予知能力者の里 01
シヴァがチェックインを済ませた後、一行は改めて駅へと足をむけた。
山からなだらかにのびる平野部の真ん中に、街は開けていた。冬の始まりで、どこまでも寒々しい白い光に覆われている。
ぷぁん、と天蓋に響き渡る電鉄の警笛、そして、地を揺るがすようなレールの音が近づいてきた。
天気のせいか、妙に響く。
「電鉄だよ、今から乗る」
サンライズはふり向いてボビーとシヴァに言った(結局、シヴァも付き合うことになった)。
「先に調査地を見に行こうと思う」
かっちりしたグレイのスーツに固められたボビーは、不服そうに口をとがらせたが黙って後からついていった。
三人は、JR駅から繋がった電鉄の乗り場へと向かう。小さな踏切を渡り、向こう側に改札とホームがあった。
「どこまで乗るの」
「塩田町、ここから十駅目」
三人分の切符をまとめて買いながら、サンライズは時刻表を確かめていた。
「次の十五分発に乗れるな」
小さな、横並びの座席がついた車両だった。他に乗客はほとんどいない。同じ車両には、近所のおばちゃんらしい二人が端のほうに陣取り、かしましくおしゃべりしていた。彼らの方をちらっとみて、変わった取り合わせだと思ったらしいが、その後は自分たちの話題で大いに盛り上がっていた。
少し余裕ができたので、彼は、シヴァにも簡単に今回の任務を説明した。