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地元で

 手土産に冷凍餃子を買い込んで、飛行機に乗り込んだ。餃子は宇都宮餃子だ。要するに、関東土産である。冷凍食品を保冷剤だけで持って帰れるくらい、高松は近い。

「ただいまー。」

店の方から入った。

「これ、宇都宮餃子。良かったらまかないで出して。」

「清太郎さん、お帰りなさい。」

「わーい、餃子!」

バイトの子達が出迎えてくれた。

「おや、お帰り。無事に活動できたかい?」

母ちゃんが出てきた。

「ああ、もちろん。あのさ、母ちゃん。俺、これから店の手伝いをしようと思うんだけど、いいかな?」

早速切り出す。

「いいけど・・・どんな風の吹き回しだい?ああそうか。ボランティアやってきて、働きたくなったんだね?」

母ちゃんが分かったぞ、という顔で言う。

「まあ、そんなとこ。」

まずは働かせてもらって、それから徐々に新しい商品を考えて行き、いずれ製品化しよう。いきなりこれを出せ、なんて上から言えるわけがない。

「千さん、邪魔にならないようにするから、皿洗いでも何でもするから、働かせてくれ、この通り。」

俺は、厨房にいる千さんに向かって頭を下げた。

「やめてくださいよ。やりたいようにやってください。ゆくゆくは清太郎さんの店になるんですから。」

千さんは明るくそう言った。

「え?」

ゆくゆくは、俺の店?ああ、母ちゃんがいなくなれば、俺が相続するって訳か。考えた事もなかったな。

「ありがとう。よろしく頼むよ。ああ、みんなも。」

バイトの子たちにも頭を下げた。みんなにこにこ笑っていた。


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