数で、多くのことを表現できているのですね。
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逆に無駄に文字数多いのは本作みたいなやつですね!
書籍2冊分とかだと私の場合、本編入る前の雑談コーナーで消費してしまいます。
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ページ数少なめの小説2巻分をアニメ12話で、ほぼ原作通りに描かれているので、かなり余裕があるはずです。
そのわりにアニメ版で動機がわからない理由は、”動機自体が描かれていないため”です。
どう考えても、キャラの動機の説明を軽視した作りになっています。
複雑な設定や人間関係があるわけでも無く、数少ない登場人物の行動の動機がわからない。
そのわりにはさほど長くも無い原作には、動機が書かれている。
まあ、小説読めば行動の理由がわかるわけですが、
”原作読まないと意味の分からないアニメと言うのは、独立したアニメ作品としてどうなの?”と思うのです。
これは、かなりダメなところ、欠点です。
原作はそんなに細かな描写されませんから、付け足す必要はあると思いますが、元から文字数少ない原作からキャラの動機の説明を削ってしまうのはいかがなものかと思いました。
原作再現できる尺はあったと思うのです。
映像表現にこだわった結果なのか、表面上は原作に沿っているのに、実際には、原作をあまり再現できていない感じがします。
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それと、ないないの経緯は説明があった方が良かったように思いました。
物語のはじめが、何も無い状態からはじまるのですが、元から何も無いではなく、元々母親だけが存在していたのに、主人公が高校生になると、お役目御免で去ってしまった(故意に捨てられた)ことくらいは説明があった方が良いと思いました。
これは、私が”そうした方が良かったのでは?”と思うだけで、そうでないとダメだというほどのことではありませんが、いきなり見捨てられた状態からの、スタート直後であることがわかった方が、”ないないの女の子”である設定が生きます。
ある程度の常識を持ちつつ、何故か一人暮らしの、”ないないの女の子”。
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生活に狭苦しさ、無力感、虚無感を感じている状態のとき、バイク買うというのは、本当に世界が広がるイベントだったりします。
個人的には、何かへの第一歩になってもおかしくはないと思うし、その時のバイクへの思いが、一生持ち続ける大事な気持ちになってもおかしくはないと思っています。
個人的には共感しやすい話ですが、スマホのあるのが当たり前になった時代の高校生は、その気持ちに共感できるのでしょうか?
※良し悪しの話ではなく、単なる疑問です。
ゆるキャン見ているときは、キャンプしてるのにスマホでやり取りするシーンがあって、”なんでわざわざキャンプに来て、人とやり取りしてるんだ?”と自分の常識、生きてきた時代とは全然違うんだなという世代間、或いは性別ギャップを感じたのですが、スーパーカブの場合、用が無いと連絡もとり合わない。
世代間、或いは性別ギャップをぜんぜん感じない……いえ、むしろ、古いものに執着する性質があるように見え、執着する品々に年齢的、性別的特性があるように見えます。
執着を持つ品の好みからは、オッサンが転生したのではないかと思うほどです。
私の感覚には合いますが、一般的にどうなのでしょうか。
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※性格自体が完全にオッサンだという指摘ではありません。
ある特定の年代の人、1960年代生まれくらいの人が昔見たようなものを、
好むので妙だなと感じるのと、”ああ、今はそうなのか”
という世代間ギャップを感じないという指摘です。
私には、下手したら
”並みのおっさん主人公作品よりもギャップを感じないくらい読みやすい”
のです。
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なので、若い人が読んで共感できるのかな?という疑問が。
妙に感じるというだけで、悪いという指摘では無いです。
私には、かなり年寄り向けの話に感じました。
絵的にも、おっさんホイホイな感じです。
もしかしたら、一周回って若い人が読んでも面白いのかもしれません。
※ゆるキャン△のキャンプ中のスマホのやりとりは、世代間ギャップを感じただけで、
悪い印象は持っていません。”今はこんな感じなのか”……と感じました。
バイクが廃れた理由、逆に言うと、”昔バイクが流行った理由”は、
昔は娯楽があまり無かったからというのがあります。
今では優先して手に入れた方が良いものが他にあるから、
バイクに手を出す人が減った。
時代背景が異なるというのもあります。
若い人からはどのように見えるのでしょうか?
個人的には、1万円のスーパーカブは、それなりに薄汚れたように描かれた方が良かったような気がします。
小説版では、汚いバイクであまり良い印象を持っていないところから、試しに跨ってみたら、ピンときたような感じで書かれています。
アニメ版は価格設定と、絵の状態の乖離が激しい。
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偶然であっても、最初に触れたものと言うのは、後々まで特別なモノとして心に残ることがあります。
ないないの女の子が、たまたま買ったのがスーパーカブだった。
(価格的に)選択の余地も無かった。
ところが、それが特別なものになっていく。
というのが、このアニメ、或いはその原作小説のスーパーカブなわけですが、
私もはじめて所有したギヤ付きの50ccバイクには、未だに特別な思い入れがあります。
状況にも若干類似点があり、好きな車種を選んで買ったわけでは無く、そして、異様に安かった。
明らかに他のバイクと価格設定に差があった。
中古ではありましたが、50ccのギヤ車は中古でもあまり価格が落ちません。
同じ走行距離の似たような新車価格のバイクの半額くらいだった。
いくら不人気車とは言え、走行距離の割に安すぎる販売価格は、もしかしたら死人でも出ていたのかもしれません。
いえ、単に、あまりにも不人気だったと言うだけでしょうが。
※不人気車は弾数少ないので、しばらく後の時代の中古車市場では、価格の逆転が起きます。
同時期に売られていた人気車両よりむしろ高値が付いたりします。
そのため、後の時代にそのバイクを知った人から見ると、
けっこう高いバイクに見えるかもしれません。
なので”憧れのバイクを買った”わけでは無く”安かったから”買った。
その上、直接私が買ったわけでは無く、買った人があまりの扱いにくさに音を上げて、私のところに回って来た。ある意味厄介払いみたいな感じで回ってきたものでした。
そんな扱いにくいものでしたが、私の体には良く馴染みました。
原付二種にステップアップするまで、そのバイクに乗ってました。
はじめはスクーターと比べて実際に重量が重いことに加えて、スクーターと比べると圧倒的に高い重心で、当時はそう感じたのですが、手放す頃には超軽量と感じるようになってました。
※体力が付いたからではなく、もっと重心が高く、大きく重いバイクに慣れたからです。
ほんの何年か前に、バイク屋で見かけた時、けっこう心が動きました。
でも、白ナンバー。30km/h制限は実用になりません。
結果として思い入れは有るけど、当時はそんなに思い入れはなく、そのうち乗り換えるまでの中継ぎとしか見ていませんでした。
だから、何でも良かったのです。
私もそんな感じでしたから、買ったものに後から愛着持つことがあるのはわかりますが、他の物を知らないのに、いきなり短期間で”カブ最高”になってしまうのは、ちょっと変な気もします。
小説版でも、小熊さんはスーパーカブにそこまでの愛着は持っていないと書いてありますし、壊れたらその場に捨てて帰ろうくらいの扱いです。
昔のジャンクライダーに近い感覚で乗ってそうなのです。
アニメ版は、そこが大きく改変されてしまった。
私はというと、当初、そのバイクは特別素晴らしいバイクだとは思っておらず、色々乗った結果、案外あれは悪くなかったなという印象を持っています。
乗ってた当時も、そんなバイクじゃ絶対ついてこられないだろうという場所でも案外普通に同行できていたので、スゲーと言われていましたが、種明かしは簡単で、結局人力アシストで進んでいたのですね。
格上のバイクと同行するのに、軽さを活かして足で進んでいるので、驚きの走破性を発揮しますが、単に足で進んでるだけ。
人間の体力で進んでいるだけです。非力なかわりに軽いので、人力で進めるのです。
(足で加速して1速のパワーバンドまで入れられることが多く、パワーバンドに入ればそこそこパワーがある)
そして、上位のバイクに乗り換えても、同じ道走ったときの難易度が下がってしまうばかりであんまり面白くないように感じました。押さなくても進めるのですが、バイクが勝手に走ってくれますというのは満足感が無い。
※押しが入ってからが本番です
あのバイクは、とにかく扱いにくいバイクでしたが、あのくらい扱いにくくて、(主にクラッチ)操作にコツが必要なのが良いのですが、その後買った、”もう少しまともなバイク”には、電子制御の排気デバイスが付いていて挙動が気持ち悪かった。走ると萎える。
”このまま一気に乗り越えるぞ!”という場面で、排気デバイスが高回転から、中回転に切り替わって、回転下がっていく……
2スト車の欠点を補う装置だと思っていたのですが、私にとってはかえって不便に感じました。
なので、まともなバイク買えば良くなるわけじゃ無いんだなとガッカリでした。
舗装路はまともに走るのですが、肝心な時に萎える特性が体に合わず、10年乗ってもたいして愛着無いという不憫なバイクでした。
舗装路走るには悪くなかったのですが、私が乗るとノロノロ走っても燃費悪いのです。
乗っていた期間の割に愛着無いのは、身近な林道がどんどん舗装されて、以前のように手軽にダートに行くことはできなくなっていたので仕方が無いのですが。
近場には、長距離未舗装林道は無くなっていき、どこで途切れるかわからない作業道みたいなものが多くなってきます。
崖落ちして遊ぶには、フルサイズの125は大きさ重さの割に非力で、バランスが悪いです。
※スーパーカブ書籍版で50から90に買い替えた後の主人公の感想も、
期待するほどではない、という感じに書かれていて、その部分には
リアリティーを感じました。
バイクの場合、似たような車種の排気量違い版は、だいたい増えた排気量分を、
パワーより乗りやすさに振ってあることが多く、思うほど向上を感じにくい。
一方で、90に乗り慣れてから50に乗ると酷く不便に感じるという、損な感じです。
昔の原付のコストパフォーマンスは異様に高かったです。
原付ギヤ車だと、2ストでも中古で買ってしばらく乗ってバイク屋に売ると、自分が買った時と大差無いような価格でまた店頭に並んでたりします。
(自分が売る時の下取り価格は、それよりは少々下がりますが、タダ同然ということは無く、そこそこの値が付きました)
2ストと4ストでは同じ走行距離でヘタリが2倍くらい違うので、2スト車は値落ちが激しい。
ところが、2ストが普通の原付では、あんまり値落ちが無かった。
200ccクラスの2スト車の値落ちは激しく、同じタイミングで買って、同じ走行距離で同じ時期に売ったと仮定した場合、実質的な費用は2倍くらいの差は出そうです。
ただし、4スト200ccのパワーは、2スト125ccと大差無いので、圧倒的に維持費の安い125ccの方がお得な気がしました。
実際、今と違って圧倒的に不人気なピンクナンバーでありながら、2スト22馬力オフローダーはヤマハ、カワサキ、スズキの3社から発売されていました。
スズキの場合、
SX-200R(1990) 20馬力
TS-125R(1990) 22馬力
馬力だけ見ると数字の上では、2スト125の方が上になってしまうほどです。
(2スト125ccの22馬力はメーカー自主規制の上限なだけで、余力があります。
125ccで30馬力のバイクも売られてました)
ただ、これは最大馬力が出ているときだけの話ですので、2ストの最大馬力は、必ずしも大馬力には感じられないことも多いです。
荷物満載して走るとSX-200の方がパワーあるように感じると思います。
とはいえ、維持費を考えると、50ccと大差無い125ccと、二輪自動車の200ccでは、かなり大きな差があります。
維持費に見合う差は無いように感じる人も多かったのではないかと思います。
私は2スト車が無くなるまでは2スト125ccに乗り続けました。
今ではピンクナンバーが主流です。パワーが下がりすぎて黄色ナンバーが絶滅種になっています。
昔の60ccと今の125ccが同じくらいの馬力ですから仕方ありません。
四輪免許で原付二種の運転OKにしてしまえなどという話もあるようです。
今はそのくらいの排気量が無いとろくに走らない。
昔は50ccでもパワーは足りていて、法律的に厳しい(一般道で車の流れに乗って走るとスピード違反になる)ので脱原付一種が目的で60ccが存在していました。
そんなレベルだったので、50ccでも意外に走ります。
私が乗ってた50ccのバイクは、とにかく気難しいやつでした。
私は走り抜けること自体が難しいような酷い道(酷道と呼んだりします)が好きなので、車両の方も、そのくらい乗りにくい方が調度良いのです。
乗りにくいかわりに、上手く乗ればそれなり走る。そんなものが好きです。
乗りにくいと言っても、ブレーキだけは立派で、50ccの癖に、当時のバイクとしては珍しく、前後ディスクブレーキという豪華装備だったのです。そこは、良い面として気に入ってました。
ただし、キックスターターが、スカスカで萎えました。
キックが軽すぎる上に、連続で蹴り続けないとかからない。
スーパーカブのアニメ版では、わざわざキックのコツを描いています。
小説版には、その説明は入っていません。あの説明があった方が、バイクを全く知らない状態であることが伝わりやすくて良いのですが、崖落ち、川落ちとの段差が巨大化してしまうという欠点も。
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キックのコツですが4ストの場合はピストンが2往復で吸気、圧縮、爆発、排気の4行程あるので、軽い力ではエンジンが回転しない場所を探します。つまり圧縮行程を探しています。
ピストンの上下運動をクランクで回転運動に変換する際に、回転力を発生できない場所があります。ピストンが最も上にある時と下にある時の2点です。上側を上死点、下側を下死点と呼びます。
クランクシャフト側を下死点と呼ぶので、星型エンジンで上下反転したシリンダでも、重力方向に関係無くクランクシャフトに近い側が下。シリンダヘッド側が上です。
キックスターター自体には死点はありませんが、エンジンの行程に合わせて蹴らないと始動しにくくい場合があります。2ストでは毎回下死点から上死点に向かうとき、キックが重くなります。
4ストでは圧縮行程はピストン2往復につき1回しかありませんから、特に行程を合わせた方がかかりやすくなります。排気行程で蹴っても始動しませんからね。
スカスカキックは、重くなるポイントがほとんど無いキックで、上死点とか気にせず、かかるまでスカスカ連続で蹴る。2ストの場合、ピストン毎往復ごとに圧縮行程があるので、気にせず蹴れということなのでしょうが、私はこれが苦手でなかなかエンジンかからない。
その後買った、まともなバイクにはセルフスターターも付いてましたが、そんなもの使いません。
で、こいつも125(124)ccなのに、キックがスカスカで萎えます。
2スト車は、元々、圧縮行程でそれほど重くなりませんが、単気筒の場合、キックで排気量分の反撃を食らいます。
200ccくらいになると、上手くやらないと、200ccのパワーで反撃を食らいます。
キックペダルが、ガンッ!と戻ってくるのですが、これが、かなりの大パワーなのです。
でも、所詮は200cc、靴底に穴が開くくらいで済みました!!
何足穴開けたことか(靴底に穴開けたのは、だいたい4スト車です)。
このキック戻りを”ケッチン”と呼びます。
昔の大型車では、骨折するほどだったとも言われていますが、私の時代は既に、大排気量車は多気筒でセルフスターター付きでした。
一方で軽二輪以下のオフローダーは基本的に、キックスターターでした。
私が乗ってた2スト200ccのバイクがケッチン魔王だったかわりに上手くやればケッチン食らわず、1発で始動するので気に入ってました。
ステップに立って思い切り、”うおりゃー!”という感じで蹴るので、仮面ライダーのライダーキックは、この動作から連想されたものなのではないかと思うくらいです。
無自覚にライダーという言葉から、この動作を連想していた可能性です。
エンジンは回転中、点火してから燃え広がるまでに時差があることを考慮して、少し早目に点火します。
そのため、点火位置は、上死点の少し手前です。上死点を境に、燃焼によるピストンを押し下げる力が回転運動に変換される方向が逆転します。上死点前で点火されるとエンジンは逆転します。
ところが、エンジンが回転しているときには、燃焼が進む頃には上死点を超えているというタイミングに合わせてある。でも、始動時は、まだエンジンがそれなりの回転数で回っていません。
そして、キックは、キックを押し下げるときギヤが噛み合うようにできています。
クランクシャフトが正転する方向に回る時は、キックは連動しません。
ところが、キックでエンジンを正転させる方向と、エンジンが逆転させるときに発生する力の方向は(ギヤのかみ合わせという観点で見ると)一致します。
そのため、キックのギヤが噛んでいる状態でエンジンが逆転すると、ギヤが噛んだままなので、キックレバーが戻って来ます。
通常、エンジンは逆転しませんが、点火タイミングは上死点前なので、何もしなければ逆転方向に動きます。
ゆっくりキックすると、点火した瞬間、ピストンが押し戻されて、キックレバーが逆転で戻って来ます。
なので、ケッチンを食らわずに無事始動させるには、上死点手前で点火された混合気が燃焼して爆発力を得る前に、人力で上死点越えの位置まで蹴って進める必要があります。
アニメのスーパーカブで、「それじゃかからない」と言ってるのがこれのことで、予め、キックのギヤが噛んだ状態で圧縮行程まで進めておいて、一気に蹴る。
蹴りの強いところで、一気に上死点を超えないと始動しない。
4ストの場合、2回転に1回しか爆発行程がありませんから、圧縮行程まで進めておいて、そこから一気に蹴る。
2ストは1回転ごとに圧縮行程も爆発行程もあるのですが、それでも、圧縮を探して一気に蹴ると始動しやすかった。
ただし、このシーン。小説版にはありません。
何も知らないはずの女の子が、いきなり器用に走り出すのも変なので、アニメ版のそのシーンは悪くないと思うのですが、このシーンがあって5話があるので、バイクを少し齧った程度の人が書いたように見えてしまうという問題が私の頭の中で発生していました。
そもそも50ccのバイクでキックの位置合わせした記憶がありません。
※原作者は、齧った程度という感じの方では無いのですが、
5話は元々別のバイクでのシーンをカブにやらせてるので違和感が凄いです
アニメ版見てると、乗り初めに遭遇する問題が詳細に描かれ、その割に極限状態では必ず発生するはずの壁がファンタジーという妙な作品に見えてしまったのです。
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私が乗っていた50ccのバイクは、発進するのに、足で地面を蹴って発進、8000回転でクラッチ繋いで加速、速度が乗ったら、即2速で最大加速、そして3速、4速まで持ち上げる……という具合に乗らないと、後ろの車にクラクション鳴らされるほどの加速性能でした。
どう考えても最高速度30km/hの乗り物の減速比設定ではありません。
でも、その設定で売られていたのです。
はじめに乗っていたのがアレだったので、あの操作感が染みついてしまったのだと思いますが、あんなものでも、世界が広がる。けっこうあちこち行きました。
特に田舎では、世界の広がりの効果は、都市部の比では無いでしょう。
俗に言う50cc(実際は50cc未満)の原付一種は免許を取るのが極めて簡単ですが、最高速度30km/hという、実用性に欠ける制限が存在します。
なので、乗るなら原付二種(50~124cc)が良いです。
50cc超えてれば十分なので、昔は60ccクラスのバイクが存在していました。
まあ、今となっては50ccでまともに走るバイクを作るのは難しく、60ccクラスのバイクが消え、ピンクナンバー(80cc以上)ばかりになってしまいました。
排気規制による馬力落ちが激しく、80cc未満の黄色ナンバークラスの存在意義が無くなってしまったのですね。
昔は60ccで十分すぎる速度が出ました。
スーパーカブ作中では主人公のカブは、途中でボアアップして52ccで原付二種に登録しなおしています。
60ccで十分すぎる速度が出たのは2スト車の話で、4ストのスーパーカブは52ccでは、普通の乗用車の流れに乗って走るのは厳しそうですが、30km/h制限は問題外なので、原付二種に変更するのはかなりの実用性アップになります。
(もしかしたら、最近では50ccで全開で走っていても見逃されるかもしれません。昔ほど速度が出ないので)
維持費にも大差は無いので、個人的には原付持つなら二種にしておくことをお勧めします。
原付二種は、車両は原付で、運転免許は自動二輪になるという中途半端なクラスです。
四輪免許では乗れません。自動二輪(小型)以上が必要になります。
ただし、免許を取る順番によっては、学科教習はほとんど受けなくても四輪は実技試験だけで済むので便利なルートがあります。
私は学科教習を真面目に受けたことはありません。
学科免除でも実習受けるために2時間くらい受けた気がしますが、それだけで済んだ気がします。
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ボアアップですが、昔は純正のボアアップ部品が存在していました。
普通に乗っていて、改造する気が無くても使うものでした。
かなり昔のバイクでは、新車時の排気量がかなり小さめになっていて、シリンダに傷付いたら、削ってオーバーサイズのピストンに交換することで、長く乗り続けることができるようになっていました。
200ccのはずのバイクが、新車では194ccとか、ちょっと小さ目なのです。
確か2回くらい削れるようになっていたと思います。
削っても200cc未満だった気がしますが、200ccに壁は無いので、はじめから200ccでも良いような気がします。なぜかそんな排気量でした。
↓
<<https://www.honda.co.jp/news/1983/2830412.html>>
<<https://www.honda.co.jp/news/1982/2821019.html>>
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私の時代はバイクは悪とされていました。
”三ない運動”というのがありました。
(高校生に)「免許を取らせない」、「買わせない」、「運転させない」
というもので、法的に認められているのに何故か、そんなものが全国展開されました。
ほとんどの学校でバイクは禁止されていたと思います。
免許取ったのがバレると停学の上、卒業するまで乗らないと言う誓約書書かされたりします。
なので、バイクの流行の中心的な世代は、私よりもっと上の人達です。
当時は、世界のバイクの殆どは日本製でした。
2万回転近く回るような頭おかしいバイクが普通に市販されていました。
しかも、そんなに高価でも無かった。
オフローダーだとシート高90cm超えとかで、足が着かない。
信号待ちが苦痛なレベルです。そんな無茶なバイクが販売されてました。
やたら高回転回るのは、4ストのレーサー技術を取り込んだバイクで、やたらシート高高いのはモトクロッサーの技術を取り込んだもので、両方とも公道を走るのには向きません。
今はものすごく背の低いバイクばかり走っている割には、案外足が厳しそうに見える例も多いので、昔のアレは相当無茶な高さだったのだろうなと思ってます。
でも、当時は、そういう尖がった車種以外にも、同クラスで、もう少し大人しいバイクも併存していたので、ある程度選べた。
(各社から同クラスが横並びで出ていたので、背の高いオフロードの場合、だいたい、赤、青、黄、緑の4色から選べました。オンロードでも同じかもしれませんがよく知りません)
そこから、衰退の一途。
そんなバイク大国から、僅かの期間で、もう国内に碌な車種無いから外車買おうか、などと検討するほどの劣化ぶり。
※国内販売無しの日本メーカー製バイクなども、候補に挙がりますが
そりゃ、あれだけ規制しまくったら、当然衰退します。
駐輪場が無いのに、駐車違反取り締まりとか、主要道路を通行禁止にしてみたりと、頭おかしいレベルです。
まあ、そんな時代だったので、私は高校時代にバイクに乗ることはできませんでしたが、今では、禁止されていない学校も多いそうで、正直、羨ましく思います。
規制も緩和方向に動いていて、国道20号の大弛峠の通行規制が最近解除されました。
原付は高速道路走れないから、下道を走るのに、その下道を原付通行禁止にするとか頭おかしいレベルです。
まあ、校則でバイクに対する縛りが緩くなっても、それ以前に、車両価格の高騰が凄いので、自由にバイトできないと、経済的にどうにもなりませんが、バイト禁止されていない学校も多いのでしょうか?
学校が許可しても、保護者に妨害されたりもします。
親の経済力次第で、何もしなくても手に入れることができる人が居る一方で、自分で稼ぐという手段さえも潰されてしまう人も居ます。
金を稼ぐところまで辿り着いても、免許取らせて貰えなかったり。
これも親ガチャの一種でしょうか。
なので、その歳で、望んだことができるというのは、とても羨ましく思います。
当時と比べて、車両の入手に関してはハードルが激しく上がってしまっていますが。
小熊さんは1万円で入手してしまいます。
アニメ版だと、ピッカピカなので、凄い違和感ありますが、小説版は、それなり薄汚れたものだったようです。
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※昔は、バイク乗りが多かったので、知り合いから貰ったりとかけっこう簡単にできました。
なので、車両の入手は今より容易でした。
16で原付、二輪、18で四輪と、ステップアップする人が多かったので、
不要なバイクが毎年大量発生していたのです。
私もピンクナンバーに乗り換えたとき、前の50ccバイクは人にあげてしまいました。
私が乗ってた時点で既に相当ボロボロだったのに、そこから長年乗り続けられたようで、
学生時代を通り越して卒業して地元に戻ってからも乗っていたようで、
そこまで乗ってくれる人の手に渡って良かったです。
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スーパーカブ50の価格は、
1986年モデルで当時13.5万円
1991年モデルで当時14.5万円
5年で1万円上がっていますが、燃料メーターが付いたりと、装備も良くなっているので単なる値上げではありませんが、改良以上に値上がりしている感じです。
びっくりすることに、日本の物価はこの頃とあまり変わらない。
30年間で上がったか下がったかわからない程度です(バイト時給はけっこう上がってます)。
大雑把に言って当時とほぼ変わっていませんので、どれだけ安かったかが良くわかります。
スクーターは、これより若干安いくらいです。
中古だと3万とか4万、ボロボロの不人気車で良ければ、知り合いから不用品扱いで貰えることも。
スマホも無い時代なので、当時は多くの人が手にするものでした。
私の時代は、校則によって、行動制限が激しかったです。
バイトも禁止されていて、兵糧攻め、原付免許取得も禁止。
結局、自分の人生が始まるのは高校卒業後。
自分の意思で行動可能になるのは成人後。
自分の選択ではなく、親で変わってしまう。
そんな時期に選択権を与えられても、既に遅いわけですが。
(現在、親ガチャと呼ばれている現象だと思います)
なので、ないないの女の子は、私から見ると羨ましくもあります。
高校生でバイトができて、バイクも買える。
ただし、失敗すると、すぐ人生詰みますが。
私はないないを目指して、中学卒業で家を出ていますが、高校の校則に縛られ、結局何もできなかった。
なので、ある程度自由に動けるようになったのは高校卒業後。
私の場合は、バイトしまくって最初に買うのがPCで、そのうち原付を買いました。
残念ながら、バイト可能になった時期には、既に、本当に一番PC買う金が必要だった時期を逃しているので手遅れだったのですが。
それでも、私も、原付1台で世界が変わると言う感覚を持っているので、この物語の、”何も無い”から”何かが有る”に変化するという感覚はとても良く理解できます。
5話は私には鬼門でした。
”いったい何と戦っているんだ?”というのが初見の感想でした。
カブで富士山頂上を目指すのですが、何故か爆走してバク転崖落ちします。
作中でも出るように、”カブは実際に富士山登頂した記録が何度かある”ようなバイクで、富士山頂に到達できるポテンシャルがあります。
なぜ、既に登頂できることが分かっているカブの最大の武器を使わずに、カブが持っていない特性で山頂目指す話にしてしまったのか、意味が分かりませんでした。
カブ好きな人はこの話書かないだろう(=これ書いた人カブ好きではない)と思ったのです。
※後に、そうなってしまった理由はわかりましたが。
確かに、ある程度の腕と、ある程度適したバイクがあれば、重機道を一気に山頂まで駆け上ることができるかもしれません。
ただ、それはカブはもちろんですが、それ以前に小排気量車の話ではないのではないかと思うのです。十分なパワーを持つ車両で一気に駆け上る。
バイク自体の動力で自走する前提であれば、小排気量車で急坂登りは非常に不利です。
カブには一気に駆け上るほどのパワーも足回りも無いです。
でも、山頂まで行くのに比較的適したバイクでもあります。
単純な話で、”どうせ押すなら小さくて軽いほうが良いから”です。
走って登るのではなく、山頂まで押し上げるのです。
実際のカブの登坂角は猛烈に低いです。フロント浮きとか気にする場面は、ほぼ無いと思います。
それに急坂の登りで崖落ちも、そうそう無い。
なので、いったい何と戦ってるんだ?という感想になってしまいます。
カブに愛着持ってる作者がこれ書くかな?(書かないのではないか)と思って調べてみると、
こうなってしまった理由が有りました。
元のweb版小説の時点で、爆走崖落ちは存在していますが、元々は、このシーンはカブではない別のバイクの爆走シーンだったのです。
web版から書籍版の間に、このシーンで乗るバイクが、2ストオフロード車から、郵政カブに替わったのに、このシーンがほぼそのまま残っているために、郵政カブが爆走崖落ちする話に変わってしまったのです。
結果として、郵政カブが、未舗装の急斜面登りで爆走してフロント浮いて崖落ちする場面がアニメとして流れてしまいました。
些細な角度でもカブは自走できず、ほぼ人間の足で登っていく感じになると思います。
web版から書かれた順に追っていくと、こうなってしまった理由はわかるのですが、アニメ版1話から見ていくと、それ以前の他の場面との段差が酷いように見えてしまいます。
カブの登坂力は非常に低く、特に不整地では幼稚園児が歩いて通過できる程度のところでも、汗だくになって押して上げるような感じになります。
カブに限らず基本的に小排気量車の登坂力は低いです。
軽さを生かして人力で進みます。操作誤って登りで崖落ちとかは基本無いです。
5話の世界観(カブの特性を無視して良い)を受け入れると、遡って4話までのリアル路線が否定されてしまう。
フィクションなので、リアルさの度合いは作品ごとに自由に決めて良いわけですが、作品内でのレベルは合わせて欲しいと思いました。
フィクションだから良いと言うのであれば、極端な話、別にカブがロボットに変形したってかまわないし、マッハ1で走行したってかまわないわけですが、作中のあちこちでリアルでのカブの特性について言及されているわけで、車体性能に関してはリアル寄りに書かれています。
エンジン始動で、圧縮工程探すような話に、富士山爆走が入っているのは、矛盾しているように見えます。
12話しかない短い話なので、バイク自体の性能に関してリアル路線で行くのかフィクションで行くのか、レベルを合わせて欲しいと思いました。
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エンジンオイル交換時期について。
通常100km交換というのは存在しません。
エンジンオイルの100km交換は、距離だけで見ると、変ではありますが、買ったときに店主が「中古は」と言っていたように、少し走って中の汚れを全部出してしまおうという意図ではないかと思います。
旧車乗る人達の常識みたいなものがあるのかもしれません。
私も、今後長期間乗るかもしれないけれど、入手した時点で得体の知れないバイクは、ちょっと走ってすぐにオイル交換するかもしれません。
主人公さんはドレンボルト外すのにかなり苦戦していました。
あのボルトは、長期放置で固着ならともかくとして、緩めるのに苦戦する人は比較的少ないと思います。どちらかというと締めすぎてネジ山破壊する危険性が高いです。
買ったときには整備済みだったわけで、無茶な走行したわけでも無く、あのタイミングでの固着は考え辛い。
それでも、女の子の力だと苦戦することもあるのかもしれませんが、普通は、力の入れ過ぎで、ねじ山破壊で困ることになります。
”ドレンボルト なめた”
とかで検索すると、いっぱいヒットすると思います。
非力な男性の力でもネジ山破壊してしまうことがあるので、あまり力の入りやすい工具は使わない方が良いとも言われています。
※当たり前ですが、工具は、用途に合ったものを使う必要があります。
アニメがおかしいという指摘ではありません。
一般的な男性が、あれ見てああいう勢いでやると、ねじ山破壊しますよという話です。
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7話では、リヤカー付けて引っ張ります。
そんなに簡単に取り付けできないと思いますが、そこはフィクションだから良いとして、ロープで直付けしています。
これやると、たぶん曲がるのに凄く苦労すると思います。
「ぜんぜん曲がれない!!」と騒ぎながら乗って欲しかったです。
実際にやったら、絶対そこで苦労するのになと思うところがスルーされているので妙に思えます。
これ、スムーズに曲がるシーンが描かれているから妙に見えるだけなので、ちょっともったいないなと思いました。
私は故障したバイクを牽引で引っ張ったことがありますが、引っ張る方は、けっこう曲がりにくかったです。引っ張られる方は、ロープが緩まないように気を付けるくらいで、比較的楽だった気がします。
牽引でけっこうな距離走ってます。
出発するときは、動くジャンクなのですが、出先で動かないジャンクに変化することが度々あり……
※買った時からジャンクです
125ccは書類付きで6~7万円くらい、2スト200ccは書類付きで2万円くらいでした。
まあ、特に200ccはもうボロボロです。125ccは大事にされた車両も多かったです。
125ccでコレだけ走るなら200ccならすごく走るだろうと思っていると、
大差なくてびっくりします。
ジャンクバイクのブレーキの利きは、何をするとこうなるのか疑問なくらい
効かなかったです。
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エンディングにトランギアの文字が出ますが、メスティンの話が有るようで。
私は長い間、これは弁当箱か小物入れだと思ってました。飯盒だったんですね!
売られているときには、ハンドルは取り付けられていないので、ぱっと見、弁当箱にしか見えません。
山で定番の弁当箱なのだろうと思ってました。実はハンドルが付いて鍋だということが判明します。
あんなペナペナ鍋で米炊けるのか?と疑問に思っていたのですが炊けるのですね。
アルミは熱伝導率が高いのですが、熱伝導は断面積に比例します。厚いほど熱が拡散しやすくなる。
アルミ箔でわかると思いますが、一部を灰になるまで火で炙っても、反対側の端は、たいして熱くありません。単に材質の特性だけを見ても、正しい結果に辿り着けません。
熱伝導は断面積に比例するので、厚い方が熱伝導が良くなる。
なので、薄いアルミ鍋で、アルミだから熱伝導が良いと言うのは、あまり正しくない。
メスティンより厚いアルミ鍋なんて、いくらでもあるわけで、むしろ、熱伝導が低い鍋かもしれない。
アルミ製なので、薄くても熱が回りやすいくらいの意味合いになるかと思います。
同じ材質なら厚いほど熱が伝わりやすくなる。なので厚くなると、炎が当たっていない、水分の少ない部分が焦げる(或いは固くなる、乾く)と言う現象が発生するでしょう。
なので、あまり厚くない方が炊飯には適しているのかもしれません。
とはいえ、そもそもトランギアなので、アルコールバーナー用なのですよね。
だから、この厚さでも十分なのです。
この厚さで十分なほどに低火力のバーナーで使うことが前提だからです。
※弱火で使いましょう
私はガソリンだったので、そんなに弱火は使えません。
もっとでかい鍋で、”湯でこぼし”で炊くことが多かったです。
私は、米は液燃ストーブで炊くと決めているので。
※難易度高いです
”湯でこぼし”というのは、炊飯方法の1つで、コメを多目の湯で茹でます。
そして、茹で上がった頃に、余分な湯を捨てて蒸らす。そんな方法です。
一般的には、モチモチ感が失われるので、味的には劣ると言われてます。
※私のは、弱火が苦手なストーブで、とりあえず炊く方法です。
私は、キャンプ飯を追求する趣味はありませんので、応急処置的な方法を使います。
美味しく炊く方法や、もっと簡単に炊く方法は、詳しい方がいくらでも居そうです。
同様にキャンプも、日帰りではない未舗装路走行をするためのもので、
キャンプ自体はあまり真面目にやりません。
トランギアのメスティンは91年時点で定価1200円。2021年は1600円(税込み1760円)
私が買った時は税込み1000円でポイント100円付きました。
今は、似たような中華品(……オリジナルより、仕上げがまともな物)が大量に出回っているので、あまり本物に拘る必要は無いと思いますが、大差無いなら本物を買うという考えも有りだと思います。
コレ、凄く飯盒なのです。なんでスウェーデンで飯盒作ってるんだ?という疑問が。
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※スウェーデンでは、フードコンテナや弁当箱として使われているようですね
↓ OCEANS(Camp Gear Note Vol.66)
<<https://oceans.tokyo.jp/leisure/2020-1108-3/?p_page=3>>
偶然、炊飯に適した鍋になっただけで、そもそもあまり鍋では無いのですね!
あんなに飯盒なのに。
ちなみに、ハンドル無し版も存在します。
やっぱり、鍋ではない用途を想定したもののような気がします。
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凄い勢いで飯盒なので、(炊飯文化のある)中華コピー品が出るのはわかるのですが、
オリジナルのメスティンが、なぜ北欧で飯盒作ってるんだ?という謎の品だったのです。
ラージメスティンという、大型のものも存在しますが、あんまり使いやすくありません。
インスタントラーメンを割らずにそのまま作れるサイズで、なんでスウェーデンでサッポロ一番割らずに作れる……
いえ、ノーマルサイズのメスティンがすっぽり入る大きさのものがあると便利というか、一回り大きくて2合炊けるサイズだと使いやすい。
メスティンは、凄い飯盒なのに、2合炊けないのです。
※小熊さんは2合炊いてるようです。でも、間違いでは無いです。
3人だと2合くらいが丁度良い。ところが、メスティンは1.5合がギリギリ。
2合、2.5合炊ける一回り大きいやつをプリーズ……と思うのです。
※2合炊ける説もあります。私は1.5合だと思いますが、公式では1.8合となっていました
なぜラージメスティンがこの形で、この大きさなのか、なんで中にメスティンが、すっぽり入る大きさにしなかったのか、むしろ疑問に思うわけですが、平べったいラージサイズのやつが存在します。
ラージの方は、レトルトご飯温めるときくらいしか使う機会が無いという使いにくいやつですが、ノーマルサイズのメスティンは、レトルトご飯は温められなくても、使い勝手が良い。
タダのアルミ鍋なので、似たような品はたくさんありますが、逆に、1760円という金額は、多くの人にとって、全く手が出ないほど高額では無いと思うので、”どうせ買うなら本物を”って気もします。
北欧で作られた飯盒というミステリアスな品です。女子高生とかも買うかもしれません。
8話に出ましたね。税込み1200円! クソ安ぅ!
中古でしょうか? 未使用品?
でも、凄い勢いで弁当箱扱いです。
小熊さんは1200円でも悩んで買うくらいの懐具合なようです。
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スーパーカブ、作中のメスティンですが、
(買った時には弁当箱扱いだった)その割には、作中で、後々まで、度々出てきて、ちゃんと飯盒として使われています。
ただし、作中では、普通のキッチン備え付けのガスコンロで使っています。
実際に炊飯するなら、固形燃料の方が良いと思います。
固形燃料は、まとめ買いすると、かなり安いものなので、あまり懐も痛まない。
(長期保存はできないので、一度にあまり大量に買うとカスカスになってしまいますが)
風の無い屋内では、炊飯に必要な過熱時間は、ほぼ一定です。
なので、燃焼時間が合う燃料を使うと、勝手に焚けます。
これを自動炊飯と呼ぶことがあります。
20~25gあたりの、固形燃料に火をつけて放置すると、上手い具合に炊けている。
屋外では風の有無や気温で、同じ量の燃料で、同じようには炊けないことも多い。
屋内だったら、空焚きとかも無く、固形燃料が良い気がします。
ガスコンロだと、火力調整誤差や、消し忘れで焦がしたりと、失敗しそうな気がするのです。
だから駄目だという指摘では無いです。
炊飯には、安価な固形燃料を使うと便利ですよという話です。
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トランギアと言うと、日本では、メスティンが有名ですが、メスティンはあまり主力商品ではありません。
トランギアと言えば基本アルコールバーナーと、アルコールバーナー用のクッカー等を作ってる会社です。
個人的には、代表製品はアルコールバーナーと、ストームクッカーです。
ストームクッカーは、名前の通り、嵐の中でも調理できてしまうと言う凄い品です。
でも、火力調整がめんどくさいので、私はガスストーブに換装して使ってます。
元はアルコールバーナー用の調理器具です。
これ、けっこう好きなのですが、アルコールだと使いにくい。
※アルコールバーナー用の調理セットです!
日本国内はガスストーブが不自由なので売ってませんが、純正品があって、海外通販で買えます。
液燃バーナーもオプションとして存在しますが、やりすぎです。
で、ストームクッカーで、凄くびっくりなのが、極めて火傷に適した構造なのです。
触りやすい部分が、超高温になっているという罰ゲーム的な機器なのです。
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アニメ版では出ませんでしたが、椎さんにはやたらと背の高い妹が居て、サバイバルグッズを持ち歩いているという設定になっています。
私もいくつか持ち歩いている物がありますが、そんな中に火打石というのがあります。
遥か昔から存在する、男のロマングッズです。
今年は100円屋さんに、火打石が並ぶという大事件がありました。
昔は1500円とかそんな価格だったと思うのですが、なんと100円!
もちろん、大量に売れれば安く売れるのだと思いますが100円で売れるものだとは思いませんでした。
左側の火打石部分単体の物です。
右側のは、側面に火打石が埋まっていて、銀色部分はマグネシウムです。
火打石自体を削って粉にすることもできますが、マグネシウムはいっぱい使えてお得です。
これを削って粉にしてそこに火花を当てると火が起こせますという凄そうなグッズですが、私は、”濡れても拭けばすぐに復活する点火装置”としてしか使っていません。
私は基本、”濡れてもすぐ復活する火花を発生させる道具”という以上の信頼はしていません。
家で試しに火を起こすくらいならできるのですが、寒い日の屋外、雨が降っていて風が吹く中で火おこしできるかと言うと、私はできない。でも、火花は散らすことができる。
ピンチに陥ったときは、日頃簡単にできる程度のこともできなくなるわけで、条件の良い時にしかできないことは、基本出来ないことと思っておかないと危ない……なんて考えている人は、日頃からこんなものを持ち歩いていたりします。
火花を起こすだけなら、100円のでも問題ありません。
ライターが濡れてしまうと、点火手段が失われてしまうので、それを恐れて持っているわけですが、実際には、そこまで追いつめられたことは無いです。
なので、もっぱらお守りとして持ち歩いている物ですが、100円ショップに並ぶ日が来るとは思いませんでした。
昔、けっこう金出して買った気が……
(遠い目)
ちなみに、聞いた話と違って、ガソリンは寒いとなかなか引火しません。
-45℃でも引火するはずなのですが、実際は、この程度の火花では、そんなに簡単に引火しません。
アルコールも常温だと簡単に引火するのに、ちょっと寒くなるといきなり火花程度では簡単には引火しない液体に変化します。
点火するには、少々工夫が必要です。
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スーパーカブですが、7話で冬支度をはじめます。
主人公はこの時点で、冬のバイクの過酷さは知らないはずなのですが、何故か早くも冬に備え始めます。
ここが違和感ポイントです。過酷な夏を難無く乗り切った=気温にはあまり敏感では無い話だと思っていたのです。
ところが、寒さに対して異様に敏感です。
この物語、不思議なことに、寒さには敏感な割に、暑さに対しては異様なほど触れられません。
やたら非対称なのです。
小熊さんは、甲府まで往復してましたが、甲府はしばしば日本最高気温が出るような暑い場所です。
夏の甲府盆地は、幹線道路の上は連日35度越えです。
人間の体表温度は凡そ30度。気温が30度を超えたら空冷できません。
温風から熱を貰う効果の方が大きい。
それを上回る勢いで、汗による気化熱で冷やすことになります。
そんな日に、長袖着てヘルメット被って炎天下走り回ったりすると、熱中症になる危険がある。
そこはスルーして、寒さばかりが書かれるという違和感。
北杜市には、避暑地になるような場所もありますが、主人公が住んでいる辺りでは、そこまで涼しいということは無いように思えます。
甲府より3度低いとか、そんなレベルでしょう。
避暑地自体、エアコンが普及した現在では、昔ほど価値は無くなったように感じます。
避暑地に行くより、家の方が涼しい。
猛暑の中走るとバイクの方にも影響あります。
真夏に空冷バイクで走ってると、熱ダレしやすい。
当然、走る場所や速度で変わってきますが。
バイクに対する影響に関しては、わざわざ書くほど大きな問題ではないかもしれませんが、猛暑の中走るのは、ライダーにとっては、かなり過酷です。
ゆるキャン△では、標高900mの本栖湖で、冬にキャンプしてます。
あれも、実際は、あんな軽装でやったら大変なことになるだろうという気はするものの、冬にキャンプする話で、夏にはしません。私も夏にキャンプしません。
夏にキャンプしたらおかしいという話では無く、冬に寒くて困るのと同様に、夏は暑くて困るわけです。ゆるキャン△の場合は、(ソロキャンの子は)冬にしかキャンプしない派です。
なので、冬の寒さだけが描かれ、夏の暑さについて描かれないのは不思議でもありません。
ところが、スーパーカブは、真夏のシーンがあるのに、暑さについては何も描かれない。
雨具の話も、真夏の雨具なんて、レインスーツを着てサウナ状態になって、汗の被害を受けるのと、雨による外部からの濡れの、どちらがマシかという二択を迫られます。
もともと、外気で体を冷やすことができない温度で、さらに、雨具で気化熱での冷却も大部分失ってしまう。凄い困りごとです。
雨が降れば一時的に30度くらいまで下がりそうですが、そんな程度です。
なので、普通に考えるとおかしいのですが、実は条件によっては、夏の暑さはあまり問題無くなります。
つまり、冬の寒さばかりが問題になり、夏の暑さはあまり問題にならない条件というのが存在します。
おそらく、家庭や自動車にエアコンが付いているのが当たり前になるより前の時代のバイク乗りは、夏のバイクは厳しいという感覚が薄いのではないかと思うのです。
エアコン無しの自動車で夏の炎天下渋滞にハマっていると、それと比べると、バイクは涼しそうに見えるでしょう。なので、昔の感覚だと、バイクが暑いというイメージが薄いと思うのです。
でも、現在では立場は逆転してしまっています。
暑いのがバイクで、自動車の方が涼しいことが多い。
というわけで、夏の暑さに触れられないのは、たぶんエアコンが普及していない時代の人の感覚で書かれているからなのではないかと思うのです!
いえ、単に適温の差なのでしょうが。
私はだいたい適温が、イタチと同じくらいなので、日本の夏に野外活動は厳しいのです。
冬のバイクの困りごとは、始動性と、路面凍結です。
もちろん寒さも厳しいですが、温度で言ったら、着れば何とでもなる冬よりも、脱いでも回避できない夏の暑さの方が圧倒的に厄介です。
通学等、短距離でのみの使用であれば、寒さの方が問題になりますが、同時に防寒装備はさほど重要では無くなりそうです。
ところが暑い夏を楽々乗り越えた割に、寒さには敏感に反応し、冬に向けて対策をはじめます。
実はカブに注目すると、なぜ冬の寒さにだけ反応するのかがわかります。
夏用にカブにつけるパーツは無く、冬用に付けるパーツはあるからですね。
ただし、カブでなくても付けられる装備も多いです。
カブの良いところに注目すると、冬装備には注目するけど夏の暑さには完全スルーというのも仕方ないのかもしれません。
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そういえば、あのあたりは冬の風は凄いですね。
冬の寒さ、特に体感温度は南大沢の方がマシな気はします。
南大沢は、書籍版小説で小熊さんが大学生の時住む場所です。
正確には学校があるのが南大沢で、住むのは町田市なので、小山田だと思います。
(小説の内容に概ね合致する場所が存在しています)
斎場付近に家があるとすれば、生活圏はおそらく南大沢ではなく、多摩境になると思います。
時代によりますが斎場がある時代なら、多摩境に向かう方が便利ではないかと。
多摩境駅の近くにバイク用品屋があります。
それ以外にも、比較的近いところにバイク用品屋が何件かあるので便利ですね。
(コロナ禍のせいか、一番大きいお店が潰れてしまいました)
南大沢の造成中はときどき遊びに行きました。造成が始まった場所には入れませんが、これから造成する場所には入れます(立ち入り禁止になっていなかった)。
たくさんの道が作られ、それまで山奥で入れなかった場所が、道から近い場所になり、簡単に入れるようになるのです。
獣道を進んでいくと造成中区画に到達してしまうけど、斜面の獣道はUターンできませんし、結局崖落ちしながら戻っていきます。
今では大規模な町になっていますが、工事が中途半端に進んで、元の山は残ってる頃は、けっこう崖落ちして遊んでました。
住宅地が造成される場所ですので、標高はそんなに高くないので、寒い場所ではありません。
風も強くないです。
スーパーカブの主人公が高校生の時点で住んでるあたりは、南アルプスがあるからなのか、春一番みたいな強風が真冬に吹きます(冷たい風です)。
元気な高校生でも、自転車で走行中に風に吹かれて用水路に落ちたりします。
冬の用水路には、ほとんど水は流れていませんが、コンクリートの用水路落ちは、かなり危険です。
釜無川の周辺なんかは、障害物が少なく、猛烈な風が吹きます。
でも、バイクに乗るには夏の暑さの方が厳しいです。
山梨で、こんなところ住みたくない!と思う機会は、冬よりも夏の方が100倍くらい多いです。
冬に腹立つのは何といっても冬季通行止めです。
冬にでもならないと適度な難易度にならないだろ!!と思う道が冬になると通行止めになります。
夏は厄介な幹線道路上の熱気ですが、幹線道路の温度が高いのは、夏に限りません。
山の上から20号まで下りてくると、20号の上は暖かいです。
メガネ曇ったりします。
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それはそうと免許ですが、なぜいきなり教習所行くことにしたのでしょう?
予算の少ない友人に、経済的負担の大きな選択肢を強制するのはどうかと思いました。
韮崎の教習所調べたら17万円くらいみたいです。
かなりの大金でしょう。バイト代で足りてないです。
金額の絶対値はともかくとして、他の手段を検討しないのは不自然です。
免許を取るのに教習所通いは必須ではありません。
免許取りたい! → 即教習所予約しよう! というのは、金と時間に余裕がある人の常識で、貧乏人には適用されません。
自分である程度金を稼ぐ必要のある勤労学生が何かを買おうと思う場合、貧乏と暇無しはセットで付いてきます。
払う金も無駄なら、通う時間も無駄。非常に無駄の多い選択です。
時間はある程度金で買うことが可能で、その逆がバイトです。時間は売ることも出来る。
教習所通う時間があれば、その時間で稼げるわけです。
教習所は金と時間を消費します。貧乏人にとってはかなりの悪手です。
なので、貧乏人に唯一の手段のように押し付けるか?と思いました。
無論、価値が無いわけでは無いので、相談した上で教習所ならわかりますが、あまり経済的に恵まれていない主人公に、唯一の選択肢のように押し付けるのはどうかと思います。
そこは普通に考えたら節約する場面では無いでしょうか?
10万くらい浮かせられそうです。
話としても、試験場に受けに行く方が、貧乏な中頑張っているように見えます。
登場人物たちが試験場の存在を知らなかったのかもしれませんが、貧乏人の行動に見えない。
↓この部分間違いでした。
そして、試験場には1話の時点で行っているはずなのです。
↑山梨は原付の試験場が14カ所もあり、1話の時点では二輪の試験場には
行っていない可能性が高いです。
フィクションではありますが、貧乏設定なら、貧乏設定に合わせて欲しかったなと思いました。
※これも元のweb版小説の名残のような気もしますが、
作者さんが若いころにあまり貧乏な暮らしを経験していないの
かもしれないとも思いました。
特に貧乏設定が無くても、ゆるキャン△ではバイトして買う物が数千円のものです。
1日4000円の仕事で、どうやって教習所+カブのボアアップ改造代を捻出したのか。
フィクションなので嘘であることは構わないけど、日給見せておいて明らかに足りないものを手に入れてしまうというのは違和感ポイントが見えやすい。
貧乏設定忘れちゃったのかな?という違和感があります。
場面ごとに設定が合っていない感じがあります。
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10話には雪遊びのシーンがあります。
カブにはタイヤチェーンが付けられます。
あれを付けると、雪道でも走れそうですが、50ccのノーマル状態では、四輪車が通ったあとの、新雪が無いようなところでないと走れません。転んでも痛くないような雪の上は走れないのです(新雪踏みしめて走るようなのは、けっこう厳しいです)。
チェーン自体、下が固いアスファルトだから効くのであって、下が雪だと効きはイマイチです。
※正確には、下が雪でもチェーンは効きます。チェーンで駆動力が増す効果より、
前輪の抵抗が増える効果の方が大きく、結果としてあまり効かないように感じることがある。
タイヤだと、ツルツルの氷の上で前に進めないことが多いですが、チェーンがあると、そういうところは通過できる。でも、雪が深いとチェーンがあっても厳しいです。
作中のカブは、チェーンを付けただけで驚きの機動力を発揮しますが、基本、後輪駆動のバイクの雪道の走破性は、かなり低く、ゴミレベルです。
チェーン付けても、スタッドレスの四駆に全く及びません。
雪道でバイクで遊ぶ人なら経験あると思いますが、後ろから来た四輪に道を譲る場面は多いです。
でも、カブは雪が降っても、けっこう走ることができます。
人が住んでいるところであれば、人が通行する狭い範囲だけ雪かきしてあったりします。
そして、バイクは、人が1人通れる幅だけ雪が避けてあれば、けっこう走れるのです。
そして、嵌っても人力で脱出できる。
どうせ人力で脱出できる小排気量バイクは、どんなところでも、戻りをあまり気にせず突入できるというところが最大の利点となります。
この気にせず突入可能という利点は極めて大きいです。四輪が狭い道で立ち往生すると、道を塞いでしまいます。
なので、行けるかどうか試してみよう……ができないわけです。
そんなわけで、走破性はとっても低いですが、雪が降っても走れる。
雪かきされてなくても、薄く積もった雪の上なら走れます。
50ccだと厳しそうですが、雪質次第ではありますが2~3cmくらいの雪ならだいたいいけると思います。
ふかふか雪なら5cmくらいでも行けそうです。
コケると痛いですが、楽しいです!
そんな状態でも、けっこう暑かったりします。なので、押すとものすごく暑いです!
もう少し後輪駆動力の高いバイクでは、積もって一晩の5cm、ふかふかの新雪だと10cmとか行けるかもしれません。
平地でなら……ですが。
作中の、雪で遊んでいるシーンは、250ccクラスのオフローダーくらいに見えました。
(30馬力くらいのフルサイズのバイクです)
そのくらいのバイクで10cm程度の新雪がある開けた場所で遊ぶとあんな感じになると思います。広い場所はだいたい先客が居て、タイヤの跡が残ってます
※ジャンプはできません
これは溶けかけてますが、こんな感じのところに新雪10cm積もったところを250ccくらいのオフロードバイクで走れば、作中の雪遊びにある程度近い感じで遊べます。
結局のところ、雪でグリップしない場合、雪の下の土にグリップして走っているだけですが、見た目はあんな感じで遊べます。
※ジャンプは無理です
その程度の用途では十分なパワーを持つはずのバイクでも、暑くて上着脱ぎます。
あのシーンで上着脱ぐ割に、富士山登る時には防寒着の心配ばかりしています。
そのあたりのムラが大きく感じます。
※小説版では、後にカブで富士登山に挑むシーンが出てきます。
爆走崖落ちしませんが、防寒着やらの心配をしているわりに、
暑くて上着脱ぐシーンは出てきません。
あのシーン、実際の52ccのカブでやると、ほとんど人力で押すシーンになると思います。
パワーの問題もありますが、カブだと、レッグシールドでラッセル状態になりますから、凹凸のある場所で雪遊びは、あまりできないのではないかと思います。
オンロード車の場合、フェンダーとタイヤの隙間に雪が詰まって、タイヤが回転しにくくなるという問題もあります。
(フィクションですので何の問題もありませんが、あれを信じて雪道に突入すると、思ってたのと全然違う!となるかもしれません)
一方で、オフローダーだと結構遊べます。
オフロードバイクでも、標準的なタイヤサイズのバイクだとチェーンを付けることが可能です。
ただし、楽しく遊んでると1日で切れてしまうかもしれません。チェーンの方がもたないのですね。
早歩きくらいの速度で、のそのそ走っているときはだいたい大丈夫です。
ドリフトして遊んでると切れます。
私はこんなに調子良く走れたことがある気がしませんが、コンディションさえ良ければ、こんな感じで走れるようです。
雪山ツーリング WR250R SEROW250
(タイチ エンデューロ)
↓
<<https://www.youtube.com/watch?v=WUnprBPWruo>>
バイクの雪上走破性能は低いですが、カブとは次元が違います。
2016.12.24 スノーアタック第2弾 チェーン装備で氷ノ山へ!WR250R バイク 雪 瀞川氷ノ山林道 オフ車
(タイチ エンデューロ)
↓
<<https://www.youtube.com/watch?v=ovD2PjcCdNA>>
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私は雪が深すぎるか、カチカチに凍っているかが多く、適度な時というのはあまり経験無いです。
適度に遊べたのは、10回行って2回くらい。
新雪がたくさん積もった状況なんて滅多にありませんから、基本、四輪の轍の上を何時間も走り続けることが多いです。
もっと酷いところが多く、謎挙動でバイクの新たな可能性に目覚めてしまうような道が多いです。
■ガチンコスノーアタック!雪道の恐ろしさを身をもって思い知るハンターカブ Honda CT125 Motorcycle off-road #43
(ちゃんねる:よぺたん【河川敷系】)
↓
<<https://www.youtube.com/watch?v=BqIERl9Czp4>>
チェーン無しハンターカブで雪道で、下りで難儀してます。
■【ハンターカブ】雪道でカブの限界を知ってしまった!【雪道ツーリング】
(チャンネル:Pole Cogan TV)
↓
<<https://www.youtube.com/watch?v=jADnsG6m32M>>
結局、この制約に気付きます。
雪の深さは最低地上高が限界になります。
■【ハンターカブ CT125】ガチオフ車たちと積雪林道 マジ着いていけるのか?
(チャンネル:OFFROAD×HUNTER Videos)
↓
<<https://www.youtube.com/watch?v=KiQHDKZBWKw>>
オフロード向きのタイヤは、雪道にはグリップしますが、アスファルトの上に雪が乗っているようなところで、雪が減ってくると全然グリップしません。
タイヤのブロック見るとわかりますが、オフロード向きのタイヤ、特にリヤタイヤのパターンは横滑りに極端に弱いので、すぐ横向きます。
下が凍っていれば、ノーマルタイヤの方がマシという状況になります。
なのでノーマルタイヤだと雪の上で押すのに疲れますが、コケ難いです。
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で、雪が豊富にあることろというと、だいたい高所になります。
山岳地帯です。
もうわかりましたね!
そうです、人力で持ち上げるお話です。基本押します。
排気量が何㏄であろうが関係なく、だいたい押します。ただ、50ccはきついですね。
50ccと大差ない車格で110ccと言うのは非常に魅力で、私も副変速機付きのハンターカブは欲しいと思ったことがあります(副変速機無しのハンターカブを欲しいと思ったことは無いです)。
現地まで自走するするのに便利な減速比と、現地で使いたい減速比は大きく違うため、これを切り替える仕組みが欲しい。
こういうところで、カブ系バイクと遭遇したことはありません。
つまり、カブは雪山登って来ません。
ただし雪道で遭遇したことが無いだけで、雪山アタックと思われるオフ車軍団に、モンキーバハが混ざってるのを見たことがあった気がします。雪道まで辿り着けたでしょうか?
小さなバイクなら、人間が足で運ぶこともできるのである程度のところまで登れたかもしれません。
バイクが自力で進めない場所では、人力で進みやすいバイクの方が健闘します。
副変速機付きのハンターカブなら雪山走るのに比較的適してそうだと思っているのですが、国内にはあまり流通しなかったのですよね。
スーパーカブだとレッグシールド外しても、腹が乗り上げてしまうかもしれません。
ほとんどの場合、四輪のタイヤ1本分のレールの上を何時間も走り続けることになります。
轍の段差が大きいと、腹の低いスーパーカブでは轍以外の部分に乗り上げてしまう。
冒険は押しが入ってからが本番です(?)。雪山だと5時間とか10時間とか、とにかく押す。
押してるうちに、こんな景色が見られるかもしれません。
これ、前の晩に降ったばかりの雪で、ほぼ新雪です。
この雪が降る以前からあった車の轍は残ってますが、その上に新雪が被さっていて、前進を阻みます。些細な登りでもバイクは自力で進まない。なので押す。
とにかく押す。押して押して押しまくる。
2人がかりで押したり。
襟から蒸気が上がります。
蒸気機関車かよ! 人間って蒸気で動いたのか!!と思うほど激しく湯気が上がります。
そして、上着の内側で結露したりするので厄介です。
そして、もうダメじゃーーーー!!!!
となったときに、新雪の上に倒れます。
そして、起き上がった後にできるのが人拓です。
美しいですね!
なんか、キン肉マンのウォーズマンみたいな人拓になってますが、頭が丸いのはヘルメットのせいです。
※いつかは、ウォーズマンのような爽やかな笑顔ができる大人になりたいものです。
「もう雪山なんかコリゴリだーーー!!」と思いつつ、雪降るとまた行くのですが。
ぐふっ(エア吐血)
雪山の良いところとして、水がどこでも手に入るというのがあります。
雪から水を作ると雪山気分が味わえます。
雪を解かすには、僅かでも液体の水があった方が良いです。
鍋底が隠れる程度有れば十分です。
降ったばかりの雪を沸かして飲んでも、特に問題無い。
(ガス缶横倒しなのはわざとです。このストーブは横倒しでも使えるので、プロパン温存のため、横倒し)
コイツもスウェーデン製(正確には、会社がスウェーデンに有って、生産国はエストニア)ですが、ストームクッカーと違って、とても火傷しにくい良品です。
普通、バイクでの雪山アタックに、こんなでかい鍋持って行く人はいませんが、私は気に入っているので、けっこう持って行きます。
そして、雪山で食べるうどんは最高であります。
このときは、ガス缶立ててます。
ガス缶側に火力調整があるストーブでは、横倒しだと火力調整があまり効かないので。
ガソリンストーブは、冷えるまでに時間がかかるので、出して使って収納という時間に制限がある時は使いにくいのです。でもガスは火力低くて、これはこれでストレス溜まるのですよね。
実は、低排気量車の場合、チェーン無しの雪の林道登りと、雪無しの山登りはかなり似ているのです。
林道の方が傾斜が緩やかで凹凸も少ないのですが、路面の摩擦が低い。
山道は路面摩擦が少し大きいかわりに、傾斜がきつく部分的に傾斜が特にきついところが有ったりします。そして、路面が湿っていたり進行方向に対して横方向に傾斜が有ったりします。
雪道も、傾斜がきついところほど、道沿いに水が流れ、凍りますので、ここが越えられないという難所が出てきます。
どちらも、結局人力で進む。バイクが走り出したら速度を落とさないように走る。少々の障害は自分の足でサポートする。
私の感覚では非常によく似ているように感じ、基本、同じ技術を使って走っているように感じます。
バイクは、つるつるの土の上では、予想外の動きを見せることがあります。
つるつるの急傾斜の下りではバイクがスピンすることがあります。
瞬間で90度スピンするので驚くのですが、さらに、その瞬間にはコケないのです。
あの勢いでスピンしてコケないのかよ!!と思ってると、数秒してからコケます。
人力でその姿勢を保ってるだけなので、短時間で力尽きるのです。
アスファルトの雪道では、スピンは90度以上になったりもしますが、一瞬でスピンではなく、じわじわスピンします。はじめの30度に2秒くらい、残りは0.5秒くらいでしょうか。
この時はだいたい、バイクの横滑りも発生していて、スピン後すぐにコケることが多いです。
私自身が体験した中で、一番すごいと思ったのは斜め横向いたまま、道に沿ってしばらく走り続けた時です。
雪のアスファルト道で、止まれずブレーキも効かない状態で、方向転換もできないので、前輪が側溝に落ちると思ったのですが、落ちもせず、50mくらいでしょうか、道自体が急カーブしているのですが、道沿いにカーブしてそのまま走ったことがあります。
極低速で右折しようとしたら、前輪と後輪が同じ速度で坂を下ってしまい、方向転換ができない状況です。
右折時に偶然前後のタイヤと路面抵抗の関係が釣り合う状況ができてしまったのでしょう。
前輪は、ハンドルをストッパーかかるまで全切り状態でブレーキはかけていない。
リヤは、クラッチ切っているのですが、クラッチは切っていても、クリープで多少なりとも回転しようとしますので、横滑りする状況では低速で回っていたのではないかと思います。
横向きに走ったらだいたいコケるのですが、そのときはそのまま走り続けました。
50mくらいで停止したので、そこからは進行方向に向けて道に沿って下に向かって走り出しました。
バイクは横に走ることもあるようです。
距離は体感の話で、止まらず走り続けたので、実際の距離は不明で、実際に測ると半分の25mかもしれません。
道路が急カーブしているのに、カーブに沿って走ったことを体感できる程度の距離を横滑りで走ったことがあるという感じです。
でも、10mでも横滑りしながら道沿いに走り続けたら十分異常だと思うのです。
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■魔の一時間(魔の60分)問題
アニメ版で、”魔の60分”とか”魔の一時間”とか出てきて、わざわざ車体をチェックしながら説明してくれるシーンがあります。
これ、たぶん、”アニメ作った人が、小説版の内容を正しく読めていない”と思います。
小説では、バイク自体に問題が出ているかどうかを1時間経過時点で再点検するという話を書いているわけでは無いと思います。
まず、アニメ版を見て、凄く違和感を持ちました。
少なくとも、日頃から乗ってるバイクで、そんなの(1時間でバイク再点検)気にする人は居ない。
日頃から乗っているバイクで遠出する場合に、バイク自体に60分の壁は、存在しないように感じます。
さらには、最初の60分で再チェックしても、問題発生を確認できる効果は、ほとんど無いように思います。
理由は簡単です。”そこで発生する問題は、日頃既に出尽くしているから”です。
つまり、逆に言えば、日頃問題を出し尽くしていない状態のバイクであれば魔の60分は存在する。
バイク自体に出る問題であれば、その現象は、頻繁に乗らないバイクで起きる現象だと思うのです。
べつに、日常的にバイクに乗る人がその法則を信じていてもおかしいとは思いませんが、作中で常識のように出てくる割に、日頃から乗っているバイクが60分以内に不具合が出るなんて話は聞いたことも無ければ、実感したことも無いという不気味さがあります。
そして、何より、壊れないのがスーパーカブの良いところなのです。
そもそも小熊さん、日頃、60分点検とかしてないですよね?
60分で点検が必要なのであれば、アルバイトで甲府との間を往復していた時にも毎日60分点検が必要だったはずなのです。
でも、毎日乗ってるバイクで60分点検なんてしません。
毎日乗っていれば、普通のバイクでも最初の60分とか気にする必要が無いのに、壊れないのが取り柄のバイクで、毎日乗ってるのに、遠出するときだけ魔の60分気にするかな?という、何か、毎日乗ってるスーパーカブとは別の乗り物の常識が適用されているような不気味さがあります。
例えば、登山でカブのフロントが浮いてバク転というように、別のバイク、例えばハスラーであれば、そういうこともあるかもしれないと思えるけれど、カブには無いだろうというのと同じで、別の乗り物の話としては成り立つけれど、日頃から乗ってるカブには当て嵌まらない内容に思えるのです。
妙な気持ち悪さがあったので、原作者がそう書いているのかを確認しました。
web版小説には、魔の一時間の話は無かったのに、書籍版で追加されているのですね。
でも、このシーンも”アニメ版がおかしい”ようにに見える。
たぶん、解釈間違ってます。
小説版は、最初の1時間を無事乗り切ったことを確認するシーンになっているように読めるのですが、アニメ版は、バイクを点検するために停まったシーンになっています。
アニメだと、カブの点検をしながら、その点検に何の意味があるのかを小熊さんと礼子さんが息を合わせて椎さんに説明するので、1時間点検が、バイク乗り共通の認識、常識として描かれてしまっている。
書籍版小説だと、小熊さんが、礼子さんと椎さんを見て、大丈夫そうだなと思い、そのあと、ルートを相談して決めるシーンです。最初の一時間を無事乗り切ったことを確認した。
さらに、バイクの車体を点検しているわけでは無く、ぜんぜん違和感のないシーンです。
アニメ版では、確認の対象が、スーパーカブの車体の方になってしまっていて、日頃から乗ってるカブを今更点検して何の意味があるんだ?という疑問を持つと、その回答として、この根拠として魔の60分が説明される。
でも、元々このシーン、カブの点検をするシーンでは無かったと思うのです。
問題無く最初の60分を乗り切ったことを確認したのであって、カブの車体を60分で点検したなんてことは書かれていません。
ちゃんと、日頃と異なる部分をターゲットにして、問題無いことを確認しています。
日頃しない2人乗りで礼子さんに問題が出ていないこと、そしてそもそもバイクに乗り慣れてない椎が問題無いことを確認しています。
これは1時間で確認すべきポイントとして極めて正しい。
バイク乗りはそれをするかもしれない。そう感じます。
というわけで、このシーンに関しては、アニメ版は小説版の文章の意図を正しく理解できずに作られてしまった。
そのために、私は、”これ真面目にバイク乗った人が書いた話か?”と感じたけれど、小説とは内容が異なっていた。
ただし、その差分は、バイク乗りでないと、文章から読み取るのは難しいかもしれないとも思います。
バイクをよく知らない人が読むと“バイク乗りの“の文字に釣られて、車体の話だと考えてしまうのではないかと思います。
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自転車の川落ちにも違和感が。
ここに関しては、元から際どい場面なのに、アニメ化で説明不足で破綻した感じです。
アニメ見ると、凄く無茶な話に見えます。
早く助けないと凍死するという話です。
上で、急坂の登りで崖落ちしないと書いていますが、こちらは登りと違い、下り、或いは平地で川落ちすることはあるかもしれません。
崖落ちは運動エネルギーの影響が大きい。急斜面の登りではアクセル戻せば瞬時に速度が下がる。運動エネルギーが0に近付く。ダートでは倒すとハンドルなどの突起が抵抗になって、止まる。
ところが、平地や下りでは、速度が出やすく、登りと違って勝手に速度が下がらない。
下が固いと止まれずにザザザーーーと滑って落ちることがあります。
凍結しているなら、さらに落ちやすい。
なので、急坂の登りで崖落ちしなくても、平地で油断してると崖落ちすることはあります。
路面凍結だと、”あれ踏んだら、たぶんコケる”とわかっていても、回避不能なことも、よくあります。
これの左右の山谷の関係が逆になると、上から降りてきたときに崖落ちしやすくなります。
画面奥側が上で、そこそこ急な坂です。
この写真の状態だと、上から降りてきて、ここでコケると、山側に当たりますので崖落ちはしませんが、カーブの外側が崖だとけっこう落ちやすい。
自転車だとなるべく速度落としたくないでしょうし、いつも高速で走り抜けるコーナーが凍結していると、崖落ちしたりするのかもしれません。
そして、自力で帰るのが難しくなったりもするかもしれません。
夜の森の中は真っ暗なので、行動不能になってしまうことはあるかもしれないように思います。
だから、まずは知り合いに助けを求める。これは理解しやすい。
崖落ちしたら、やりそうなパターンです。
でも、よほど運が悪くない限り、川にボチャっと落ちたりしません。
だいたい、土手か、河原が広くなっていて、人間は斜面か、河原の端の方で止まります。
”番外-2-2.バイクで雪山登ったりする話(どうでも良い話です)”でいくつか崖落ち動画紹介していますが、ライダーはあんまり怪我してません。
自転車だと事情が異なる部分もあるかもしれませんが、オフロードはコケる可能性がある前提で走ってますし、バイクは落ちてもライダーは無傷なことが多い。
まあ、でも、地形によっては川落ちもあるかもしれません。
崖落ちしても、だいたい元気です。
怪我するにしても、動けないほどの重傷というのは少ないでしょう。
逆に動けないほどのケガだとしたら、さっさと病院に連れて行かなければならない。
不幸に不幸が重なり、自力で平らな川で起き上がれず水に浸かったままなんて状態となると、相当ひどい状況なので、救急車も呼ばないというのは、どんな判断なんだかぜんぜんわかりません。
何よりも、水に浸かった状態で電話かけて救助を待つのは大変だと思うのです。
※ここは原作通りです
川から上がって、助けを待てば、そんなに違和感無いのにな……と思いました。
そんなわけで、実は、崖落ちくらいで救急車呼ばないことはよくあります。
むしろ、その程度で救急車呼んでるところは見たことが無い。
崖落ちくらいで、たいした怪我はしないことが多い。
だいたい落ちるのはバイクだけで、ライダーは崖下まで落ちないことが多い。
バイクも、そんなに酷い壊れ方はしないことが多いと思います。
水没したら、自走できるところまで回復させるのは難しそうですが。
なので、一番の心配事は、”バイクをどうやって回収しようか”です。
救出手伝ってくれる友達が居ないと詰んでしまいます。
業者呼ぶといくらかかるのでしょうか?
けっこう数十mの崖下に落ちてるバイクが翌週には消えていたりします。
どうやって回収しているのかわかりませんが、回収方法はあるようです。
人力でやるなら、3人とロープ数本と、ハンドウインチがあればできるでしょうが、相当時間かかりそうです。
崖落ち車両ですが、人間の体重を遥かに超えるバイクと違い、このアニメの場合は、自転車なので、回収で絶望するほどでは無いでしょうが。
※でも、いきなり全損なのですね
動画にもあるように、崖落ちしてもあんまり怪我しません。
だいたいバイクを放り投げて、ライダーは、バイクと一緒に転がらないことが多い。
私は、崖落ちしても大怪我しないことが多いような気がするので、
”崖落ちして友人の救助待ち。救急車は呼ばない”というのはありそうな気がしますが、
それにも限度はあって、水に浸かったまま自力で上がれない状態で、救急車呼ばないというのはどうかとも思うわけです。非常に危険な状態です。
どうも、元が、水に浸かった状態から、一刻も早く救助するというタイムアタックを書いた場面だったようなのです。水に浸かったまま、自力で起き上がれない状況で器用に電話してきます。
ところが、水から上がった後、バイクで運んだら、ますます凍える。
一番寒くて危険なタイミングがそこなのですが。
寒さのピークが描かれない。
ここで死ぬほど寒がれよ!!と思うわけですが、そこが描かれない。
”早く助けないと凍死してしまう!”という話で、一番冷える部分の寒さが一切描かれないという違和感。
カブで連れて帰る話にするなら、カブが来たから安心になるように話を作らないと、実は助けられた後にピンチの山が訪れるのに何故かスルーされるという妙な現象が発生してしまいます。
自転車で崖落ちして、怖いし痛いし、自転車も走行不能になってしまった時、友達がカブで助けに来てくれれば、十分嬉しい。
それを書けば良い気がするのですが、なぜ、濡れた状態で、カブが来たから安心という話にしたのか?
(他の手段では間に合わない、カブが最短で駆けつけられる状況を書きたかったようですが、アニメ版見ても、その意図が読めませんでした)
フィクションなので、どうであっても構わないのですが、防寒装備揃える話があるわりに、一番寒いタイミングがスルーされる。
冷えて危険だという状況で、一番冷えるタイミングがスルーされる。
これだと、バイク乗らない人が書いた話に見えるのです。
”乗らない人”だと語弊がありますが、一番冷えるタイミングを知らない人が書いたように見える。
※原作の方では、一応、寒さに触れられています。そこがスルーされると気持ち悪い。
アニメではむしろ強調してほしかった。
あの暗い中で、前かごに人を乗せたら、ライトの光が椎さんに当たって目が眩みます。
そして、路面は影になって見えない。そこで困りそうな気がするのですが、そこもスルーされる。
初心者が遭遇するイベントは細かく書かれているのに、山登りで発生する困りごと(基本押しまくりで汗かきまくる)も、寒い時期に濡れてしまったあとの困りごとも、話に織り込まれていないという、些細な問題が細かく描かれる割に、大きな困りごとが描かれないという凄い違和感があるのです。
川落ちは、かなり厳しい場面なので、うまく説明しないと簡単に破綻してしまいます。
小説の方は、濡れた服で走って、それがトドメになる可能性には触れられているのに、
アニメの方は、そこが削られてしまって破綻してる感じです。
寒いと言う話で、一番寒いシーンに一切触れられないという違和感。
表面的なラスボスの後に真のボスが控えていることが見えている場面で、真のボスが出てきて、何事がもなくスルーして歩いて去っていくと、違和感が凄い。
元のweb版小説では、一番寒い条件に耐えられるか?と考えつつも、大丈夫そうだから、その状態で連れ帰るというシーンになっています。
(救急車を呼ばなかったのは、親に心配かけたくなかったからですが、原作でも、自力で水から上がれないのに、助けが来たら元気になるという妙なシーンになっています。元からなんで?と思うシーンがアニメでは違和感が目立ってしまった感じです)
アニメ版は、そこが全く描かれていないので、”いったい何と戦ってたんだ?”状態になります。
寒さと戦う話に見えるのに、カブで救助しに行っても、寒さから解放されない。
むしろ一番寒いのはこれからだ!というときに全く触れないという違和感。
カブが助けに行く! カブがあるから大丈夫という感じに話が作られているのですが、全然大丈夫じゃない。
アニメ版は、所々、なんじゃそりゃ!という違和感のある作品でした。
普段の生活に虚無感を抱えた状態からバイクを買って行動範囲が広がり、人生に変化が起きるという部分に共感できる人には1話はけっこう見やすいと思います。
ただし、その後は、私は違和感が激しく感じる場面が多かったです。
5話はカブの話ではないように見えて、仮に重機道を一気に登れる郵政カブの形をした謎の乗り物が存在すると仮定しても、登りで崖落ちは無いです。
登りで崖落ちするくらいなら、それ以前のチャレンジの帰りの下りで毎回崖落ちするレベルに思えるので、何と戦ってるのかわからない。
そしてお金がかかるのは困ると言っているのに、なぜか教習所の予約をする礼子さん。
ただし、主人公は免許を取るためにバイトをしたと言っているので教習所通う意思はあったのでしょうか? でもお金が足りないと思うのです。
具体的に稼いだ金額と出費が合っていなくても絶対にダメと言うことはありませんが、貧乏少女が頑張る話であれば、無駄な出費は抑える話にした方が良いし、稼ぎと出費は釣り合っていないと変です。
教習所にはいかない方が良かったと思うのですが……
6話の二人乗りで炎上してましたが、個人的には修学旅行をバイクで追う方が違和感大きかったです。
修学旅行をバイクで追うフィクション作品があってもかまわないと思ってます。
リアルに当てはめて考えた場合、修学旅行のバスを追う道中で小熊さんが事故でも起こしていたら、学校も責任を追及されると思うのです。
その時点で飽和してるので、その後の二人乗り程度は、(私は)どうとも思わなかったです。
10話の雪遊びで違和感持つ人も多かったようですが、ジャンプは無理としても、新雪が3cmくらい積もった舗装の駐車場とかだと、チェーン付けたカブでもそこそこ遊べると思います。
カブでは無理っぽいですが、比較的フラットな未舗装の広い場所で5~10cmくらいの新雪が積もっていると、そこそこのオフローダーだとけっこう走れます。
※ジャンプ台があればジャンプできるのでしょうか?
条件としては、下がフラットダートで、新雪が10cm以下のところです。
下が未舗装で、積もっているのが新雪だけであれば、けっこう走れます。
※結局、雪でスタックしても、そのあと下の地面にグリップする
あんな感じの場所でも、新雪10cmくらいだと、バイクによってはけっこう走れます。
(カブが走れるとは思いませんが)
11話の崖落ちは、崖落ちくらいで怪我することはあまり無いけど、水に浸かったまま動けない状態だったら病院行けよ!と思ったり、カブが駆けつけても問題が解決しない場面でも、カブが来たから安心だ!というシーンになっていて、何と戦ってるのかわからなかったです。
最終話では今まで出てこなかった魔の60分が突如発生して、今まで気にしてなかったのに、なんで今、急に気にするんだよ!!という問題が発生します。
このアニメ、「お前ら本当に、いつも何と戦ってるんだか全然わからねぇよ!!!」とツッコミ入れたくなります。
最終話は高評価な人が多いようなのですが、個人的にはイマイチでした。
魔の60分で、2人で車体点検はじめなければ、だいぶ印象変わったのかもしれません。
小説版(書籍版)の方は、高校卒業後まで話が続き、特にスーパーカブが人生に占める割合は高くなさそうな感じであっさり終わります。
親に捨てられてから人生仕切り直しで、大人になっていくわけですが、その最初の心強い相棒がスーパーカブだったというだけで、人生をカブとともに歩んでいくぜ!と言うほど、カブの影響は強くない。
あとがきで作者さんが書いていますが、
小熊さんがこれからどんな人生を選ぶのか考えた時に、作者さんが真っ先に却下したのが
”これからスーパーカブの専門家になり、バイクを仕事にすること”です。
これに関しては、私はこの作品読んでいて、作者がそのように考えているように読めました。
作者さんが、どの時点でそのように考えるようになったのかはわかりませんが、大学の話を書いている頃には漠然と頭の中にイメージがあったのではないでしょうか。
このお話、題名は”スーパーカブ”ですが、主人公の小熊さんの話なのです。
アニメ版は、スーパーカブというバイクに寄りすぎなのです。
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アニメ版、1話は良いです。
アニメ版そのまま見ると、原作とだいぶ違う話に見えるのですが。
2話は、暖機運転、ヘルメットホルダー、ウインカー戻し忘れの話ですが、移動手段が変わると行動範囲が変わることを実感します。
2話のメインは礼子さんと急接近する話なのですが、カブが大好きで郵政カブに金かけまくって改造しまくっているという、かなりの歳のおっさんみたいな趣味の持ち主です。
バイク乗りはじめて1年以下だと思うのですが、その間にそれだけの投資をするというのは大人でもあんまり無いです。せっかく程度の良い郵政カブを手に入れたのに改造してしまうという……
少しずつ改造して長期間乗ってると、いずれあんな感じになるかもしれません。
でも免許取って1年未満の高校生がそんなやつに乗って、かけた金額自慢してるというよくわけがわからない状況になっています。
※さらには5話では、このバイクにエンジンガードも付けずに富士山の重機道を爆走して
クランクケース割るという謎行動に出ます。
この礼子さんの加齢臭テイストは小説版にはあまりありません。
小説版でも改造はされているものの、そこまでの巨額を投資したとは言っておらず、まあ、だいぶ改造はされているような記載はありますが、アニメ版ほど気になりません。
あちこち青いパーツに変えてあるような記載がありますが、女子高生もトラック野郎もデコるの大好きな種族の人が存在しますので、そんなに違和感無いです。
アニメ版の礼子さんは、どう考えても数年はバイクに乗ってそうな感じなのですが、たぶん1年も乗っていないのです。8月生まれなので、夏休み前は1年未満です。
免許取って1年も経ってないような高校生が金かけて改造しまくったバイクに乗ってるのには、凄い違和感を持ちました。長年乗り続けた人みたいな設定になってしまっているのです。
乗り始めてしばらくして、物足りなさを感じて少しずつ改造していくというのはありがちですが、いきなり金かけて改造しまくってます。
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これ、"乗ってるうちに、どんどん部品変えていくという、よくある姿"を想像して、こう感じていたのですが、よく考えたら、車両だけは中学生の頃から持っていて、免許が無くて乗れないから、乗らずに改造してたというパターンも無くは無いのですね。
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主人公はたまたまカブ買っただけで、買ったバイクには愛着を持っているけれど、カブが大好きなわけでは無いのですが、カブ仲間に認定されてしまうという不幸な事故が起こります。
結果的には、「カブを買ったらお友達ができました」状態なのですが、私は2話の礼子さんは気持ち悪いです。
2話の地味な見どころは、1話で省かれた、シャワーと着替えのシーンが少しだけ出るところです。
同じ毎日を繰り返しているのですから1話で省かれた部分を2話で描いても問題無い。
3話は表面的には、カブらしい話で、廃棄カブに付いてる部品を貰う話です。
ところが、主人公の気持ちを追うと、
”ないないの女の子だった主人公が、カブを買ったら世界が広がった。
もう、ないないの女の子ではなくなりました”
……という感じの話になっていて、やけに区切りが良いのです。
ここで見るのを止めておくと、心に良作として残るかもしれません。
4話も悪くありませんが、次話の富士山爆走への導入になっていて、キリが悪くなるので個人的には3話切りがお勧めです。
小説版(書籍版)も全部読みましたが、富士山爆走崖落ちと、川落ち、教習所以外は、そんなに違和感無かったです。
web版から書籍版で礼子さんの設定を変えたのにケアしなかった部分はかなり違和感が。
それと崖落ち川落ちは違和感ありました。
オフロード絡みも妙な感じです。2巻で既に崖落ちしたハンターカブを引き上げた経験有ることが書かれていますし、良く知ってるはずなのです。
オフローダーにとって、崖落ちは比較的よくありますが、少々落ちても回収できるし、壊れるのはレバーやら操作系、電装部品(ウインカー等)で、心臓部はあんまり壊れないのです。
ライダーも、大した怪我はしないことがほとんどです。
(先にライダーが下りてしまう。ライダーが乗ったまま超えられない場所では、バイクを投げる(ライダーが先に降りて、バイクだけが惰性で超える。2ストの時はかなり有効でした。4スト車は手を離すとエンブレで急減速するので、ギリギリまでハンドル握っていなければいけません))
崖落ちした人を分母、大けがした人を分子とすると、分母はけっこう大きくて、分子は少ないのです。ライダーはほぼ無傷で、バイクの回収に手間取ります。
昔は通りがかりのライダーに手伝ってもらえば済んだのですが、今は、ほとんどすれ違うことは無いですからね。
※ライダー同士は、明日は我が身なので、高確率で手伝ってくれました。
四輪の方に頼むのは申し訳ない。
オフローダーは、たまに落ちること知ってるので、滑車とロープ、装備している例が多いのは紹介動画見てもらえば理解できるかと思います。
私は体力無いし、1人では嵌るとどうにもならないので、登れないかもしれない場所を下るときはウィンチ装備で行きます。
”ウィンチ持って無きゃ安心して入れないような場所に入るなよ!”と言うのも尤もな意見ではありますが、嵌って他人に迷惑かけるよりはマシだと思うのです。