第4章 A80スープラ面野井右京登場
2JZGTEツインターボの音とともにA80スープラか鬼ケ窪モータースの駐車場に入って来た。面野井右京、筑波大3年生だ。やはり、親は両親とも会社経営者だった。ボンボンである。高い車を所有し、親の金で車を改造し、バイトでガス代をかせいでいた。ガンメタの渋いスープラであちらこちら手を加えてあってノーマルな部分はほとんどないといって良い車だ鬼ケ窪社長の太い上客だ。気が小さくビビリな所があり、彼にはスープラは合わないと鬼ケ窪社長は常に思っていた。宝の持腐れとも言いはなっていたくらいだった。「いらっしゃいませ。点検とオイル交換だな!」社長は右京の顔を見た。「はい。宜しくお願い致します。」右京は社長の顔を見て微笑んだ。「おものい君、今、あるレースの話があってな、元旦オールグリーンレースだ。後1台参加枠があるんだが走ってみっか?アクセルベタ踏み出来るか?」社長は右京の目を見つめた。「8年前死人が出たレースですよね。僕なんかでいいんですか?良ければ是非参加させてください。」右京は社長の目を見つめた。「走るか!頼んだ。メンツは後で紹介する、明日この時間にこられるか?全員揃えておくから。これで4人決まった。」社長は右京の目を見つめて微笑んだ。鬼ケ窪社長は3人に電話をかけ明日、10時に鬼ケ窪モータースに集合をかけた。全員オッケーだった。警察に電話をし、大角豆明刑事と田水山翔交通課警部補にアポを取って明日11時に伺うとだけ言って電話を切った。「社長、A80点検オイル交換終了しました。」従業員が社長に鍵を手渡した。それを面野井右京に返した。「おまたせしました。有り難うございました。」社長は右京の背中に声をかけた。右京が車に乗り込むと一発でエンジンがかかり柿本改のマフラーから爆音が鳴り響いた。バックファイヤーがパンパンと2回破裂した。スープラは駐車場を出て行った。