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とある希望

ビューンッ!機密基地A·Bationの巨大モニターに

とある女性が写る。


「本日の状況報告を。」モニターに写る女性は

言う。


「はい。本日のアンダーンヒューマンの接戦に

おいて敵は撃破できたものの、複数の隊員が犠牲

となり、深瀬隊長の右腕が負傷してしまう事態が

発生しまいました。」

副隊長の秋はモニターに向かって言う。


「そんな、深瀬隊長は無事なの?」モニターに写る女性は言う。


「はい。深瀬隊長は現在療養中であり、命に別状はありません。しかし!」秋は言う。


「しかし?」モニターに写る女性は言う


「深瀬隊長の右腕が負傷してしまう事態が発生しまいました。深瀬隊長の右腕は、、、。」

秋は言う。


「なんと、、、そんなことになってしまったのね。データは今見たわ。

こんなにも犠牲者が出たなんて。」モニターに写る女性は静かに手を合わせる。


四季柄(シキエ)大官、昨今のアンダーンヒューマン達の攻撃能力が格段に上がってきているとみられます。我々もここは1つ攻撃部隊を見直さなければ

いけない段階に入ってきていると思います。」

秋は言う。


「そうね、深瀬隊長にはこれ以上RE/ MASTERジャケットは着せられない。

新たなる万能のゲネシスRE/ MASTERが必要ね。」四季柄(シキエ) 那瑠波(ナルハ)大官は言う。


「そこでですが、四季柄大官。私に1つ提案が

あります。」秋は言う。


「なにかしら。」四季柄大官は言う。


「30年前未知のバクテリアが派生して誕生した人間に似た新生物(ライトヒューマン·Light Human)を

新たなるゲネシスRE/ MASTERの装着員として

活用していくのはどうでしょうか?」秋は言う。


「ライトヒューマンを?ライトヒューマンは2年前に既に絶滅したはずよ。」

四季柄大官は言う。


「いや、そのはずだったんだが、、、。」

右腕を押さえながら後ろからモニターの方へと

深瀬隊長が向かう。


「ちょっと安静にしていなきゃダメッて言った

でしょ!」秋は深瀬隊長に

寄り添い強く言う。


「深瀬。」四季柄大官は言う


「確かに右腕はこの通り失った。だが失った分、

大きな者を手に入れたかもしれない。」

深瀬隊長は言うと、右側のからちょうど

エレベーターで地上から上がってきた

凛実とライトヒューマンが深瀬隊長と出迎える。


それをみて深瀬隊長はこう呟く。


「彼だ。」



◼️


深瀬隊長の部屋に連れていかれた凛実と

ライトヒューマン。


「座ってくれ。少し部屋は散らかってはいるがそのソファーなら座れる。」

深瀬隊長は言うとうろうろしながら凛実と

ライトヒューマンは座り込む。


「コーヒーでも飲むか。うちの自家製のコーヒー

なんだ。ほんのりとしたほろ苦さが

特徴的だよ。近頃の◯◯◯バックスは甘すぎて反吐が出そうだよ。

まぁ、そりゃ言いすぎとして。」コーヒーメーカーをセットしながら深瀬隊長は言う。

それを聞いていたライトヒューマンは軽く横に

首を降る。


「あれ、ライトヒューマンはコーヒーダメなんだっけかな?んじゃあ、何にする?紅茶か麦茶か?。」


「砂糖水で。」ライトヒューマンは言う。

「そうか、たしかライトヒューマンは、、、。」

深瀬隊長は戸惑いながら言う。


「新生物ライトヒューマンは動物細胞内に細胞壁や液胞が発達して葉緑体を持っており、

二酸化炭素と水を口器から取り込み、これらを

日光の光エネルギーで合成して、

デンプンと酸素を合成する。その光合成で余った

酸素を呼吸で外に放出している。

よって砂糖水、糖分を取ることによってエネルギーを得ることが出来る。」

深瀬隊長に続けて凛実は言う。


「そう、たしかそうだったな。」深瀬隊長は言う。


凛実にはコーヒーを、ライトヒューマンには水に

砂糖を入れてよく混ぜて渡す。


パソコンを手に取り、凛実とライトヒューマンの前に深瀬隊長は座る。


「あらためて初めまして。私は深瀬航志。脱社会一派NOGAの隊長を勤めている。」

われわれの目的は、人々をアンダーンヒューマン

から守ること。

それから今ある人間社会を謎の組織DIGUMAから

守り、次の未来に繋げることだ。

詳しいことは凛実から聞いたであろう。30年前

君たち新生物ライトヒューマンは

突如衰退していた地方にバラバラに産まれた。


その後、人間が猿化しようとする謎のウイルスが

世界中に蔓延し、そのウイルスの

ワクチンがライトヒューマンの血液ということが

わかった。

おまけにライトヒューマンは25歳までしか生きられない分、自分たちで子供を産めない新生物は自分の達の愛の形として、人工子宮で未熟な動物、昆虫

などを人間体にして自分たちの子供のように

育てた。その結果、沢山の

新人類アンダーンヒューマンが産まれ、

そのアンダーンヒューマンをDIGUMAが利用し、

RE/MASTERジャケットを与え、互いに

争いを仕向けるように仕込んだ。」深瀬隊長は

言う。


「どういう理由でアンダーンヒューマン達は争いをするの?」ライトヒューマンは言う。


「この通り、地球は今真っ二つに割れている。

そろそろ次の時代の人間を選ばなければならない。我々は猿から人間になった。だが、次の未来は

わからない。そのために自然破壊を繰り返す人間に

大きな恨みを抱えながら、自分達が未来の人類の

主導者(人間)になるために首都東京へと進み、

猿化している人間を救い、数少ないフレアワクチン(新生物の血)を打った傲慢なお金持ちを殺し、

自分達の遺伝子(血液)を保管して200万年後、

無数に命を生成できる何億年と続く木を彼らは

目指している。その木は

[LAST TREE·ラストツリー]と呼ばれている。」

深瀬隊長は言う。


「要するに、謎の組織DIGUMAが次の地球の主導者争いのために、アンダーンヒューマン達を利用して人間関係なく競わせているっていうこと。」凛実は言う。


「なんだって!」ライトヒューマンは言う。



「それに君は、フレアウイルスのワクチンに利用

出来るのとふつうの人間とは違い、25歳までしか

生きられない分、特殊な能力を持っている。

君を狙うものは1つや2つではない、DIGUMAや

バイオテクノロジー医療品企業

[Idolum·イドルム]、新生物の人身売買などを

行っている[Deep State]など様々な団体、組織、企業が君を狙っている。」深瀬隊長は言う。


「そういうことか、だからあんな目に遭わなきゃ

いけなかったのか。」

ライトヒューマンは言う。


「我々はそのために保護した。それとある希望の

ために。」深瀬隊長は言う。


「きぼう?」ライトヒューマンは言う。 


「次の未来も猿から進化した人間の世界にするためには、男性と女性のライトヒューマンと

第3の人間の元となる動物の血液をラストツリーに

注入する必要がある。

しかし、極秘の内部情報の予定ではDIGUMAと

繋がっている内閣総理大臣AI(SACKT)が10年後、

第三次世界大戦中に東京の地下空間に埋め込まれた

巨大な核地雷を爆発させると言われている。

その前に、なんとかライトヒューマンを見つけ

出す。それが我々の希望だ。」

深瀬隊長は言う。


それを聞いたライトヒューマンは少し戸惑った顔を浮かべる。


「そこで君にお願いがある。我々と共に戦ってくれないか?」深瀬隊長は言う。


「戦う?」ライトヒューマンは言う。


「今ある人類と、これからの人類と平和のために。」深瀬隊長は言う。


「これを君に授けよう。RE/MASTERジャケットだ。

高度なパワーを身体に装着して変身することが

出来るジャケットだ。

私が使っていたから安全性には問題はない。

これで、アンダーンヒューマンと

同等に戦うことが出来る。 」深瀬隊長は言う。


ライトヒューマンはジャケットを手に取ろうと

するが、


「やっぱり僕は戦いたくない。誰も傷つけたくない。」ライトヒューマンは言うと、

共に産まれた同じライトヒューマンの女性を人間によって殺されてしまう描写を思い出す。


「だけど、子孫を残してただ死んでいくなら、

自決を選ぶよりかは。」  


「戦えるのか、僕に戦えるのか。戦えるのか」


ライトヒューマンの女性の笑顔を思い出す。


凛実はライトヒューマンの瞳をじっと見つめて

いる。


「やっぱり、やっぱり、やっぱり!」

ライトヒューマンはあせりながら言う。

深瀬隊長はまっすぐジャンバーを前に出しながら

真っ直ぐ見つめている。


「わかりました!」



「そのジャケット、僕にくださいっ!僕が

変身します!」ライトヒューマンは

強く言うとジャケットを大きく羽織る。


「ようし、使い方は簡単だ。」部屋のカーテンを

開けた深瀬隊長は言う。

このジャケットは、シリコン製の太陽電池を糸状に加工した[太陽光発電糸]をジャケット全体の生地に織り込んでいて、球状に加工されたその太陽光

発電糸が様々な方向から光エネルギーを受け取る

ことが出来る。

ジャケットのベルト部分を閉めて、三角のチャックを上に上げて一回転させて

「チェンジ アップ!」と言い、チャックの左右のボタンを押すと、アームホールが圧縮されて

光エネルギーを電気エネルギーに圧縮、変換する

ことで形が変形して全身に行き渡り、

変身することが出来る。」


ライトヒューマンの身体がジャケットから光始めて変身する。


あまりの光に凛実は目を隠す。


「これは、この力は、なんだか、なんだかとても

暖かい。」ライトヒューマンは言う。  


「そうだ太陽の力を利用しているからな、ちなみに圧縮されたパルスパワーの仕組みを使って、様々な技を繰り出すことも出来る。電磁誘導機能もあり、[ワイヤレスハンガー]に掛けることにより

ワイヤレス充電も可能。太陽光発電糸による

柔軟性、伸縮性と、銀箔コーティングによる耐久性もある。世界で一番の完璧なジャケットだ!」

深瀬隊長は言う。


「これなら、これなら守れる気がする!」

ライトヒューマンは言う。


「そのジャケット、とても似合っているわ。」

凛実はさりげなく言う。


「ようし、さてもう一杯のコーヒーといきますか。」深瀬隊長はコーヒーメーカーに

向かおうとした瞬間、



「 “緊急人災指令” “緊急人災指令” 宮城県仙台市太白区秋保町馬場字大滝 秋保大滝付近で、

新人類アンダーンヒューマン(Undone Human)が

複数の人間を襲っているとの情報。

出動PRESSURE、第弌主変機動指揮·TANK PRESSURE、第弐主変機動·TANK PRESSURE、

第弎主変機動·TANK PRESSURE、

緊急救命主変·PRESSURE。RM1着用許可。

至急、現場に急行せよ。」のアナウンスが流れる。


深瀬隊長は淹れたてのコーヒーを勢いよく飲み、「さぁ、はじめの一歩を歩もうか。」

と言うと深瀬隊長、ライトヒューマン、凛実は

急いでエレベーターへと向かう。


◼️



3人は機密基地A·Bationの地下室にいくと

第弌主変機動指揮·TANK PRESSURE、

第弐主変機動·TANK PRESSUREが1台、第弎主変

機動·TANK PRESSUREが1台、

緊急救命主変·PRESSUREが2台。

バイク型の第零機動· TORNADO PRESSURE

3台のマシン並んでいた。


その中でも

バイク型の第零機動· TORNADO PRESSUREは

一際目立っていた。



「気になるか、これはバイク型のマシンの

PRESSUREだ。

それぞれ各PRESSUREは、名前の由来の通り車輪が回って動くため〖車〗と呼ばれるように、PRESSUREはエンジンコントロールユニットが圧力、体積、温度の関係値を計算し、

空気中の大気圧力を使って動くため、圧の英語の

〖PRESSURE〗から来ている。」

深瀬隊長は言う。


ライトヒューマンは目を離さずじっと

第零機動· TORNADO PRESSUREを

凝視している。


「バイクには乗ったことがあるが。」深瀬隊長は

言う。


「あっ、はい。」ライトヒューマンは言う。


「乗り方は通常のバイクと同じだ。

乗ってみたまえ!」深瀬隊長は言うと

第零機動· TORNADO PRESSUREをライトヒューマンの前に持ってくる。


「これが第零機動· TORNADO PRESSUREかぁ。

なんだかとても前から乗っていたような

気分だ。」ライトヒューマンは言う。


「どういうことw」凛実は笑いながら言う。


「さぁて、そろそろ仙台に入った頃だろう。

そろそろ行くぞライトヒューマン。

というか、ライトヒューマンはライトヒューマン

だけど他に名前はないのか?」

深瀬隊長は言う。


「ありません。産まれてからずっと周りから

ライトヒューマンって呼ばれてました。」


「そうか、この際だから下の名前でも決めてしま

おう。ダムで最初に出会ったからな。

澪牙(レイガ)っていうのはどうかな?」


「澪牙君、とても良い名前だと思う。」

凛実は言う。


「はじめて名前を貰いました。なんだかとても

新鮮な気持ちです。」


「よぅし、じゃあ澪牙、早速出動するぞ!第零機動· TORNADO PRESSUREの操縦は

自動操縦に切り替えておいた。万が一の為に

凛実と一緒に乗ってくれ!」


「はい。」というと颯爽と第零機動· TORNADO

PRESSUREに澪牙と凛実は乗り込む。


ゲートが開く。


その様子をこっそり見ていた秋がアナウンスを

告げる。

「第弌主変機動指揮·TANK PRESSURE、

第弐主変機動·TANK PRESSURE、

第弎主変機動·TANK PRESSURE、

緊急救命主変·PRESSURE。

第零機動· TORNADO PRESSURE発信準備!」


第2のゲートが開く。


「第弌主変機動指揮·TANK PRESSURE、

第弐主変機動·TANK PRESSURE、

第弎主変機動·TANK PRESSURE、

緊急救命主変·PRESSURE

テイク オフ!」深瀬隊長率いる隊員達が言うと

発進する。

第零機動· TORNADO PRESSUREの無線通信から

副隊長の秋が言う。


「ライトヒューマン、いや、澪牙君初めまして。

準備はいい?」

秋は言う。 


「準備は大丈夫です!」澪牙と凛実は言う。


「第零機動· TORNADO PRESSUREテイク オフ!」強く秋は言う。


「第零機動· TORNADO PRESSUREテイク オフ!」と続けて澪牙は言い、

フットレストに足をしっかり置き、バイクの

ハンドルを握りしめてエンジンが燃えたぎる中、

出発する。


◼️


秋保大滝付近に到着した各PRESSUREは、

各隊員達と共に秋保大滝の方へと入ると、

そこには血のついた身体を洗っていたカエルの

アンダーンヒューマンがいた。

周りには血だらけの人間が複数倒れこんでいた。


「そこまでだアンダーンヒューマン。

手を上げろ!」銃を構えた深瀬隊長は言う。


「君たちは、NOGAのメンバーか。」カエルの

アンダーンヒューマンは言う。


「そうだ!いいから手を上げろ!」深瀬隊長は

言う。


「私はただ、動物を殺していた人間を

殺したまでだ。何が悪い?」

カエルのアンダーンヒューマンは言う。


「これ以上、罪のない人間を殺すのはやめろ。」

深瀬隊長は強く言う。


「罪のない人間?罪とはなんだ。いつから人間が

主導となった世の中になったんだ。」

カエルのアンダーンヒューマンは言う。


「ぅんん。」深瀬隊長は少し戸惑った顔を

浮かべる。


「その銃も、その戦闘機も、一体どうやって

作った。何を原料として出来ている。

人類よりも地球の方がはるかに守るべき

存在ではないのか。」

カエルのアンダーンヒューマンは言う。

深瀬隊長は戸惑いながらも真っ直ぐ銃を向ける。

すると、そこへライトヒューマンの澪牙は

深瀬隊長の前に出る。


「君は間違っている。たしかに、人類と新生物、

新人類は平等ではないかも知れない。

だが、長く生存する人類の命は平等であるべきだと思う。僕はもう、人類を、誰も傷つけたくない。」澪牙は言う。


それをただ凛実は見つめている。


「ふん、マスク越しに何を語っている。

ゲネシスRE/MASTERのお前に一体何がわかる。

今までの我々の屈辱を!」カエルの

アンダーンヒューマンは言う。


「わかるよ、僕は、僕だって、」澪牙は言う。


「これでもくらえっ!」カエルのアンダーン

ヒューマンは大きな舌を突きだし、

ゲネシスRE/MASTER の首を絞める。


「ぐあぁ、あぁっ」澪牙は声を上げる。


「大丈夫か!」深瀬隊長はすぐさま舌を銃で

撃ちまくる。


その瞬間、深瀬隊長にカエルの

アンダーンヒューマンは遅いかかる。


「やめろっ!」澪牙はすぐさまカエルの舌を掴み、地面に放り投げる。


放り出されたカエルのアンダーンヒューマンは、

澪牙の首を掴み、上へと伸し上げる。


澪牙はあやうくあぶないところだったが、なんとかカエルのアンダーンヒューマンの

胸を蹴り飛ばし、腕を離す。


隊員達が澪牙を助けに行こうとするが、深瀬隊長は「ちょっと待て、彼にやらせよう。」

と言う。


互いに構える体勢を取り、滝の音がする方へと

向かって行く。


互いに身体を掴み合い、滝の中へと潜り込み、

必死に対抗する。


そんな中、カエルのアンダーンヒューマンに足で

吹き飛ばされた澪牙は、

水辺に倒れこみ、何発の殴られてしまう。


「くそっ、くそっ、くそ!」カエルの

アンダーンヒューマンは殴りながら言う。


それを受け止めながら、右腕の肘にあるコアに力を込めて、コアが徐々に光始める。


肘のコアが大きく光始めるとカエルのアンダーン

ヒューマンは口を大きく開いて長い舌を出そうと

する。それをみていた深瀬隊長が助けに行こうと

した瞬間、

「うおぉぉぉ!」と、澪牙は口の中に、右腕を

パンチすると「ドンッ」と大きな音と共に、

カエルのアンダーンヒューマンの顔は破裂し、

赤い血が大きく水辺に飛び散る。

すると、カエルのアンダーンヒューマンはすぐさま水辺に倒れこんだ。


上半身血まみれになったゲネシスRE/MASTERの

澪牙は静かに起き上がり、

血だらけになった腕を水辺で洗い流す。


だが、なかなか落ちない。


擦っても、擦っても、どんなに強く擦っても

腕についた血は落ちない。


それをじっと深瀬隊長率いる隊員、凛実達は

じっと見つめている。


必死に擦りながら、必死に擦りながら、あの時、

共に産まれたライトヒューマンの彼女を

人間の誤解から救えなかった記憶がよみがえる。



腕を大きく水辺に叩き込み水しぶきをあげ、

静かに水辺の下を眺める。



そこに映っていたのは、仮面を被っていた

自分だった。

  

◼️


機密基地A·Bationの娯楽室に、澪牙と凛実は

前後に反対方向に座っている。 


「今日は、お疲れだったわね。初めてにしては

それなりにやれた方じゃないかしら。」

凛実は言う。


「僕は人を殺した。。。」前屈みになりながら

澪牙は言う。


その横顔は、髪で目が見えない。


「厳密には人ではないわ。アンダーンヒューマンよ。」凛実はスマートフォンをいじりながら

言う。


「真っ赤な血を見た。あれは間違いなく

生きた血だった。

生きている人間の感触だった。」澪牙は右手を

震えながら言う。


「人間ではない。元はカエルよ!」凛実は言う。


「人間だって元は猿ではないか。

一体、何が違うんだ!一体何が違うと言うんだ!」澪牙は声をあげて言う。


「そうよ、私たちは猿から人間になったの。そして今はそういう時代なの。」

凛実は言う。


「時代とかの問題じゃない、人を、生き物を殺した感覚はその人にしかわからない。

僕はそれを当たり前になるのが怖い。」

澪牙は言う。

「だったら何も食べられないわよ、そうやって

死んでいくの?」凛実は言う。


「死にたくはない。でも生きていく力はない。

何もかもが無気力だ。」澪牙は言う。


「人生を生きていく姿って、とても素敵で綺麗に

見えるけど、常に誰かの犠牲のおかげで

成り立っているの。あなたは今、健康で生きてる。人間のために戦っている。

その裏にはたくさんの犠牲がついているものなのよ。」


凛実は後ろに座っている澪牙に向かって振り向く。


「だから、私たちは戦って生き続けるの。

それが終わる日まで。」凛実は言う。


「そんな、それで良いのか。。。」澪牙は

踞りながら言う。



「あなたの今日の戦闘、さっきモニターで見せてもらったわ」開いていたドアの外側に

謎のレザースーツを着ている女性が現れる。


「誰ですか?」澪牙は思わず顔を上げて言う。


本咲(モトザキ) 恵梨華(エリカ)さん。戦闘長よ。」凛実は言う。


「初めてライトヒューマンがRE/MASTERジャケットを着て、戦っているのを見たわ。」

恵梨華は言う。


「想像以上にRE/MASTERジャケットと相性が良いらしいわね。初見でほぼ1人であそこまで

やれるなんて、大したものね。

でも、今はどうやら落ち込んでいるようだけど。」恵梨華は言う。


腕を組みコツコツと足音を鳴らして澪牙の方へと

向かう。


「初対面で失礼だけど、戦った後がこの様子じゃあ

もう二度とゲネシスRE/MASTERにはなれない

わよ。」恵梨華は言う。


「RE/MASTERジャケットを着るということは、

沢山の犠牲を羽織るということ。

毎回、戦った後がこの様子じゃ、あなたこの基地

から降りた方がよいわ!」

強く恵梨華は言う。


澪牙はうじうじしながら、

「僕は、僕には、、、。

他にもう居場所はない。」澪牙はうつむきながら

言う。


「では、答えは1つね。きっとあなたの心に

あるわ。」振り返りながら恵梨華は言う。


澪牙はじっとライトの光が薄く反射している

床を見ている。




「まぁ、また今度会いましょう。今回は、別の戦闘で参加出来なかったけど次の戦闘には

私も参加出来るかもしれないわ。」恵梨華は

そう言うと、娯楽室から出ていく。


「僕は、僕は、、、。」澪牙は言うと、外の月は

大きく娯楽室の窓を照らしていた。


     ◼️


一方その頃、謎の組織DIGUMAは。


白神山地の地下に赤く濁った沢山のサイズや

カラーの生物模型群の空間に、1本の塔があり、

その塔の上の直線上に見た目はなめらかで、

灰白色ないし暗灰色で地衣類などがよく着生し,

斑紋状となっている木がある。


そこにモニターを見てワインを飲みながら

赤いソファーに座った謎の女性と、

取り囲む複数の謎の黒いスーツの男達が言う。



「エバーレッド様、最近RE/MASTERジャケットを着たアンダーンヒューマン達が

活動を活発化しているそうです! 」1人の謎の

黒いスーツの男は言う。


「そうか、予定どおりだな。これから長い候補者

争いの戦いとなるだろう。

とても楽しみだ。」黒い影に包まれ、

赤いソファーに座った謎の女性は言う。


「これから長い戦国の世があけますね。」謎の黒いスーツの男は言う。


「そうだな。さぁ、楽しみに待っているぞよ。

運命に選ばれし者よ。」

赤いソファーに座った謎の女性は微笑みながらは

言う。


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