13-2 USJ
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
通称USJを雨の中でも楽しんだ。
彼女はアトラクションの混み具合を事前に調べていた。
彼女のプランは、激混みのアトラクションを華麗に避け、数を楽しむタイプのものだった。
楽しんだアトラクションは…
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レストランで食事も楽しみ、ビールも楽しんだ。
後半に入って、元気だった彼女も疲れが見えてきた。
それでも雨が上がって元気を取り戻す。
アトラクション待ちの列に並んで体力が削られる。
アトラクションを楽しみ、再度、元気が戻ってくる。
そんなUSJの楽しみ方だった。
それにしても、さすがはGWだ。
そろそろ尋常じゃない混み具合になってきた。
飲み物を購入して、なんとか空いているベンチに座り一休み。
「秦さん。実家へのお土産とかはどうするの?」
「親族が多いから数で勝負です。」
「そんなに多いの?」
「祖母で1人分。父母で2人分。兄の一家で3人分。叔母の一家で4人分×3=12人分。」
「……」
「センパイ、合計すると何人分になりますか?」
「18人分?」
「正解です。予備を含めて25人分が必要です。」
「そ、そんなに?」
「それよりセンパイ…」
「どうした?疲れたのか?」
「この混み具合だと、この後は人混みを見るだけになりそうです。」
「確かにそうだね。ホテルに戻るか?」
「ええ、そうしたいです。」
「さっき話してたお土産はどうする?」
「ここで買うと荷物になるんで諦めます。」
「諦めて、大丈夫なの?」
「あのホテルには、UNIVERSAL STUDIOS STORE もあったんで、それで済まそうと思います。」
彼女の様子からして、かなり疲れているようだ。
「センパイはどうするんですか?」
「えっ?俺?」
「お婆ちゃんに、お土産無しですか?」
「ホテルに戻ったら、秦さんに一緒に選んで欲しい。」
よしよし。上手く切り返せた。
あれ?
秦さん。そんな目で俺を見ないで。
「センパイは、お婆ちゃんへの『愛』は無いんですか?」
「秦さん。疲れてるでしょ?」
◆
疲れた彼女を伴って、何とか自力でホテルに戻ってきた。
フロントに向かう前に、彼女の言っていたホテル内の UNIVERSAL STUDIOS STORE を軽く覗いてみた。
お土産に良さそうな小物から、被り物まで売っている。
彼女を見れば、店員さんと談笑している。
人混みを離れたことで、元気を取り戻してきたようだ。
「じゃあ、写真撮影して良いんですね?」
「今の時間ならば、お客様も少ないので大丈夫です。混み始めましたらお声がけさせていただきます。」
「ありがとうございます。」
そう言って彼女はスマホで撮影を始めた。
小物を手に取ってはパシャリ。
陳列に戻してはカシャリ。
挙げ句には俺にスマホを渡して、自分がグッズを手にしている姿を撮れという。
USJ内でもかなり撮影していたが、ここでもそれなりの量を撮影していると思う。
店内を回り終えた頃、小野山コンシェルジュが視界の隅に見えた。
小野山コンシェルジュは店員さんと何か話をしてから、声をかけてきた。
「門守様、秦様。お帰りなさいませ。USJは楽しめましたか?」
「はい。楽しかったです。1日では足りないですね。」
秦さん。俺は一日でヘトヘトです。
「それでは延泊の手配をしますか?」
「いえいえ。明日は実家に戻りますので。」
「お土産物は、こちらで購入されて宅配便での送付も可能です。そろそろ混み始める時間ですので後程カタログを部屋へお届けして宜しいでしょうか?」
なるほど、言われてみれば店のお客さんが増えている気がする。
さりげない誘導だ。
店の敷地を出たところで、小野山コンシェルジュから夕食の予定を尋ねられる。
「夕食はいかがなさいますか?」
「急な予定変更で、ご迷惑になりませんか?」
「昨日と同じビュッフェスタイルも、専門店レストランも、ルームサービス形式も、全て準備できます。」
「ありがとうございます。今日もビュッフェスタイルでお願いできますか?」
彼女は昨日と同じが希望なんですね。
「それでは席の手配をしておきます。」
そういって小野山コンシェルジュは去っていった。
「秦さん。お土産物は今買って行く?」
「いえ、後でカタログを見て決めます。お風呂に行って晩御飯が食べたいです。」
「よし。部屋に戻ろう。」
店員さんにお礼を述べ、二人で部屋に戻ることにした。
フロントでカードキーを受け取る。
その時に気が付いた。
案の定というか、やっぱりと言うか、借りていた傘を忘れているのに気が付いた。
エレベーターに乗り雨具を忘れた件を彼女に切り出すと、彼女はバッグから未開封のパッケージに入れられたカッパを見せてきた。
「ず~と、センパイと相合い傘でした(ハート」
「そ、そうだったね(汗」
その言葉を合図に、彼女は俺の腕に自分の腕を絡ませてくる。
そういえばUSJの人混みの中でも、こうしていた気がする。
綺麗な彼女からこうされるのは、悪い気はしない。
彼女と腕を組んでエレベーターに乗り込む。
部屋には彼女をお姫様だっこして入って、ベッドまで抱えて行こう。
そして昨夜のように彼女を愛そう。
部屋のあるフロアにエレベーターが到着し、廊下に出ると部屋の前に小野山コンシェルジュが待っていた。
彼女と腕を組みながら部屋の前に進むと、小野山コンシェルジュが少し照れくさそうに挨拶してくる。
俺が抱いていた、邪な考えはバチが当たるんですね。