第1章 走り屋集結 NSXの天宝喜琢磨登場
今回は、つくば市の地名でなかなか読めない地名を主人公達に使いましたので興味のある方はネット等でお調べください。この作品はフィクションです。
天宝喜【あまぼうき】、大白硲【おおじらはざま】鬼ケ窪【おにがくぼ】手子生【てごまる】大角豆【ささぎ】面野井【おものい】上ノ室【うえのむろ】田水山【たみやま】谷田部【やたべ】天久保【あまくぼ】上萱丸【かみかやまる】流星台【りゅうせいだい】長高野【おさごうや】九万坪【きゅうまんつぼ】等
カーショップ鬼ケ窪、この辺では有名なカーチューニングショップである。走り屋の聖地といっても過言ではない。社長の鬼ケ窪豊は元、暴走族リーダーで3桁の隊員猛者を束ねていた。茨城県内の暴走族に顔が聞く良い兄貴分だった。エンジンチェーンの腕はピカイチで走り屋からの信頼も熱かった。そこに通うのが天宝喜琢磨愛車NSXタイプSを操る猛者である。大白硲亜久里愛車RX7FD3s、手子生樹潤愛車34GTR、面野井右京愛車A80スープラだ。琢磨はNSXタイプSの整備点検にカーショップ鬼ケ窪に来ていた。「社長、兄貴が死んでから8年が経ちます。来年はうるう年です。元旦に8年ぶりに走りませんか?」琢磨は社長にレースを持ちかけた。「悟が死んでから8年経つのか?早いな。お前の兄貴とは族の仲間だったからあの時は残念だった。あの時、兄貴を殺した酔っぱらいのおばちゃん暫く入院してたと思ったら退院して免許とってすぐにうちで中古のプリウス買ってくれたんだよ。その後交通刑務所へ暫く入って免許取り消しになって、免許撮り直したって、言ってた。点検とオイル交換は使ってくれる律儀なおばちゃんでな。琢磨、来年、走りたいのか?兄貴の事故ったNSX裏のガレージに置いてある直してそれで走ったら追悼にもなるだろうよ。金あるか?八百万円くらいで直してやるぞ!エンジンチェーン込みで。株で儲かってるだろう?」鬼ケ窪の社長が琢磨に提案した。「儲かっている。直せるのか?グチャリだぞ!八百万円かオッケーお願い致します。レース開催してくださいよ。」琢磨は社長の目を見た。「何人か目ぼしいのがいる。RX7FD3sの大白硲亜久里34GTRの手子生樹潤A80スープラの面野井右京以上3名それにNSXの天宝喜琢磨4名で決まりだな!大角豆明刑事にも一枚噛んでもらうとして、田水山翔交通課警部補にも話しておこう。田水山も大角豆も鬼ケ窪の族仲間で後輩だった。後知事の吾妻にも頼んで県警も動かしもらおう!茨城県の族を束ねる、上ノ室進にも族を集めてもらう。信号止め要員。」鬼ケ窪社長が琢磨の目を見た。知事は同級生であった。「兄貴のNSX見てみっか?こっちだ。」社長は琢磨を裏のガレージに連れて行った。シャッターを開けるとぐちゃぐちゃな赤のNSXだとかろうじてわかった。「兄貴は、一番左車線を走っていたから左から直進して来た酔っぱらいのおばちゃんの車に横っ腹つかれ、その時トップを走っていた。すぐ右レーンを32フェアレディが後から走って来ていた。それを避けようとハンドルを左に切った。左側の歩道に乗り上げ停まった。エアバッグは作動したが頭を打った。致命傷だ。運転席側のガラスが割れてるだろう?ここに頭をぶつけた。全身打撲内蔵破裂、複数の骨折。」社長は琢磨の顔を見た。「もし、やるとしたらヘルメット着用義務をもうけるからな。」社長は琢磨の顔を見てニコリ笑った。「来週、手子生樹潤が34GTRの整備に来るからレースの事話てみる。大白硲亜久里も来週来る。面野井右京も再来週来るから皆誘って見るから、メンバーがそろったら、つくば警察署の二人と県警に説得に行かないと。忙しくなる。もう、12月だもの。早くしないと元日に間にあわない、」鬼ケ窪は天宝喜琢磨の顔を見た。「楽しみだな?俺も過去の優勝者として嬉しい限りだ。」鬼ケ窪は琢磨の顔を見てニヤリと微笑んだ。この話は軽く動き出した。