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直接灸と間接灸

手作りのお灸の乾燥を待っている間に直接灸をする時用の道具を作ることにした。

そのまますると灸痕きゅうこんつまり灸の跡がやけどみたいに残ってしまうことがあるのだ。


というわけで残らないようにするには間に緩衝となる灸点液や灸点紙と言ってものを使うことで痕を残りにくくし、熱さも和らげることができる。鍼灸師によってはやけどしないと意味がないようなことをいうものがいるが、俺はそんな香とないと思っている。

この世界で灸点紙を作るのは難しいと思うので今回は灸点液を作る。

この液体はビワの葉を煮詰めることでできるのでビワの葉の確保から始めなくてはいけないのだが、薬の材料の中にビワの葉があるので母さんから数枚分けてもらった。

これと水を錬丹術で合わせていいくとあっさりと完成だ。


ついでに灰皿を作ることにした。その辺にある砂からガラスになりそうな綺麗なものを集めて作った。

一様耐熱仕様にしてるつもり。

艾を作り始めて10日が経つ。以外と乾燥に時間がかかったのが痛い。

今日は錬丹術製と手作りの艾の燃え方を確認する。火を使うので今日はアカリと一緒ではない。もし火傷でもしたらとんでもないからな!!


まず直接灸から試してみよう。

皮膚に灸点液を一滴垂らして錬丹術製の上質艾を米粒ほどの大きさに捻っておく。

線香の火を近づけると先端から赤く燃えて煙が立つ。

あぁ懐かしい艾の香りがする。灸点液で少しもぐさが湿っているので八分ほどのところで自然に消える。8分灸と呼ばれる直接灸の中では比較的多く使われている手技でもある。じんわりと感じる熱とチカッと鋭い一瞬の刺激。

うん!これは前世のものとほとんど変わりない。

体質とかによって感じ方は変わるがこの感覚は効いてるって木がするよなぁ。

次に手作りの上質艾を先ほどと同様の工程で試す。

線香で火をつけ半分ほど燃えた。


「アツッ!!」


思わず手で払いのける。

これダメだ。熱すぎる!!見た目は変わらないのになぜかめちゃくちゃ熱い。

まだヒリヒリしてる。ちょっと水ぶくれができてる。もう熱いとかじゃなくジクジク痛む。

これは使い物にならないな。あとで錬丹術で精製し直しだ。

国試の勉強が役に立ったと思ったのに……

あぁもう痛い!!



ここは気をとりなおして間接灸だ!!

箱の中に錬丹術荒艾を入れてお腹の上に置く。

あったかいなぁ〜でも夏場にこれは暑い。めっちゃ汗出る!!これはヤベェもう真夏にこれはダメだ。

前世では冷暖房が発展してたから問題なくできたがこっちでは無理だ!!

第一夏場の冷え性もほとんどなさそうだし夏場にすることってなさそうだよな??


手作りの方も試さないと………あ〜もう全部錬丹術艾にしてしまうか。

それがいいな!!面倒事も少ないし、何より早く作れて品質も安定するからな!!

うん!これは決して暑すぎて面倒になったとかではなく、のぼせたわけでもない。

効率を考えた結果こうなったのだ!!

そう!!そういうことにしておこう。


察してくれ、空気読もうぜ!!行間読もうぜ!!


これで鍼灸治療をする上で最低限必要なものは揃ってきているんじゃないか??

体に刺す鍼はまだ錬丹術を鍛えてからでもいいし、アルコールの消毒液も錬丹術で作れる。

よし!あとはこれを治療できるまでに手の感覚を戻していくことだ。鍼の方は感覚を取り戻してきたから、艾を一定の間隔で捻るのを練習していけば治療ができるぞ!!

今夜にでも両親に話すとしよう!!


食後に鍼灸術について道具と治療について説明をしてみた。

父さんも母さんも親身に聞いてくれた。どんな道具を使いどういう施術をする。体質や体調、病気についての説明も加えたのだが実際に今できるのは鍉鍼での疲労回復だけなので治療のことに関してはできてから言いなさいと注意されてしまった。


鍼灸術で今できる範囲の疲労回復については治療魔術には疲労に対する回復はなく、回復薬には存在するがそれは戦闘中の一時しのぎの目的で使われるもので、一時間程度で効果が切れる代物ということもあり日常では使われることはあまりない。需要はあるかもしれないと教えてくれたのだが、利用する人はほとんどいないということだ。

仕事で疲れたぐらいで回復してもらおうと思う人はこの世界にはまだいない。疲労回復をしてもらいたいと思うのは冒険者くらいなのだが、そのために金を払ってまで施術を受けるという人はランクの高い冒険者だけだろうということだ。それは理解できる。鍼灸のような疲労回復をさせる仕事自体がないので習慣があるはずもないのだ。

疲労を取るだけでも仕事効率は上がるのだが、習慣がないとわからないし伝えても信じてもらえるかもわからない。

今できることは疲労回復だけな上にまだ子供なので仕方ない。

将来仕事に使えるかどうか…まだまだ練習が必要なのだ。


治療に使えるだけの技術をこれから鍛え直して行くしかない。

手の大きさが違うとなんか狂うんだ。スキルで氣の感じ方も違うのが未だに扱いきれていないようにも思う。


あとは刺す方の鍼を作ろう。

細さと鍼先の形、鍼の柔軟を調整できるように錬丹術を鍛えよう。

固有スキルはなぜかレベルが書いていないので技術がどれだけ上がったのか目安がわからん。

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