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第91話「芽生えた恋心」

前に一日二話以上登校する時は予め前書きに書いてほしいと要望があったので、書きます(/・ω・)/

この話は本日三話目です!


ヘイト回だったから前の反省を生かし、徹夜でまとめて三話書いたから眠いです……(笑)

「うぅん……ここは……?」

「あ、目が覚めたんですね! ここは車の中です!」

「あれ、カミラちゃん……?」

 桜が目を覚ますと、どうしてかカミラちゃんが目の前に居た。


「はい、カミラです! お久しぶりです、桜ちゃん!」

「うん、久しぶり……。あれ? どうして桜は車に乗ってて、カミラちゃんがいるの?」

 確か桜は岡山県に居たはずだから、カミラちゃんが居るはずないよね?

 しかも、桜は確か山の中で――あ!


「お兄ちゃんは!? お兄ちゃんはどうしたの!?」

「大丈夫……カイは後ろで寝てる……」


 桜がお兄ちゃんについて心配すると、前に会った金髪のお姉さんが優しく微笑んでくれた。

 そして、桜が寝ている間の事を全て教えてくれたの。


「そうなんですか……。お姉ちゃんがそんな事に……」

 金髪のお姉さんが桜達とお姉ちゃんを離れ離れにしたと聞いて、どう答えたらいいのかわからなかった。


「怒ってる?」

 金髪のお姉さん――アリスさんは、桜の顔を見ながらそんな事を聞いてきた。


「ううん、怒ってません。だって、お姉ちゃん達の事を思ってしてくれた事なんですから」

 桜の目でアリスさんが嘘を言っていないのはわかっていたから、桜はすんなりと頷いたの。

 だって、お姉ちゃんが成長してくれて、雲母さんと仲良くなってくれるんだったら、桜は嬉しいから。


「……でも、お姉さまは結構本気で怒ってましたよね? あれって成長するためとかの理由はあったかもしれませんが、本気で傍に居てほしくないって事も思ってましたよね?」

 桜とアリスさんの会話を聞いていたカミラちゃんが、アリスさんにそう突っ込んじゃった。


 そして――すぐに、アリスさんの手がカミラちゃんのほっぺに伸びてきた。

「本当この子は……口を縫い付けようかな……」


「ひたひですひたひです! おねぇひゃま、つねらないでくだひゃい!」

 アリスさんに頬をつねられてるせいで、カミラちゃんは涙目になっちゃった。

  

 そしてそんな二人の間に入ったのが、前にもあった事がある白兎先輩だった。

 白兎先輩はカミラちゃんの代わりにアリスさんに謝ると、カミラちゃんの頬をナデナデしてた。


 カミラちゃんはその行為を嬉しそうに受け入れてる。

 白兎先輩は確か男の人だから、二人は付き合ってるのかな?


 凄く仲が良い二人を見て桜はその事が気になっちゃったけど、それよりも桜は、アリスさんに聞いてみたい事があったの。

「あのアリスさん、ちょっと聞きたい事が――」

「うん、じゃあ二人だけで話そうか」


 アリスさんはそう言うと、運転手の方に指示をしてファミレスに寄ってくれたの。

 それになんだか、いつもより口調が流暢りゅうちょうになってた。


 ファミレスに入った後は、カミラちゃんと白兎さんは離れた席に座ってくれて、桜とアリスさんの二人っきりになれた。

 二人っきりになれた桜は、前に桜と同じような目を持ってるみたいな事を言ってたアリスさんに、黒いモヤモヤなどについて聞いてみたの。

 でも、桜の目とアリスさんの目は少し違うみたいで、アリスさんにはモヤモヤが見えないらしい。


 だけどアリスさんは、今まで桜が見てきたモヤモヤについて真剣に聞いてくれたの。

 その話には、今日お兄ちゃんが黒いモヤモヤをまとっていて、悪い人判定になってた事も言った。

 でも、お兄ちゃんが悪い人判定が出たと言っても、アリスさんは全然驚いてなかった。

 まるで、予想していたみたいに。


「一つ聞くけど――ちびっ子天使は、カイの事が怖い?」

「え……?」

「だって、カイはちびっ子天使が避けてる悪い人だったんでしょ? だから、カイが怖く見えてるかどうか知りたいの。今日は大暴れもしてたしね」

「怖くないです!」


 桜はアリスさんの質問に即答したの。

 だって、お兄ちゃんは本当に怖くないもん。

 確かに今日、お兄ちゃんは相手の人を凄く殴ってた。


 正直死なせちゃったらどうしようとも思ったよ。


 でもね――お兄ちゃんは、桜の為に怒ってくれてたの。

 それが桜には凄く嬉しかった。

 

 だからこそ、桜のせいで犯罪者にはなってほしくなかったの。


「君は本当にすごい……」

 アリスさんはそんな桜の事を見て、優しい笑顔を浮かべてくれた。 

 桜はちょっと照れちゃう。


「そんなことないです」

「ううん、目に見えた物だけでなく、ちゃんとカイの心理まで理解できてる君は凄いよ。それに――カイを止める為に、自分の身体を投げ出した。自分が蹴られたら、カイが正気を取り戻す事に気付いてたの?」

「あ、いえ……ただ、お兄ちゃんを止めたくて一杯一杯だったので……」


 アリスさんの言うような、お兄ちゃんが正気に戻れるとかそんな事は全然考えてなかったの。

 あの時の桜はお兄ちゃんを止める事に一生懸命で、気付いたらお兄ちゃんとあの蹴られていた人の間に飛び出しちゃってたから。


「なるほど無自覚に……。でも、君のおかげでカイはギリギリの所で踏みとどまれた。だから、君が気になっているそのモヤモヤについて教えてあげる」


「え、アリスさんにはわかるんですか!?」

 桜が今まで悪い人判定につかっていたモヤモヤの正体について、アリスさんは教えてくれると言ってくれたの。

 でも、アリスさんはモヤモヤが見えない筈なのに……。


「アリスが見える訳じゃないから断言はできないけど――そのモヤモヤは、その人が他人をめたり、おとしいれようとする気持ちをもっているかどうかだと思う」

「そうなんですか?」


「うん。ちびっ子天使は、カイの従妹が黒く見えてたんだよね?」

「あ、はい……」

「でも、その子は実際に悪い子だった?」

 桜はアリスさんの言葉に凛ちゃんの事を思い出してみる。


 凛ちゃんはお兄ちゃんの事となるとたまに怖くなるけど、桜のお願いを聞いてくれたり気遣いが出来たりと、凄く良い子だった。

 だから、桜はそのままをアリスさんに伝えるの。


「だよね? じゃあなんでそんな子が黒く見えたのか――それは、彼女がカイに関わる女の子を陥れる考えを持っているからなの」

「あ、たしかに……」


 アリスさんの言う通り、凛ちゃんはお姉ちゃんに対してその考えを持ってるの。

 だから桜は頷いちゃった。


「そしてカイが黒く見えたって事だけど――あの時のカイは、あの男達の人生を終わらせてやるくらいの気持ちをもってたはず。だから、助けに来たカイの事が黒く見えた。逆に猫耳爆弾が白く見えたのは、あの子が人を陥れるとかそんな事を考えてないからなの。あの子は訳あって男を嫌うけど、いくら男でもその人の人生を壊したり、嵌めてやろうなんて事を考えていない。でも、一般の男にすぐ薙刀なぎなたを模した木刀で叩いてるんだから、猫耳爆弾こそ悪い人じゃないと駄目だよね?」


「カミラちゃんは良い子だから……」


「それは、ちびっ子天使が女の子だからそう思うだけ。男からすれば猫耳爆弾は凄く迷惑。それなのに良い人判定が出るのは、他人を嵌めたり陥れたりしようって考えがないからだと思う。そしてこの世界のほとんどの人間は、大小違いはあれど、人を嵌めたり陥れようとしてるの。だって、自分が実力をつけるより、相手が落ちて来てくれた方が楽だから。つまりちびっ子天使に、ほとんどの人が悪い人と見えてるのはそういう事。そして、やっぱり人を嵌めたりしようとする人間は悪い人だから、ちびっ子天使の考え方はあってるの」


「だったら、お兄ちゃん達もやっぱり悪い人なんですか……?」

 アリスさんの話を聞いてて、桜の目の判定は間違えてないんだと思った桜は、アリスさんにその事を聞いてみる。


「うぅん、そこは難しいとこだね。カイはちびっ子天使の為にああなった。それを君はどう思う?」

「正直……凄く嬉しいです……」

 だって、お兄ちゃんがあれだけ怒ったって事は、桜はそれだけ大事にされていたって事だもん。


「だよね? でも、他の人からすれば、あそこまでしたカイの事を頭がおかしい――危険な子って判断する。だから、人によって悪い人ってのは判断が違うの。アリスがその事で言えるとしたら、君の為に行動したカイの事を嫌わないで欲しいという事だけ」

 アリスさんは優しく桜にそう言うと、頭をナデナデしてくれた。


 気持ち良いから桜は少しだけその行為を受け入れると、ハッキリとこう言ったの。


「お兄ちゃんの事は大好きだから、絶対嫌いません!」

 ――と。

 

 アリスさんは桜の答えに嬉しそうに笑うのでした――。

 




「お兄ちゃん……」

 桜は今、車の中で寝ているお兄ちゃんの所に来てた。


 アリスさんが言うには、お兄ちゃんの心は壊れてしまってるらしいの。

 

 桜のせいでそんな事になってしまったと思うと、とても辛い。

 でも、お兄ちゃんの寝顔を見ていると、桜の胸は凄くドキドキしてるの。


 そして凄く思う。

 お兄ちゃんを誰にも盗られたくないって。


 多分決定的だったのは、お兄ちゃんが桜を助けに来てくれたから。

 その時に桜は凄く嬉しくて、胸の中がキュンっとしたの。


 今ならこれが何なのかわかる。


 桜はお兄ちゃんの事が、男の人として好きなんだ。


 だから、もうお兄ちゃんの傍から離れたくない。

 お兄ちゃんにもっと桜を求めて欲しかった。


「大好きだよ、お兄ちゃん」

 

 お兄ちゃんに対する気持ちが我慢できなくなった桜は、お兄ちゃんが寝てる事を良い事に、そう言ってお兄ちゃんのほっぺにキスをしてみるのでした――。


いつも読んでいただき、ありがとうございます!


この話で第三章――桜ちゃんの章は終わりになります(*´▽`*)


この章は皆さんにとってどうだったでしょうか?


面白かった、ヒロイン達が可愛かったと思っていただけたなら、評価をして頂けると凄く嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


何より、感想を頂けると凄くモチベーションがアップしますので、感想が頂けると嬉しいです(#^^#)


さて次の章は――いよいよ彼が出てきます!

ただ、すぐには出てきませんが(笑)


これからも『ボチオタ』をよろしくお願い致します(#^^#)


今後の作品作りの為に、指摘などもお待ちしております!

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