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門の守人  作者: 圭太朗
2021年5月2日(日)☀️/☀️
153/279

14-4 保安検査


「あ~ 緊張した~」

「センパイでも緊張するんですね(笑」


 保安検査を受け終わって、彼女と搭乗ゲートに向かって進んで行く。


 保安検査では、事前に彼女からアドバイスを貰いジャケットのポケットには何も入れなかった。

 手にしたウエストポーチに、財布からスマホから全てを入れておいた。

 ノートパソコン専用バッグの中身を尋ねられ、バッグをフルに開いて中身を見せる。

 検査を担当した方は、ノートパソコンにもPadにも目をくれず、バッグのポケットに何か入っていないかを調べて行った。

 ウエストポーチも同様だった。

 中身を全て出し、出された中身には一瞥いちべつをくれるだけ。

 空になったウエストポーチに何かが入っていないかを調べる。

 そんな感じだった。


「保安検査って、あんな感じなの?」

「検査をする人もプロですから、プロなりの視点が有るんだと思います」


「もっと、警察の身体検査みたいなのかと思ってた」

「怖いこと言わないでください。センパイは警察に身体検査された経験があるんですか?」


「あるよ。就職する前にね」

「それって、イロイロされたんですか?」

 秦さん。変なことを考えてる?



 搭乗待合室は、それなりの混雑をしていた。

 スマホの時計を見れば、13:00になっている。

 彼女の話では、そろそろ搭乗できる筈だと言う。

 液晶表示の案内板を見れば、搭乗ゲートへの誘導が表示されている。


「もう、乗り込めるみたいだね」

「行ってみましょう」


 彼女と連れ立って係員さんに尋ねると、搭乗可能だと言う。


「センパイ。トイレを済ませて乗りましょう」


 彼女のアドバイスに従いトイレを済ませ、再び彼女と連れ立って搭乗ゲートに向かう。


「あの飛行機ですね」

「どれどれ?」

 彼女の指差す飛行機を見るが、大きい感じはしない。


「あの大きさの飛行機もあるんだね」

「以前から大きさは変わらないです。もしかして、もっと大きい飛行機だと思ってました?」


「秦さん。何度も言うけど、俺は飛行機初心者だよ。他の飛行機と比べただけだよ」


 そんな会話をしながら、搭乗ゲートを通過して飛行機へ向かう。

 先行く人には、小振りなキャリーバッグを連れている人、お土産袋を手に持つ人と様々(さまざま)だ。


 そうした方々を見て、彼女が言っていた


〉基本的に荷物は全て預けます。

〉お土産も何もかも預けます。


 の言葉が理解できた。

 人により、機内に手荷物として持ち込む様子ようすが様々なのだ。


 少し早歩きで飛行機に乗り込み、CAキャビンアテンダントさんの誘導に従い自分達の席を見つけ無事に搭乗を終えた。


「ふう。何かお腹が空いてきたね」

「センパイもですか?私もお腹が空いたな~って思ってました」


「隠岐の島に着いたら何か食べれるの?」

「う~ん。どうだったかな?」


「秦さんは。隠岐の島の空港で食事したことは無いの?」

「隠岐の島をなめないでください」

 秦さん。誰もなめてません。


 どうやら、俺が抱いている空港に対するイメージと、彼女が抱いている空港のイメージに大きな差があるようだ。

 俺が空港に抱くイメージは、今実際に利用しているこの伊丹空港とか、映画で見たイメージしかない。


 あの映画はたしか…


 パスポートが無効になり空港ターミナルに男が閉じ込められてしまう。

 CAキャビンアテンダントとのロマンスあり。

 空港で働く従業員とのコメディあり。

 そんな作品を見た記憶がある。


 あの映画を見て、空港にはイロイロな人々が関わっているんだと感じた。

 空港にはイロイロな設備があるんだと学んだ。


 隠岐の島の空港はどうなのだろう。


 ここまでの彼女の話では、お土産物は隠岐の島の特産品が多い。

 飲食可能な施設は……


 実際に着いてみてから見て回る時間があれば、地方空港の様子をこの目で見てみたい。


 そんなことを考えていると、機内の全ての座席が埋まった感じがする。

 機内のざわつきが一度に増したのだ。

 きっとツアー客が乗り込んできたのだろう。

 2名のCAキャビンアテンダントさんが、次々と頭上の荷物入れにツアー客の荷物を入れて行く。

 全ての荷物を入れ終え、暫くすると機内アナウンスが流れた。


『… この飛行機は……中略……飛行時間は約50分を予定しております。それでは快適な空の旅をお楽しみください。』


 シートベルトの状態を確認していると、機体が動き始めた感じがした。


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