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門の守人  作者: 圭太朗
2021年5月6日(木)☁️/☁️
249/279

18-1 開けてやる


今日は二郎さんが来るのよね?(By若奥様


はい。市之助さんの孫娘の由美子さんと一緒に来ます(Byメイド


由美子さん?あぁ、あの可愛らしいエルフの娘さんね(By若奥様


やはり門は開くんでしょうか?(By天使


それは二郎さん次第ね(By若奥様


進一さんの時は開いたのですよね?(By天使


進一さんの時は『俺が開けてやる!』との願いが強かったですね(Byメイド


なるほど願いが強くて開いたんですね(By天使


あれ?天使さんは知らないの?面白かったわよぉ~(By若奥様


⋯⋯生憎と不在でした(By天使


もう周りの皆がバタバタしちゃってぇ~、あれを見れなかったなんて残念よね(By若奥様


⋯⋯(By天使


あの⋯奥様⋯お忘れですか?(Byメイド


えっ?何が?(By若奥様


あの時、天使さんは若奥様のお使いで⋯(Byメイド


あら?覚えてないわぁ~(By若奥様


⋯⋯(若奥様、ボケ始めてないよね(Byメイド&天使


ホッホッホ(By神様



 俺の隣で彼女がモゾモゾと寝返りをする。

 その動きで俺は目が覚めた。


 また変な夢を見てしまった。


 隣で寝息を立てる彼女を抱き枕に、二度寝しようかと思ったが、今日のこの後の予定を考え始めたら目が覚めてきた。


 伊勢神宮へお詣りに行く


 その事に、緊張しているのかも知れない自分を感じる。


 目覚ましにシャワーを浴びようと、彼女を残してベッドを抜け出した。

 シャワーのある内湯に行けば、全面ガラス戸の向こうに朝日の差し込むウッドデッキが見える。

 そのウッドデッキには、昨夜彼女と混浴した露天風呂がある。

 朝日が差し込む露天風呂に行き、栓をして湯を溜め始めたら、内湯に戻り頭からシャワーを浴びた。

 ボディソープで全身を洗い、ついでにカミソリで髭を剃り上げる。

 仕上げにシャワーで泡を流したら、それまでの眠気も流されて行く。


 露天風呂の様子をガラス戸越しに見れば、湯が溜まり入れそうだ。


「センパイ、おはようございます」


 背後から彼女に声をかけられる。

 その声に振り返れば彼女が立っていた。


「由美子、おはよう。直に溜まるけど一緒に入らないか?」

「朝からするんですかぁ~」


 由美子さん。

 どうしてそこでクネクネするんですか?


「由美子は⋯したいの?」

「冗談です。さあ入りましょう!」


 そう言った彼女は恥じらうことなく、バスローブを脱ぎ捨てた。

 一瞬、全裸の彼女に驚いたが、よくよく考えれば俺も全裸だ。


 彼女と湯船に浸かり、今日のお伊勢詣りの話をする。


「今日はお伊勢さまへお詣りですね」

「ああ、9時30分に宿のロビーで山本さんと待ち合わせだね」


「センパイは、兄さんみたいに『開けてやる』とか思ってるんですか?」

「『開けてやる』?」


 彼女の言葉に今朝見た夢を思い出す。


「兄は伊勢神宮に行く時、『由美子、伊勢の門を開ければ本物だと証明できる』って言って出発したんです」

「へぇ~」


「それで、帰ってきた時に『由美子、伊勢の門を開けてやったぞ!』って、何度も自慢してたんです」

「へぇ~」


「兄も周囲から認められて、嬉しかったんだと思います」

「ハハハ」


「センパイは、兄の自慢話を聞いてないんですか?」

「聞いてるよ」


「じゃあセンパイも兄みたいに本物だと証明する気ですかぁ~?」

「う~ん。どうなんだろう?」


 俺はやる気の無い返事をしてしまった。


「「⋯⋯」」


 互いにしばしの無言の後、彼女が激を飛ばしてきた。


「センパイ!やる気の無い男はモテませんよ!」

「いいよ、モテなくても。由美子が居れば」


 俺はそう言って彼女を抱き寄せ、口付けを交わした。

 彼女も俺の思いに応えて、口付けを受け入れてくれた。


「センパイ⋯したいんですか⋯」

「ああ、由美子とすごくしたい♡」


 彼女の耳元で囁くと、彼女が俺に跨がり両手を首に巻きつかせてきた。


「今朝も元気ですね♥️」


 はい。今朝も元気になりました。


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