表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

192/272

第184話「妹との話し合い」

皆様が応援してくださってるおかげで、『ボチオタ』二巻発売が決定致しました!

本当にいつもありがとうございます(*´▽`*)

「…………俺たちも、帰ろっか?」

 断末魔みたいな声を上げて連れて行かれたカミラちゃんを見届けたあと、隣に立つ桜ちゃんに声をかけた。


「うん!」

 桜ちゃんは先程の光景を見ても何も思っていないのか、元気よく頷いて俺の腕へと抱き着いてきた。

 その際に凄く柔らかい感触が右腕を包む。


 俺はなるべくその感触を意識しないようにしながら、先程の衝撃的な光景を思い返していた。


 ほんと、青木先生って神出鬼没だよな……。


 ――って、そうだ。

 色々とあって忘れかけていたが、桜ちゃんに話があったんだった。


 話がある事を思い出した俺は、足を止める。

 すると、桜ちゃんがキョトンっとした表情で不思議そうに俺の顔を見上げてきた。

 

「桜ちゃん、ちょっといいかな?」

「うん?」


 声を掛けると、やっぱり桜ちゃんは首を傾げながら俺の顔を見てくる。

 いつも通り、ジーっとこちらを見つめている感じだ。


 さて、どう切り出そうか?

 変な言い方をして、怒ってると思われたくないし……。

 

 でも、実際怒りたいのは怒りたい。

 桜ちゃんがした事は、軽い気持ちでしていい事ではないのだ。

 一度約束してしまったものは仕方ないが、今後このような事をしないように注意しておきたい。


 どう言えばいいのだろうか?


「……ごめんなさい」

「え?」


 頭を悩ませていると、なぜか急に桜ちゃんが謝ってきた。

 その様子はシュンっとしていて、まるで怒られているかのような態度だ。


「ちょっ、え? どうしたの?」

「お兄ちゃん、怒ってるよね……?」


 おいおい、嘘だろ……?

 俺まだ何も言ってないんだぞ?

 どうして怒ろうとした事がバレたんだ?

 もしかして、表情から察したのか?


 いや、そんなあからさまに怒っているような態度は見せていないはずだ。

 じゃあどうしてこの子はわかったんだ?


 …………相変わらず、この子は底が知れないな……。


 時々見せる妹の計り知れない才能に戸惑いながらも、俺は首を横に振りながら口を開く。


「別に怒ってないよ。ただ、桜ちゃんに聞きたい事があるんだ」


 なるべく優しい声を意識して、桜ちゃんに話し掛けた。

 怒りたいといっても、怒鳴ったりしたいわけではない。

 もう同じような事をしないように、注意したいだけなんだ。


 怒られてると思われると、委縮させてしまって伝えたい事が届かない場合だって多い。

 だから、ちゃんと会話をしようと思った。


 ……別に、桜ちゃんが可愛いから怒りたくないとか、そんなんじゃない。

 ……うん、そんなんじゃないからな?


「聞きたい事って、アリア先輩の事……?」

 やはりこの子は察しがいい。

 俺が何を聞きたいのかまでを理解している。


 それに多分、この子もわかっているんだ。

 アリアが持ち掛けた話に乗れば、俺が怒る事を。


 それでも話に乗ったという事は、この子なりの考えがあるはずだ。

 まずはそこを聞いて、理解する必要がある。


「うん、そうだよ。どうして、自分を賭けるような事をしたんだ? 桜ちゃんにメリットなんてないだろ?」

「そうだね……」


 俺の言葉に桜ちゃんは頷いた。

 この反応を見るに、何か見返りがあったというわけでもなさそうだ。

 

 桜ちゃんは一度目を閉じたあとすぐに目を開き、俺の目を見つめてきた。

 そして小さな口をゆっくりと開く。


「桜はね、お兄ちゃんを信じてるの」


 桜ちゃんが発したのは、なんとも予想外な言葉だった。

話が面白い、キャラが可愛いと思って頂けましたら、感想を頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『新作です……!』
↓のタイトル名をクリックしてください

数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました

『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ