表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/62

1日警備隊長

昨日の話し合いからアカリのやる気が天元突破してるようだ。


何やら前世であった芸能人の一日警察署長的なことを交渉している。

アカリ一日警備隊長の出来上がりだ。


なんの悪ふざけだと聞きたい人もいるだろうがいたって真面目だ。

なんかの本で見たのか観劇に影響を受けたのか?

まぁよくはわからんがはたから見たら子供のお遊びにしか見えない捜査が行われるようだ。


領主様と本来の隊長さんはいい目くらましになると苦笑いをしていたのが物語っている。

これはやはりふざけてるようにしか見えないのだと。




朝食を食べ終わりアカリに従いながら捜査を開始するために領主邸の玄関に集合する。

アカリ以外のメンバーでやる気満々なのはサキぐらいか?

あとは一晩寝て冷静になったのかなんとなく昨日よりもテンションが低い。

俺の記憶では犯人探しというよりも魔物を退治していく方が領主様のためになるような気がするんだが犯人探しをしたいアカリは聞き入れてくれない。


「はぁ。」


まぁ気がすむようにすればいいか。

俺は領主様に申し訳なさいっぱいに今日の成果を期待しないように目配せする。

領主様の方もなんとなくそれを察したのかゆっくりと目をつぶりため息をついている。

期待させた分落胆も大きいのだろうか。

アカリの雰囲気に何も言えない俺たちは若干呆れながら聞き込みを始めることにした。


みんなでぞろぞろいくのは効率が悪いのだが「団体行動が大事なの。」と言うので渋々付き合う。

初めは街の中にいる人たちから聞いて回るのだが一般の方に聞いても特に有力な情報など得られるわけもなく「怪しい魔物を飼っている人は見なかったの。」「最近引っ越してきた人で怪しい人は見なかったの」とか聞いて回る。

どう見ても聞いて回っている俺たちの方が怪しいのだが、まだ見た目が子供の俺たちは街の人からは何かのごっこ遊びだと思われているようで「うちの近所にそれは大きな猫が!あれは魔物じゃないかと思うな。」「最近長屋に越してきた男女が怪しいのよ。多分あれは駆け落ちね!!」とかどうでもいいような話しか聞くことができない。

ただアカリとサキはこの話も怪しく感じるようで「猫を探すの!」「おー!」と言って探して普通に大きな猫でがっかりしたり、「駆け落ち夫婦と見せかけたスパイなの!」「調査ら!」と言って調べた挙句駆け落ち夫婦のご両親が見つかって修羅場を迎えるなどただただ迷惑をかけるということが多い。


もうすぐ夕方になるという時間まで街中を走り回ったが街の中をいくら探しても魔物を放っているのは街の外なのだから拠点も外の方が多いはずなんだが聞き入れてくれない。

アカリいわく外にいると思わせて中にいるのが悪党なんだとか。

一瞬「おぉ、なるほど」と思ってしまったがちょっと意味がわからん。どこの漫画だよ!

とりあえず城門にいる衛兵さんにも聞き込みをしてみるとアカリが一日隊長をしていることを伝えられていたようで今日の魔物退治情報を教えてくれた。

昨日のこともあったので壁の周りの警邏を綿密に行っていたところ今日は昨日に引き続き二箇所の拠点を潰したそうだ。

やっぱり外じゃん!!といいかけたがなんとか口に出さずにとどまる俺。

その拠点にいたものから尋問により他の拠点について聞いて見たが知らないの一点張り。まぁ下っ端なんだからそういうこともあるだろうと思いつつどこの出身の冒険者かを調べてみると領主様が嫌がらせの心当たりのあるという量の出身者であるか、つい最近までその領を拠点として活動していた冒険者であることがわかった。

もう真っ黒。アホなの?といいたいがこれぐらいの証拠ではどうにもできないそうだ。もっと決定的なものを見つけることができないとね。


ということで俺たちの聞き込み虚しくやはり外に拠点があって街の中は特に見つかることもなく…

ある可能性もないわけではないが見つかるヘマはしないだろう。捕まえた冒険者たちも街の中に止まってはいたが外で生活しているものの食料は街で買ったものでもなさそうだったので補給隊がいたのだろう。補給してくるものの生産地がよくわからないのでどうにもできない。

領主邸に帰り今日の捜査というかおふざけというかを報告してから個人的に謝罪をして明日の帰り支度をする。

アカリは普段冷静で賢い子なんだが時折変なスイッチが入るのはなんなんだろうか??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ