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門の守人  作者: 圭太朗
2021年5月4日(火)☀️/☀️
226/279

16-28 日本の神様


「じゃあ、二郎さん。ここまでの話を整理しますね。天皇の継承では、三種の神器が引き継がれるのは解って貰えるかしら?」

「はい。理解しています。大丈夫です」


 里依紗さんからの話は、再び、三種の神器が天皇の継承に用いられる話となった。


「二郎さんは、天皇の継承では『剣』と『勾玉』が贈られたニュースを知ってると言ったわよね?」

「ええ、ニュースで見た記憶があります」


「実はそれ、皇位継承こういけいしょうの儀式の一つなの」

「はぁ?」


「『剣璽等承継けんじとうしょうけいの儀』と言って、三種の神器のうち『剣』と『勾玉』の2つを新しい天皇が受け取る儀式なの」

「⋯」


「『剣』と『勾玉』を受け取った後、新しい天皇は宮中の『賢所かしこどころ』に置かれた『鏡』に挨拶に行き、そこで『鏡』も引き継ぐのよ」

「⋯」


「『賢所かしこどころ』の『鏡』は御神体なので動かせないから、さっきの『剣』や『勾玉』のように儀式で贈らずに、新しい天皇が挨拶に行く手順になってるの」

「なるほど。『鏡』が御神体で伊勢神宮にあるからと言うのは、それとなく近い答えでしたね(笑」

「ククク」


 里依紗さんの話を聞き、少し安心してしまった(笑

 『剣』と『勾玉』だけではなく、『鏡』も引き継いでいると聞いて、きちんと三種の神器が引き継がれているのを理解した。


「さて、次の話に行くわよ」

「はい。お願いします」


「先ほど名前の出てきた伊勢神宮だけど、主祭神しゅさいじんはわかるかしら?」

「『主祭神』う~ん⋯」

「ククク」


 『主祭神しゅさいじん』の言葉で躓いた。

 言葉からすれば、『主』となる『祭神』で、どんな神様を祀っているかの意味だとは思うが、皆目見当がつかない。

 進一さんには笑われるし⋯


「その付近になると無理かぁ~(笑」

「勉強不足でスンマセン」


「いやいや、二郎さんは悪くないわよ。知らないのも無理がないと思うの」

「そうだね。二郎くんは悪くないね。僕もその付近を学んだのは、当代を意識した頃だから」

「はぁ⋯」


 里依紗さんから半ば諦めの言葉が出た。

 進一さんからは、自身に置き換えた例えが出てきた。

 つくづく、自分の無知が思い知らされる。


「そうだな⋯二郎くんは、日本の神様をどのくらい知ってるかな?」

「日本の神様ですか?」


 進一さんから、ますます辛い質問が出てきた。


「二郎さんは、イザナギとイザナミなら聞いたことがあるかしら?」

「イザナギ?イザナミ?⋯何となく聞いたことがある程度です」


 里依紗さんから、問われた神様の名前は聞いたことがある。

 イザナギ=伊弉諾尊いざなぎのみことと、イザナミ=伊弉冉尊いざなみのみことは、何かで聞いたことがある。


「じゃあ、アマテラスオオミカミとかスサノオはどうかしら?」

「スサノオは聞いたぐらいです。アマテラスは⋯天岩戸あまのいわとでしたっけ?」


「あら、天岩戸あまのいわとの神話を知ってるの?」

「乱暴者の神様に嘆いた女神様が、洞穴に引っ込んだ話ですよね?」


「ククク。随分と大雑把な理解だが致し方ないね(笑」

「進一さん、どんな感じで進めれば二郎さんに理解して貰えるかしら?」

「スンマセン⋯本当に知らな過ぎですね」


 進一さんと里依紗さんから、匙を投げられた感じがする。


 それにしても、どうして俺は、『伊弉諾尊いざなぎのみこと』と『伊弉冉尊いざなみのみこと』の名を知っているのだろう?


「二郎くんは淡路島出身だから、イザナギとイザナミの神話で『国生み(くにうみ)』は知ってるんじゃないか?」

「あっ!!思い出しました。小学校か中学校の遠足で行きました」


 小学校か中学校、義務教育の遠足だか社会見学だかで行った記憶がある。

 確か、『伊弉諾神宮いざなぎじんぐう』に行った記憶がある。


「『伊弉諾神宮いざなぎじんぐう』に行った記憶があります。そうだ、思い出してきました」

「「うんうん」」

 進一さんと里依紗さんから、頷きを貰えた。


伊弉諾尊いざなぎのみこと伊弉冉尊いざなみのみことで、日本を造ったとか教えられました」

「ククク。淡路島を最初に造った話だろ?」


「そうです、そうです。淡路島や佐渡島、それにこの隠岐の島、最後に本州を造った話です」

「国生み(くにうみ)の神話だね。その神話には続きがあるんだ」



 進一さんは、イザナギ=伊弉諾尊いざなぎのみこととイザナミ=伊弉冉尊いざなみのみことの神話を語ってくれた。


 俺の知っている、淡路島を最初に造った『国生み』に続けて、多数の神々が生まれた『神生み』の話が続く。


 その『神生み』の後半で、イザナミ=伊弉冉尊いざなみのみことが亡くなってしまう話に至った。


 愛する妻、イザナミ=伊弉冉尊いざなみのみことを亡くした夫のイザナギ=伊弉諾尊いざなぎのみことは、妻に逢いたい一心から死者の国=黄泉国を訪れたと言う。


「進一さん。その話は聞いたことがあります」

「そうか、二郎くんも日本人だな。それなりに知っているようで安心したよ(笑」

「うんうん」


 俺の言葉に進一さんと里依紗さんが安堵を示す。


 そして、里依紗さんからは、まだ話が続く言葉を聞かされた。


「二郎さん。ここからが、アマテラスオオミカミ=天照大御神あまてらすおおみかみやスサノオ=須佐之男命スサノオノミコトの話に繋がるのよ」


 里依紗さん&進一さん、かなり長い話になりそうですね⋯


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