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害獣駆除

魔物をどうやって捕まえて飼いならした(?)かわからないがまずは冒険者どもを捕まえて魔物を駆除しないと街の壁に穴が開く。地裁穴だが密輸とか余裕でできてしまうようになってはいけない。

こんなに多く穴開けたらすぐバレそうだけど頭悪そうだから考えてないんだろう。


冒険者の方を見に言ったマフユとは別行動で離れたところから尾行する。二重尾行?っていうのかな。

さすがにこいつらだけでこんなことをしているはずはないので黒幕を見つけないといけないからな。

ただ魔物も放っておくことができないのでサキとイクミに領主様のところに報告に行ってもらっている。

多分衛兵とか冒険者を使って駆除すんだろ?


尾行すること約2時間やっと冒険者の隠れ家?についた。小汚い急ごしらえの山小屋のようだ。

街の近くの森を入ってどんどん薄暗い未開地に入っていくのでマフユが木に道しるべを残してくれていなかったら迷っていたところだ。

まぁその道しるべがイラっとくるんだがな!!

「こっちだよ!!→」「迷った?迷ったでしょ?→」「うわ〜気配隠すの下手くそで〜→」

「お腹すいた(;o;)→」「この辺高い薬草多いよね!→」

イラっとくるよね?イライラするの俺だけじゃないよね??

道を間違いそうになったら矢が飛んできて矢に手紙を結んでるんだけど、それも「あっは〜迷子で〜道間違ってる〜(わら」とか書いてるんだぜ!

クッソ腹たつ!!あいつなんで尾行中にこんだけ腹たつこと言うんだろうか?

気配殺してる分こっちで発散してんのか?もう俺のストレスマッハだよ!!


隠れ家を見張れそうな場所に着くと頬をツンツンと突かれる。

小学生か!年齢的には小学生だったか。一瞬大声をあげそうになるが無理やり抑え込む。


「マフユ、お前な。」

「はっは〜♪私のお手柄なんだけどな〜♪」

「ぐぬぬぬぬ……」


解せぬ!


「中の様子は見られなの?」

「アカリは素直だな〜♪むっくんとは大違いだ♪中はね見れなかったけど人の気配は5人くらいかな〜」

「マフ「じゃあ昨日いなかった人もいるわけだ。」」

「ちょ「そうそう〜♪」」

「俺は「とっとと捕まえて帰るの!」」


俺を無視して話を進めている女性陣。

なに?無視されるのって一番辛いいじめだと思います。

地面にのの字を書きながらいじけているとアカリが俺ので中をトントンと叩く。


「そろそろ突入なの。」

「お、おぅ…」


小屋の近くの茂みに隠れて様子を見る。

そろそろ夕方かお腹減ったな。

ギーッと音を立てて扉が開く。中からは小汚い冒険者3人が出てくる。中にいる人に何か声をかけてから出てくる。

あっちの3人はサツキが捕まえる。昨日の感じからして一人で十分ということらしい。中にはどんな強さの人がいるかわからん上に魔物がいるのは氣で感知している。

氣と魔力の感じからして一人はそこそこ強そうな感じなのだが、もう一人はよくわからん。

3人が離れて行くのを横目に見つつ中に突入する機会を伺う。

5分ほどしたらサツキが戻ってきた。もう捕まえて木に縛ってきたらしい。はえーよ!

まぁ戦力が増えたならいいのか。

そこからまた4分ほどすると中から物音が聞こえてきた。

「キューキュー」

「チューチュー」

「チーチー」

多分ホーンラットだろう。餌の時間か?

いつのまにかマフユがドアのすぐそばに忍び寄っていた。手で何か合図している。

俺聞いてないんだけど……


両手の親指を組んでパタパタと蝶々のように羽ばたかせたかと思うと鼻の横にヒゲのように指を3本持っていき口をパクパクさせている。

なにあれ?なんの合図?

アカリに目を向けるとコクコク頷いてる。え?なに?あれなに?

今度はサツキに目を向ける。

「あれは意味ないから。」

あーもうまた遊びやがって!!イライラマッハだよ!!

まー腹たつな!!


今度は指を日本ひらひらとさせてから扉をさす。

人差し指を立ててアカリを指差すと今度は指を4本立てて扉をさす。

また遊んでんのか?


こちらにピースしたかと思うとアカリとサツキが茂みから小屋に向けて猛スピードで飛び出していった。

え?なに?あれは意味のあるサインだったの?

あいつのサインっていつもコロコロ変わるからわからんのよ!!

二人が飛び出した後を追って俺も走る。


バタン!!


勢いよく小屋の中に入ると小屋の中にいる二人がギョッとした顔でこちらを見ている。

一人は淡黄色のぬのを胸に巻いてる女性。あれは服じゃない本当に巻いてるだけにしか見えないバインバインだな。

一人は小汚い薄茶色の服にボロボロのズボンを履いた男性。魔物に餌をやってるようだ。

女性の方が強そうで男性の方が特になにも感じない。ただただ薄気味悪い。

女性はとっさに腰に差している短剣を抜くと同時にアカリに手刀で手首を叩かれて短剣を落とす。

落とした短剣にまた驚きながらもアカリの顎を狙って膝蹴りをかまそうとして簡単に避けられている。

アカリは最小限の動きで女性の蹴りを避けると脇腹を刀の柄で突く。

女性は苦悶の表情を見せるが意識はまだある。アカリのこれまた顎を狙って肘鉄を喰らわせようとするがまた避ける。アカリは女性の胸に巻いてる布を掴むと思いっきり壁に向けて放り投げる。

壁に勢いよくぶつかった女性は気絶したようだ。アカリは手に持った布と女性を交互に見てから顔を真っ赤に染めていた。


男性の方はサツキが顔面をグーパン一発してのしてしまっている。餌を食べていたホーンラットはマフユが短剣で首を割いて息の根を止めている。俺が小屋の中に入った時にはすでに仕事はなかった。

うん。知ってた。


小屋の中にいたホーンラットは全部で105匹。100匹が生まれたばかりの子供で4匹がメスの生体、1匹がオスの生体だった。ここで繁殖させながら城壁を食い破るつもりだったんだろう。全ての魔物を処分して小屋の中にあるものを全てカバンに入れると上半身裸の女性に敗れた布を巻き直してから街に連れて行くことにした。

途中捕まえた冒険者を忘れて帰りそうになって戻ってみるとグリーンオーストというダチョウの魔物に足をかじられているところだった。突っつかれるんじゃなくてかじられてる。

へーあのダチョウの魔物ってガジガジ噛むんだな。


片足が血だらけになっているが今回復魔法を使える奴はいない。

魔法薬なんてこんな悪党に使いたくない。

鍼灸ではこういった外傷を治すことはできない。出血を抑えることはできるけど……布で縛った方が早いだろ。

ということで足の付け根をいらない布(さっき小屋の中で敗れた女性の服、というか布の切れ端)を巻いて止血した。

あの布結構長かったんだよね。さらしかな?まあいいけど今ではほとんど隠れていないから目に毒?保養?な格好をしている女性はサツキが運んでいる。

アカリが戦える状態であれば特に問題ないからね。

俺はこの冒険者崩れを二人担いでマフユが残りを担いで街に戻る。


街の城壁が見えたところで城壁周辺が賑やかになっていた。

どうやらホーンラット退治をしているようだ。

俺たちが近づいて行くとサキとイクミがこっちに気づいたようで大きな声をあげながら近づいてきた。


「オーーーーーイ!もう終わったら?こっちは害獣駆除は終わったけどみんななんかやってるよーー」

「……補修するみたい。」

「なにそれなにそれ!!なんでその人おっぱい丸出しなの??」


サキはアホだな。大声で「おっぱい」って羞恥心ってないのだろうか?

こいつの頭の中一回見て見たいよ。

適当に返事しながら森の中でのことを簡単に説明して街の門まで歩いて行く。

門の前には衛兵とは違う鎧を着た集団がいた。


「これは済まない。本来は我々の仕事だというのに。」


鎧集団の中で人きは大きな図体のおじさんが話しかけてくる。


「あぁすまない。私はここの警備隊隊長のロウだ。最近ホーンラットの出没が多くて元凶がいることはわかっていたんだがなにぶんホーンラットは繁殖力が異常だ。駆除のためにあちこち派兵していたんだが……」


なるほどまず害獣駆除して元凶捕まえるのに人を割けなかったんだな。


「まぁこの魔物の生息地を考えると誰がこんなことをしたのかは予測がつく。」


苦虫をかみしめたような顔をする隊長さん。

予想ついてんなたさっさと捕まえればいいのに。


「まぁその話は後でいい。まずはこいつらを事情聴取して証拠をあげる。預かってもいいかね?」

「はい。あ!一人魔物に足をかじられているんですがどうしましょう?治すべきですか?一様止血しているので命に別条はないんですが。」

「ん?あぁ…最低限の手当てはしてあるな。うん。これなら問題ない。下手に治療して暴れられると危なかっただろうしな。こちらで治療しておこう。貴公らにも話を聞きたいのだがいいかな?」

「はい。なにがあったかお話しします。」


そういうと隊長に連れられて街の中の詰所へと向かう。

事情聴取は30分程度で終わった。さっきの口ぶりからして誰が黒幕か予想しているようだし証拠品の引き取りと小屋の場所ぐらいで終わりだ。なんかあっさりしすぎで怪しい気もしたが詮索しても仕方ない。

ギルドで今日の依頼の完了を受付してから領主邸に戻ることにした。

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