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門の守人  作者: 圭太朗
2021年4月19日(月)☁️/☁️
3/279

1-2 パワハラ課長


 会社を出た俺は、直ぐにスマホで宅配便の再配達を頼んだ。

 運良く再訪予定であったらしく今日の12時から15時には届くという。


 急いでアパートに戻り、宅配便を受け取ったら直ぐに郷里に向かおう。


 そんなことを考えつつ、タイミング良くホームに入ってきた電車に乗り込む。

 さすがにこの時間、反対方向の電車は空いているなと感じながら、時間潰しにとスマホを取り出すと突然の着信。

 電車内なので通話はできないと考えながら発信者を見ると、会社からの電話だ。


 おいおい、俺の有給休暇申請はどうなった?


 電車内だからかけ直すと伝えよう。

 そう思いながら電話に出ると腰巾着な山田の声がする。


「課長が怒ってます」


 山田、お前、また何かしたのか?


「いま電車内だから、次の駅でこちらからかけ直す」


 そう伝え、何が課長の怒りに触れたのかと考えながら次の駅に電車が止まるのを待つ。

 電車が次の駅に入ろうとすると、再びスマホに会社からの着信が入った。

 『こちらからかけ直す』と伝えたのに何度も電話してくるとは、相手の都合を考えない迷惑な奴だ。


 駅のホームに降り、少しの人混みを避けて会社に電話しようとすると、再び会社からの着信が入る。電話に出ると山田の声がする。


「課長に替わります」


 山田の切羽詰まった声に続けて


「バカヤロウっ!」


 耳元に大音量で響いたのはパワハラ課長の声だった。


「何を勝手に早退してんだっ!」


 おいおい。

 急だったかもしれないが、俺は今日からの有給休暇を申請したんだぞ。

 やっぱり当日からの申請は認められないのか?


「何回も電話させるな!」

「…(何回も勝手に電話してきたのはそちらです)」


「課長。その申請、今日からになってます」


 お、山田にしてはナイスな発言が聞こえる。

 電話から聞こえる山田の声に、少しだけ感謝しそうになった。


「なに?」

「ほら、今日からの申請に…」


 よしよし、山田にしては良い言葉だ。


「せっかく出社したんだ、働くのが当たり前だろがぁ~」


 パワハラ全開な課長。

 日付を見落としたんだね。


「大体、当日に申請して有給休暇なんて、誰が認めるんだ!」


 課長が受理して認めたんだよ。

 課長は自分の落ち度を認めようね。


「集団見合いで休むなんてありえん!」


 課長の脳内では、俺の集団見合いは確定ですか?


 そして電話は切れた。

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