表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門の守人  作者: 圭太朗
2021年4月22日(木)☀️/☁️
49/279

4-4 再びのマクド


 俺は、ショッキングピンクの軽トラを運転しながら考えていた。


 昨日バーチャんは『国の人』と言っていたが、本当にそうした人がバーチャんと接しているんだと実感した。

 昨日話を聞き、さっきまでは絵空事のように感じていたのだが、実際に遭遇すると本当なんだと驚きが先に立つ。


 それにしてもそんなに『門』に関わると言うことは、大事おおごとなのだろうか?

 そんなに『門』に関わる知識は大事だいじなことなのだろうか?


 そんなことを考えているとマクドが見えてきた。

 帰省初日に立ち寄ったマクドだ。



 ショッキングピンクの軽トラを駐車場に駐め店内へと入る。

 今日は店内で食べようと思い、まずは空席を探した。


 「ジローくん。」


 女性から声をかけられた。

 声の方を見れば、記憶の蘇る女性が3名ほど子供と一緒に座っていた。

 全てが中学時代の同級生とそのご子息たちだ。


 し、しまった。

 昼時のマクドなんて、再びのプチ同窓会になりかねん。


 声をかけて来たのは、ファッションセンターで会った旧姓原口さん。

 他の女性はスーパーで談話中だった2人だ。


「お久しぶり~」


 その声は、こっちに来て座れと言わんばかりだ。

 このまま座ったら、話題に飢えた彼女たちの餌食になりそうだ。


 どうする?!


「ママ~遊んできていい?」

 おお、そこの幼女。

 素晴らしいタイミングだ。


 このマクドには子供向けの遊具施設が併設されている。

 子供達はマクドを食べるよりも、遊具で遊ぶことが主眼なのだろう。


 見たところ、その幼女の年齢ではママも一緒に遊ばないと危なそうだ。

 そうなれば彼女達は遊具施設に向かう。

 俺は彼女達の餌にならずに済む。


「ママ~ ボクも行っていい~」

 おいおい。そこの男の子。

 ママも連れて行け。


「リナちゃんとか小さいから、ちゃんと見れる~」

 おいおい、何を言ってるんだ。

 ママも一緒に遊ばないと危ないだろう。


「ママ~ ボクも行く~」

 おいおい。旧姓原口さんの息子さんまで参加ですか。


「ユウ~ 面倒見れる~」

 旧姓原口さん。

 ママも一緒じゃないと危ないよぉ~。


「ユウ~ あんたが一番お兄ちゃんなんだから、ちゃんと面倒見るんだよ~」

 旧姓原口さん&ママさん二人。

 全員が育児放棄ですか?

 大丈夫なんですか?


 ママから許しを得た子供達は、全員で我先にと遊具施設へ走って行く。


 それを見届けたママさん3人が、自分の隣の席が空いてると言わんばかりにこちらを見ている。


 これで俺は彼女達の餌となることが確定した。

 俺は諦めて、自分の食事を注文することにした。



「チーズバーガー50個とコーラLサイズでよろしいですか?」


 元整備士のお兄ちゃん。


 そうだよね。

 店長なんだから、接客してても不思議じゃないよね。


「店内でお召し上がりですか?」

 そんなバカ食いしたら、彼女達の話題になるからやめて。


「ビッグとタツタとコーラMで。」

「ビッグワン、タツタワン、コーラM」

 さすが店長。仕事してるねぇ~


「すいません。出来上がりに時間がかかるんで席にお持ちします。あちらの席でよろしいですね。」

 はいはい。

 元整備士のお兄ちゃん。


 差し出した手の先は、メスライオンが3匹も座ってますね。

 俺に檻に入って食べられて欲しいんですね。


 そのメスライオン3匹の笑い声が店内で一番賑やかなんですけど。

 私があの檻に入ったら、店内がもっと騒がしくなりますよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ