2-20 異世界での活躍
門を開くことで得られる『何か』があるのではないか?
そんなことを今の俺が考えても結論は導けない。
俺は今日初めて、別世界と繋がると思われる『門』というものが存在することを知ったのだから。
試しにグーグル先生に『門 別世界』で調べてもらったら
鳥居
日本の大きな旧家にありそうな門
浅草の雷門
横浜中華街の門
異世界の門アニメ
などなど、幾多の情報が出てくる。
『鳥居』は神社などにおいて神の世界とされる『神域』と人間の俗界を区画するものだ。
そして一種の『門』だ。
画像も調べてみた。
特に目を引かれた鳥居は、京都伏見は大岩神社の『石門』の画像だった。
鳥居を石で作り幾多の装飾を彫り込んだもので、日本の有名な芸術家が寄贈したものだという。
その石門の画像を見ながら、米軍の門はこんな感じなのだろうかと自分勝手に想像してしまった。
ネイティブアメリカンの技術が使われているのならば、俗に言うインディアン柄な装飾が彫り込まれているのかも知れないなどと自分勝手に想像してしまった。
『米軍の門』に対して『日本の門』があるとすれば『鳥居』なのだろうか?
鳥居は日本全国に設置されている。
日本は八百万の神といわれるほど神が多い。
『米軍の門』の個数は不明だが『日本の門』があるとするならば、日本全国に『門』があることになる。
そして日本の門は『神域』と繋がっていることになる。
次に気になったのは『異世界の門アニメ』だった。
グーグル先生に調べてもらったら、1月頃から放送されたらしきことを学べた。
さすがに今年に入ってからは連日の終電帰りだ。
アニメへの興味も少ない俺では見ていないのも当たり前だ。
あらすじを読んでみたが『異世界ファンタジー』であることや主人公が異世界で頑張るらしい。
逆向きに考えるとどうだろうか?
現代日本は向こうの世界から見れば『異世界』だろう。
お爺さんやバーチャん、一郎父さんや礼子母さんは『異世界』で頑張ったといえる。
けれども現代に魔法はない、ファンタジーな世界ではない。
魔法と剣のファンタジーな世界から、現代と言う世界に来たらアニメのような活躍ができるだろうか?
俺には無理だな。
そんなことを考えていたら、眠気が襲ってきた。
日中は久しぶりの土いじりな畑仕事で体を酷使した。
仕事からも解放されストレスも感じていない。
バーチャんの話は、それとなく受け止めれている気がする。
明日は新玉ねぎの収穫だ今日は早目に寝よう。体を休めよう。
変な夢も見ずに寝れるだろう。
おやすみなさい。
◆
トイレに行きたい。
尿意で目が覚めた。
バコッ!
ガチャガチャガチャン!
ドガン!メキメキ…
布団から起き上がりトイレに行こうとして、思いっきり段ボールを蹴り飛ばしてしまった。
右足の小指が痛い。
思わず姿勢を崩して段ボールに手をつき壊してしまった。
右手のひらが痛い。
急いでトイレに行き用を足した俺は、部屋に戻って蹴り飛ばした段ボールをもとに戻す。
『Reiji』と書かれていた段ボールだろう。
お爺ちゃんごめん。
朝起きたらバーチャんにも謝ろう。
今は寝かせて欲しい。
おやすみなさい。