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お勉強

さて、昨日の癒しで今日も寝起きはバッチリ!!

魔法の勉強だ!


両親が今日のために買ってきてくれた魔法を使うに当たって誰しもが一度は読む、ウェン・アルステッド著『無詠唱魔法を極めし賢者の書』というアホな中学生が書いたような初心者用教材から一部抜粋。


・魔力

魔力とは火・風・土・水・雷・聖・闇の7つの属性があり、それぞれの属性は顕現する前の力の塊の状態で世界を漂っている。その魔力とは単体では世界に顕現することができないために生物や物に宿る。

生物に宿れば生物の意思により魔力から魔法という形に構築され顕現することができる。生物に宿る際には属性との親和性が必要、魔力量は修行・成長により多くはなるが新たに他の属性魔力を受け入れることはできない。

意思のないものに宿ればそのものの許容限界まで溜まった時に自然現象として現れる。

ごく稀に魔力の塊が意思を持ち精霊となる。


・魔法

生物が体内の魔力を操作することで起こる現象。大気中の魔力を直接魔法にはできないが体に一度取り込むことで魔法とすることができる。ただし大気中の魔力は不安定で体への負担が大きいので魔力が安定している魔石を使うといいだろう。

イメージによって形や質量などを変動させることができる。従来の詠唱よって使う魔法はこれから使う魔法のイメージを固めやすくするためにあるだけに過ぎない。ただ、とっさの時や仲間との連携をするものはある程度の詠唱がある方が魔法を構築しやすく、発動までの速度が速い。でも私は無詠唱を使いますよ。腕が違う。


・基礎魔法

『ライト』

身体の内にある魔力を一つの塊として操作し体の外へと放出することで発光する魔力が飛び出る。これを大気中に分散する前に一つにまとめることで『ライト』という魔法となる。各属性により色が異なり、ダブル以上のものだと複数の色の『ライト』を扱うことができる。明かりとりとしては有用であるため魔力を持つものは皆習得する。

光る色の違いで情報を伝達しようとした木偶がいたがすぐ始末してやった、明かりとり以外の活用法などない。


『ショック』

『ライト』の行程の後、一気に魔力を解き放つことで魔力の波により衝撃波を生み出す。威力は込める魔力量によって異なり、方向性をつけ一点に集中させると当たりどころが悪ければ骨折することもある。

発光しているために時間が経てば経つほど威力は弱まる。基礎を卒業すれば用途のない魔法だと言える。


『エンチャント』

魔力を圧縮して放出することで属性に対応する現象が一瞬現れる。大気中では一瞬だが、媒体となるものに魔力を込めながら圧縮し魔力を属性に変えることで長時間持続可能。ゆえに剣や槍に込めて戦う者が現れるようになり、魔法とも呼べなかった属性変化訓練もいつしか『エンチャント』と呼ばれるようになった。私に言わせればイメージ力が足りないものの使う姑息な手段といえよう。



この本によると基礎魔法はこの三つだそうだ。

著者の余計な言葉が邪魔でしょうがなかった。絶対頭が悪いと思うのは俺だけか??


そして本の最後に書かれていた一文『魔石を使えば魔力を持っていなくても魔法を使うことができる。もともと魔力のない私が無詠唱魔法を極めたのがその証だ。希望を持って私の背中を追うが良い。』

…………ちょっと待て、話が違う。

この一文を両親に問い詰めたところ、魔力がなくても『魔力感知』を持って生まれてくる子供が結構いるらしい。

魔力を感知さえできれば操作方法を習得し、魔石から魔力を引き出して使うことができるのだという。

ちょ!待てい!!

てことは魔力がなくても初級以上の魔法を使えるやつがいるわけか!!!

俺は『鍼灸術』のせいで基礎しか使えないのに??なにその不条理!?


「魔石あれば使えるとか聞いてない。」


鼻息を荒げながら叫ぶと父さんが諭す。

「魔石はダンジョンがあるから今ではたくさん取れるが、中級以上の魔法を使えるほどの魔力を持た魔石は少ないんだ。」

母さんがその言葉に続く

「そうよ練習するためにポンポン買えるようなものではないの。冒険者になって自分の手で定期的に取れるようになった人は別として、魔力のない人が魔石を使うのは基礎魔法だけなの。」


てことは俺って魔石購入費が節約できるだけなんじゃね?

だからどの家からも『ライト』の魔法の光があるわけだ。クッソ〜〜〜!!!!

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