表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンゴ太郎外伝  作者: oyj
2/3

最後の危険(前編)

昔々、世界は鬼・魔王・悪魔などによって、幾度も支配されていました。

しかしその度に勇者が現れ、世界は救われてきたのでした。

あれから数年・・・再び物語が、幕を開けます。



この平和な世界で、今一人の少年が旅をしていました。

少年の名は、チン太郎。

名前は下ネタですが、強大な力を生まれ持った者でした。

チン太郎は昔から英雄に憧れ、今度世界に悪者が現れた時は、必ず自分が倒してやろうと考えていました。


しかし彼は歪んだ心を持っていました。

「この世界は平和すぎる・・・だが必ず悪者はいるはずだ!そうだ、向こうから現れないならば、こちらから滅しに行ってやる!」

そして彼は世界の悪を探して、旅をしてきたのでした。



邪悪の根源、大悪魔ヘルハザード。

かつてそれを封じ込め、今なお封じ続ける冥界門の冷凍ウンコ。

チン太郎はそこに悪の臭いを嗅ぎ付け、やって来ました。

空中要塞ONIGASHIMAと、飛空挺ビュンビュン丸の墜落地です。


「これが伝説の巨大ウンコか・・・」

チン太郎は巨大ウンコに触れようとしましたが、ある男に呼び止められました。

「おいてめぇ!そこで何してやがる?」

ある男は、巨大ウンコを冷凍した張本人。

かつて世界を救った勇者の一人、絶影そのものでした。


「てめー怪しい奴だな?ここはな、一般人は立ち入り禁止の危ねぇ所なんだよ。帰れ小僧」

口の悪い絶影は、チン太郎の気を悪くしてしまいました。

「・・・俺が、一般人?フン、俺は世界一強い。英雄になる男だ!少々年上だからって、偉そうにするなよなッ」

チン太郎の態度もまた、絶影の気を悪くしたのでした。

「クソ小僧(ガキ)が・・・調子に乗りやがって」

絶影は両手に氷の刃を作り、チン太郎もまた構えました。

そこに、大きな地震が起こりました。


「うおっ」

臨戦態勢を解いた二人の前に、黒く大きな炎がありました。

「何だ・・・これは?」

混乱するチン太郎に語りかけるように、絶影は言いました。

「ヘルハザード・・・」

「え?」

黒い炎は、ヘルハザードの最終形態に瓜二つでした。


「俺はかつてこいつを封じ込め、そしてそれが復活しないように定期的に見張りに来てたんだ・・・今日もそうだった」

「で、遂にそいつが復活したって訳か?ははは、面白い。安心しろよ!この俺様がぶっ倒してやる!」

チン太郎は再び構えました。


「バカ、やめろ!」

絶影の叫びも虚しく、チン太郎は突進していきました。

「オラァッ!」

チン太郎の右拳は黒い炎に命中しましたが、ダメージを与える事はありませんでした。

それどころか彼の右腕は、黒い炎に取り込まれていくようでした。

「う、うわああっ」


「『氷機関銃(キンタマシンガン)』!」

絶影は氷の玉を乱射し、チン太郎を黒い炎から押し出しました。

「こいつ、本当にヘルハザードなのか?」

黒い炎に意志はなさそうですが、近付くものは取り込んで破壊するようでした。

「クッ・・・畜生!」

チン太郎の右腕は傷だらけになっていました。

彼のプライドもまた、傷が付いてしまいました。


「おい小僧、てめーはどいてな」

絶影は両手を前に出し、大暴威(ビッグボーイ)を繰り出しました。

黒い炎は突風を受け、ゆっくりと動き出しました。

「やっ、やべぇ!あいつがヘルハザードかはわからんが、力は同等だ!世界に放つ訳にはいかん」

絶影は次々と技を繰り出します。

「『暴鬼(ボッキ)』!『絶輪(ゼツリン)』!『金玉(キンキンボール)』!」

しかし氷の柱も効かず、氷の輪でも抑えられず、氷の玉もまた消滅しました。


「ウラァッ!」

チン太郎も左拳を突き出しましたが、また黒い炎に取り込まれかけました。

「小僧、こいつはやべー・・・まさに世界の最後の危険、『ラストハザード』ってとこだな」

絶影は己のネーミングセンスに少し酔い、決断しました。

「小僧、もうこれしかねぇ!『冷凍糞(ブリブリザード)』!」

絶影は最大限の力で黒い炎・ラストハザードを凍らせます。

「くっ・・・駄目か!おい小僧!」

「な、何だ?」

「俺はしばらくこいつを抑える!お前は桃太郎って奴を探して、この現状を伝えるんだ!」

絶影に従いたくはなくとも、チン太郎はもうわかっていました。

絶影が己の数倍の力を持っている事、それでもラストハザードには敵わない事。

もうこれしか、世界を救う方法は無いという事も。

「・・・わかった!」

チン太郎は、走り出しました。


「うおおおーっ!」

絶影は限界を超えた力で、何とかラストハザードの動きを止めました。

「信じてるぜ・・・桃太郎・・・」

そして彼自身も、凍り付いてしまったのでした・・・


黒い炎、後にラストハザードと呼ばれたそれは動けなくなりましたが、小さな炎を幾つも吐き出しました。

そしてそれらは、世界各地に向けて飛んで行きました。

チン太郎はそれを見て、一番大きな炎が向かう先に走り出しました。

理由は特にありません。何となくです。



その後世界各地で、炎の雨・ラストハザードによる被害が相次ぎました。

しかし金太郎、浦島太郎などの勇者達によって、被害は何とか抑えられていました。


かつての動物村は、ヨーゼフが王となって国として、復興していました。

ですがここ動物王国にも、ラストハザードは降り注ぎました。

動物の戦士達は襲い来る炎達を必死に防ぎますが、防ぎきれません。

「おぉ、神よ・・・」

ヨーゼフ王は破滅を覚悟しましたが、そこに一台の高級車がやって来ました。


「ヨーゼフ!」

下品な面、下品な声、そして下品な臭い。

それはまさにかつての勇者の一人、馬鹿馬ランディでした!

「おいおいオイラの紹介だけひどいんじゃーないかなっ!」


「あなたはスポポビッチ王子!」

「おいおい、だからオイラは王子じゃねーってよ!」

今や世界一の作家となったランディですが、もう正義の心を忘れてはいませんでした。

「このくらいの攻撃なら・・・ふんっ!」

ランディは巨大ウンコをひねり出し、ついでに尿までかけたブレンド物を作り上げました。

「はぁっ!『玄武ハリケーン』!」

そして砂嵐を巻き起こし、それによって飛ばされたブレンドウンコは、全ての炎を消し去りました。


「おぉ、さすがは王子・・・」

ヨーゼフは涙を流して喜びました。

「良いって事よ!」

ランディの文字通りの馬鹿面が、ますますブサイクな馬鹿面になりました。

動物王国の戦士達も、次々とランディに感謝しました。

「ありがとうございました(臭かった〜)!」

「さすがは王子、いえランディ殿です(ブッサイク〜)!」

「調子に乗るなよ家畜の分際で(ランディ万歳)!」

一人本音と建前が逆の者がいました。


「しかし・・・これは何か臭うな」

「失礼ですが、王子のブレンドウンコのせいでは?」

「違う!そーじゃなくて、ラストハザードはこれで終わりじゃない気がするんだ」

「な、なるほど」

「炎、か・・・冥界門に行ってみよう。おっとその前に、アイツの所に行かなきゃな」


こうしてランディは、ある男のもとへと急ぎました。

「王子、お気を付けて!」

「ああ、またな!」



さてさて世界はどうなってしまうのでしょうか・・・

それにしても最後の物語は、真面目すぎてつまらない!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ