第263話「アリスルート25」
新作
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました 』
を公開致しました!
学校のマドンナと偽カップルを演じていき、
次第にお互いを理解して中を深めるじれ甘ラブコメです(≧◇≦)
『お隣遊び』が大好きな方にも楽しんでもらえる要素がありますので、
是非是非よろしくお願いします♪
※140話分書き溜めてありますので、当分の間は毎日更新できそうです!
後書きの下のタイトル名をクリックして頂けると作品に飛べますので、
楽しんで頂けますと幸いです(≧▽≦)
「――それにしても、律儀だね? 休日にわざわざ他校にまで来て、クロヤンの手伝いをしてあげるなんて」
校内を見回しながら歩いている中、隣にいる花宮さんが不思議そうに俺の顔を見てきた。
今日顔を合わせたばかりの相手なのに、まるで友達と話すかのように自然に話してくるのが凄い。
見た目は完全にギャルなので、噂通り人付き合いは得意なのだろう。
「龍にはお世話になったから、その恩返しだよ。それに、クリスマス会当日はアリスさんを連れてきていいって言ってくれてるから」
俺がそう返すと、花宮さんはニィッと意地悪な笑みを浮かべる。
「かわいい彼女のために引き受けてあげてるんだ~? あのアリスちゃんを落とすなんて、カイ君も隅に置けないな~?」
ニマニマとした笑顔で、容赦なくいじってくる花宮さん。
初対面の相手にするノリじゃない。
「そういう関係ではないよ……」
こういったギャルをまともに相手しては駄目だ、というのは雲母を通じて学んでいる俺は、面白い反応を返さないように努めた。
彼女のおかげで、だいぶギャルに対して免疫は付いたと思う。
……まぁそれでも、やりにくい相手には変わりないが。
ほんと、案内役は華恋さんだけでよかったのでは……?
「華恋に任せようと思っても無理だよ? この子、あまり校内出歩かないから、普段使うところしかわかってないもん」
「心を読まないでくれ……」
俺の考えたことを敏感に読み取った花宮さんに対し、俺は思わず苦言を呟いてしまう。
というか、今の発言は華恋さんに失礼だろ……。
「……♪」
当の本人は、まったく気にしていないようだけど。
まるで幼い子供かのように、ご機嫌そうに鼻歌を歌っている。
俺たちの会話なんて聞いていなかったようだ。
「それよりも、どう? 問題なさそうかな?」
華恋さんに気を取られていると、花宮さんが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
先程までふざけていたのに、突然真剣な表情をするのだからよくわからない人だ。
それだけ、この企画に心配をしているというのがあるんだろうけど。
「多分、問題ないと思う。必要な機材は龍のほうで手配してくれるみたいだし……龍の恋人のためだってことだから、頑張っていいものにするよ」
今回のクリスマス会は、龍にとって最初で最後の恋人と一緒に参加するクリスマス会らしい。
だからこそ、思い出に残るものにしたくて、俺が呼ばれたというわけだ。
「いろいろあったからね……後悔のないものにしてあげたいよ」
花宮さんは、そう言って優しさに満ちた温かい笑みを浮かべた。
この子にとっても、龍は大切な存在なのだろう。
見せないようにしているだけで、彼に恋心を抱いているのではないだろうか?
しかし、龍には既に恋人がいる。
そのことに関して、彼女はいったいどう思っているのか気になった。
読んで頂きありがとうございます!
新連載の
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました 』
は、あとがき下のタイトル名をクリックでも作品ページに飛べますし、
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