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(71)思わず

 思わず、ぅぅぅ…と涙することがある。それは突然、感極まったときが多い。今日は、そんな涙のお話です。^^

 とある田舎の役場である。

餅肌(もちはだ)君、言っといた資料は出来てるか?」

「はい、議会用の資料でしたね…」

「ああ、そうだ。見せてくれっ!」

 課長の井路目(いろめ)は餅肌にそれとなく小声で言った。明日のことだから、餅肌も用意周到に準備はしていた。餅肌が井路目に言われた資料を取り出そうとしたとき、突然、餅肌の携帯が鳴った。

「はい、餅肌ですが…。えっ! はいっ! すぐにっ! ぅぅぅ…」

 突然の電話に、餅肌は思わず涙した。

「どうかしたのかね、餅肌君?」

「妻が出産したらしいです…」

「ええっ! そりゃ目出度いじゃないかっ! おめでとう!! すぐ病院に行ってあげなさいっ!」

「はいっ! しかし、明日が議会ですし…」

「議会は議会だけのもんさ。すぐ行ってあげなさいっ! 届けはあとから出せばいいから…」

「はいっ!」

 餅肌は取るものも取り()えず 役場を飛び出した。餅肌の目には、思いもしない涙が思わず(あふ)れ出た。


 ※ 本作は(69)のスピン・オフ作品です。^^


                  完

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