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(10)泣き上戸(じょうご)

 酒の飲み(ぐせ)に泣き上戸(じょうご)という(くせ)がある。飲んでいるうちにそれ(ほど)でもないのに突然、涙を出して泣き出すという癖である。相手がいる場合、相手はいい迷惑で、(なぐさ)め役に回され、奉仕する羽目となる。^^

 とある飲み屋である。

「ああ、それはそうだね…」

 そんなことで…とは思うが、そうとも言えず、相手は相槌(あいづち)を打たされることになる。

「ぅぅぅ…だろっ! 分かってくれるのは君だけだっ! ぅぅぅ…」

 何を分かれ! というのか? と耳を(そばだ)ててみると、支払った金の釣りが50円少なかったのだと言う。さらに詳しく聞いていると、見栄があるから言い出せなかったのだと言う。それが(くや)しいそうだ。涙でボロボロになった顔で泣く上戸だから遠目で見れば涙を誘うが、隣の席に座る私は訳が聞こえるから馬鹿馬鹿しくなった。聞いてられねぇ~やっ! と思えた私は席を立ち、勘定を済ませると店を出た。

 まあ、泣き上戸の涙は遠目で見た方がいいようである。^^


                   完

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