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門の守人  作者: 圭太朗
2021年4月20日(火)☁️/☀️
20/279

2-9 鯖の塩焼き


「うまい。これスッゴク美味しい。」

「そうか。そうか。」


「鯖の塩焼きなんて久しぶり。」

「よかよか。」


「この脂の具合が美味しすぎる。」

「確かに脂がのっとるのぉ。」


 あれ、バーチャんの年齢ではこの脂はきつかったか?


「バーチャん。脂がきつくない?」

「年より扱いするな。大丈夫じゃ。」


「きつかったら俺が食べる。」

「ダメじゃ。これはワシのじゃ。」


 俺のリクエストもあって、無事に晩御飯は『鯖の塩焼き』になりました。


「二郎の希望で焼いたんじゃ。グリルを洗うのは二郎じゃぞ。」

「まかせて!」


 スーパーで魚を選ぶときに、シシャモも考えたが鯖の魅力に負けてしまった。

 シシャモとか鯖の塩焼きぐらいならば、東京のアパートでも魚焼きロースターを買えば楽しめそうだが後の洗い物が煩わしい。

 一人で魚を焼いて一人で洗い物をする。

 それも楽しみ方のひとつだろう。

 だが休日出勤&連日の終電帰りでは困難だ。

 ちなみにシシャモも購入した。

 これで明日の晩御飯は、シシャモに決定である。


 バーチャんに味噌汁を作ってもらい、鯖は俺が焼いた。

 明日のシシャモも俺が焼こうと思う。


 ちなみに帰宅してからスマホや社内メールを確認したが、着信もなくメールも俺を指定するものは無かった。

 そうした様子から、俺が連日終電帰りをしていた必要性を疑いたくなってきた。

 会社に出てパワハラ課長と顔を会わせるから、無駄に仕事が振られて残業が発生しているのではと考えてしまう。

 とにかく丸一日だが、仕事を離れると言うのは良いものだと実感できた。


 仕事に追われない一日。

 畑仕事をして買い物に行き、旨い晩御飯を食べる。

 ストレスを感じない一日を過ごしたことで、俺は心にゆとりが出来たのだと思う。

 これならば『お爺ちゃんの勾玉』の話を、バーチャんから聞いても受けとめられると思う。

 そう考えて、思いきって話題にあげてみた。


「バーチャん。『お爺ちゃんの勾玉』の話を聞かせてくれ。」

「おお、約束だから話しちゃる。」


 バーチャんはいつもの調子で答えてくれた。


「しかと聞けよ。」

「はい。聞いてます。」


「ワシもお爺さんも日本人じゃないんじゃ。」

「……」


「二郎の父の一郎も、母の礼子も日本人じゃないんじゃ。」

「………」


「そして二郎とワシは血の繋がりは無いんじゃ。」

「…………」



 バーチャん。

 ここでジョークですか?


 『お爺ちゃんの勾玉』の話ですよね?


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