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ボッチのオタクである俺が、学内屈指の美少女たちに囲まれていつの間にかリア充呼ばわりされていた   作者: ネコクロ
波乱まみれな学園生活

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第126話「対抗心を燃やす義姉」

「意地悪な魔界の姫と共に『無能者』は英雄になる」をハイファンタジーにしました(#^^#)

読んで頂けると嬉しいです!

「むぅ……」


 私は屋上の扉に隠れて、笑顔で話しをしている海君と小鳥居さんを見ていた。

 なんで私がここにいるのか――それは、生徒会室で仕事をしていた私に、一つのメッセージが届いたから。


 そのメッセージがこれなの。

『桃井さ~ん! 大変だよ(`・ω・´) 彼氏さんがクリーム色の髪をした美少女と学園で浮気してた\(◎o◎)/』

 

 これは青山さんが私に送ってきたメッセージ。

 彼女は私相手でも距離感を遠慮なしに詰めてくるから、数少ない私の友達の一人なの。


 ……最近、海君より私のほうが友達少ないんじゃないかと思ってきた……。


 ま、まぁ、それはともかく……彼女が言う私の彼氏とは、海君しかいない。

 今日だって、如月先生に呼ばれてるから学校に来るって言ってたもん。


 私が生徒会に行く時間とずれてるから一緒に来れなかったけど、生徒会が終わるまで待っててくれるって海君が言ってくれたから、一緒に帰れるって楽しみにしてたの。

 だから生徒会の仕事を頑張ってたのに、こんなメッセージがいきなりとんできて私が海君を探さないわけがない。

 

 そしたら……そしたら、なんであの子がここにいるの!?

 しかも、この学園の制服を着てるし!


 私は海君の横に座る小鳥居さんを見た時、驚きを隠せなかった。

 本当は、今すぐ二人の間に割って入りたい。


 でも、今邪魔しちゃうと、海君に嫌われちゃうと思った。

 それに、なんだか入っていける雰囲気じゃないし……。 

 

 うぅ……海君楽しそう……。


 私は楽しそうに話す海君を見て、胸が苦しくなってくる。


 あの笑顔は、私だけに向けてほしい。

 他の女の子なんて見てほしくない。


 そんな気持ちが、心の中から湧いてくる。


 ……いいもん、あんなポッとでの子なんかに負けないもん。

 海君は、私だけのものだもん。


 私は海君の隣で笑う小鳥居さんに、対抗心を燃やすのだった――。





 あれから数時間春花と話した後、学園生たちも部活に戻っていた為、彼女だけ先に帰らせた。

 春花はどうやら東京に住んでいるらしく、わざわざ東京からこの学園に通うそうだ。

 そこまでして俺に会いに来てくれたというのが……まぁなんというか、嬉しい。


 本当なら駅まで送っていきたかったが、咲姫との待ち合わせがある為、悪いけど春花一人で帰ってもらった。

 春花と一緒にいる所を咲姫に見つかると、それはそれでめんどくさそうだし……。 


「――おまたせ、海君!」

 俺が空き教室で待っていると、笑顔で咲姫が現れた。


「あぁ、じゃあ帰ろうか」

 さすがに待っていると事前に連絡しているから、『いや、今来たところだよ』みたいなテンプレ台詞は言わない。

 生徒会が終わったのは夕方だった為、もうほとんどの生徒が帰っている。

 だから俺は安心して教室を出たのだが……。


「なんで、自然に手を握って来てるの?」

 教室を出てすぐ、咲姫が俺の左手を握ってきたのだ。

 最近咲姫のスキンシップには慣れてきた為緊張したりはしないが、いきなり手を繋がれるとビックリする。


「だめ……?」


 俺が咲姫の顔を見ると、彼女は首を傾げておねだりをするように上目遣いで聞いてきた。


 ……うん、何この子?

 かわいすぎじゃね?


「別にいいよ」

 咲姫の可愛さにやられた俺は、赤くなっているであろう顔を見られないようにソッポを向いて答えた。


「えへへ……」

 俺が了承すると、咲姫は嬉しそうにしながら俺の手をニギニギと握り始めた。

 本当に、可愛すぎる……。


 というか、咲姫は学園にいたのに今日の騒動に気付かなかったのだろうか?

 一応渦中の一人だし、誰かが連絡しそうだから気づかないはずが無いが……咲姫が雪女になっていないということは、きっと知らないのだろう。

 

 まぁ知らないのなら、何も言わなくていいや。

 明日になれば知られる可能性もあるが、自分から雪女を呼び起こす必要は無い。


 なんせ――


 俺はチラッと、咲姫を見る。

 咲姫はなんだか嬉しそうにニコニコとしていた。


 ――こんなに可愛いんだ。

 怖い雪女と可愛い美少女なら、誰だって後者を選ぶだろ?


「ねぇねぇ、海君」

「ん? どうした?」

「寄り道したいんだけど、いいかな?」


「……いや、駄目だろ?」


 俺や雲母ならともかく、生徒会役員で完璧美少女と名が通る咲姫が、制服姿で寄り道をするのは良くないと思い、俺は咲姫の言葉を否定した。

 すると、咲姫はショックを受けたようであからさまに落ち込んでしまった。


「あ、いや……どこに寄りたいんだ?」

 

 咲姫がシュンっとしてしまった為、悪いことをしてしまったと思った俺は彼女の寄りたいとこを聞く。


「私の誕生日の日に一緒に行った、綺麗な夜景が見える丘……」


 チラチラと俺の顔を見上げながら、咲姫は行きたい場所を教えてくれた。

 咲姫の誕生日に行った丘となると、確か東京にある清水町の丘だったな。


 この間龍と連絡を取り合った時に聞いたことだが、清水町は龍が住む町らしい。


 そして清水町の丘は――紫之宮財閥次女、紫之宮楓さんと結ばれた場所でもあるとか。


 その話を聞いてから、俺ももう一度あの場所に行きたかった。

 まぁそれと、何処かのお店に寄るわけじゃないから、ギリギリセーフだと思ったのもある。


 だから、咲姫の言葉に頷いた。


 それから俺たちは電車に乗って、清水町の丘に向かうのだった――。

『ボチオタ』を読んで頂き、ありがとうございました!

この話が面白い、キャラが可愛いと思って頂けましたら、評価や感想、ブックマーク登録を頂けると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


また、余談にはなりますが、時間軸を変えてあるヒロインとくっつくスピンオフを書こうかと思っております(^^)/

もしあの時あんなことが起きなければ――という、過去の一部を変えたストーリーとなります(/・ω・)/


いつ載せるかはまだ未定ですが、読んでくださると嬉しいです!

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