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ボッチのオタクである俺が、学内屈指の美少女たちに囲まれていつの間にかリア充呼ばわりされていた   作者: ネコクロ
それぞれが変わる為に

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第121話「二人っきりになりたい」

 俺たちは今、パーキングエリアに来ていた。

 休憩というのも兼ねてだが、この近くで大きな花火大会があるらしい。


 だからアリスさんが花火を見て行こうと言ってくれたのだ。

 

 多分、この夏休みでまともな思い出を作れていなかったから、気を遣ってくれたのだろう。


 まだ花火が上がるのには少しだけ時間があるが、ちびっ子二人は大はしゃぎだ。


 うん、見てて凄く和む。


 カミラちゃんは、とりあえず俺が近寄らない限りは凄く可愛い。

 ……そう、俺が近寄らなければな。


 なんだろう……多分今まで嫌われてきた中で、一番ショックを受けている。

 

 ――だって、猫耳ちびっ子少女だよ!?

 見てて凄く可愛いんだぞ!?


 ……なんで何もしていないのに嫌われないといけないんだよ……!


 俺は一人、ちびっ子二人を眺めながら嘆いた。

 ちなみに、白兎と雲母は席を外している。

 きっと花を摘みに行ってるんだろう。 


 アリスさんは俺の隣で、一緒にちびっ子二人を眺めていた。


 咲姫は――。


 俺が咲姫のほうを見ようとすると、誰かに右手を握られた。


 いきなり手を握られた為驚いてそっちを見ると、咲姫が下を向いた状態で俺の右手を握っていた。


「えっと、どうした?」

「ごめんね……少しだけ、二人っきりでお話ししたい」

 そう言って俺の顔を見上げてきた咲姫は、なんだか目をうるわせていた。


 そのせいと咲姫の可愛さが相まって、凄く色っぽく見える。


 俺は隣にいるアリスさんを見た。

 すると彼女は素知らぬふりをして、ちびっ子二人を眺め続けていた。

 

 どうやら、『行ってこい』と言ってるみたいだ。


「あっちで、話そうか?」

 俺は街灯が一つだけある、ここから離れた場所を指す。

 俺の言葉を咲姫は、コクンっと頷いた。


 移動するのに手を離そうとすると、咲姫がギュッと握ってきた為、手を繋いだまま移動することにする。

 ただ、今の俺は凄く心臓が早鐘を打っていた。


 なんせ、咲姫が可愛すぎるのだ。

 相変わらず、手を繋いでいると甘えるようにニギニギとしてくるし、チラッと咲姫の顔を見て目が合えば、嬉しそうに笑ってくるのだ。


 こんなの、可愛すぎる。


 本当、さっきまでの雪女は何処に行ったんだって感じだ。


 俺がそんなことを考えていると、そこまで離れた距離じゃなかった為、街灯のとこに到着してしまった。

 すると、咲姫が足を止めて俺のことをジーっと上目遣いで見つめてきた。


「それで、話ってなんだ?」

 見つめてくるだけで何も言わない咲姫に、俺は自分から言葉を切りだした。


「その……ごめんね……。私、前に海君に酷いことを言っちゃった……」

 咲姫はなんだか、泣きそうな表情で謝ってきた。

 もしかしたら、怒られると思ってるのかもしれない。


 ただ、俺には咲姫が言ってる意味がわからなかった。

 だから、首を傾げる。


「あ……その、山で……」

 なんのことか俺がわかっていないことに気付くと、咲姫が言いづらそうにしながら場所を言ってきた。

 それで俺はなんのことかを理解する。


 だから、優しい口調で咲姫に答えた。


「あぁ……別に、気にしなくていいよ。俺は気にしてないから」

 

 山で桐山を殴り倒した時、俺は咲姫に拒絶された。

 俺自身を咲姫は否定したのだ。


 だけど、そのことを俺は気にしていない。

 

 むしろ、あんな俺を受け入れられたほうが、俺は嫌だった。


「でも……」

 だけど、咲姫は納得していないようで、口をモゴモゴとして何か言いたそうだった。

 別にもう気にしなくていいのにな……。


 それに――

「いいんだ。それよりも、俺のほうこそごめんな。怖い思いをさせちゃったよな?」

 ――そう、俺のほうが咲姫に謝らないといけないのだ。

 

 あんな、情けなくて、酷い姿を見せてしまったのだから。


「なんで……海君は……そうなの……? 別に……庇わなくても……いいのに……。怒ってくれて……いいのに……」


 どうやら咲姫は、俺の言った言葉は自分を庇ってくれたものだと思ったらしく、泣きだしてしまった。

 そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど、それよりも咲姫がこんなことで泣きだしたことに焦る。


 どうしたものかと思ったが、とりあえず何も言わずに頭を撫でてあやすことにした。

 

 嫌がるかと思ったが、咲姫はその行為を受け入れてくれた。

 だから、咲姫の気持ちが落ち着くまで、少しの間俺は頭を撫で続ける。


「――ありがとう……。もう、大丈夫……」

 咲姫の頭を撫で続けて数分後、咲姫は落ち着いたみたいだ。

 もう必要ないだろうと思い、俺は咲姫の頭から手を離す。


「あ……」

 手を離すと、なんだか咲姫が残念そうな声を漏らした気がしたが、きっと気のせいだろう。


「話は終わりでいいのか? だったら、みんなが待ってるから――」

 俺が『みんなが待ってるから戻ろう』と言おうとすると、咲姫がグイっと繋いでる手を引っ張ってきた。


 どうやら、話はまだ終わってなかったみたいだ。


「プレゼントが、あるの……」

「プレゼント?」

「うん……。もう、結構過ぎちゃったけど、これ……誕生日プレゼント……」

 咲姫は鞄から小さな箱を取り出すと、俺に渡してきた。


「あ、ありがとう」

 思わぬタイミングで誕生日プレゼントを渡されてしまったせいで一瞬戸惑ったが、すぐに笑顔を返した。

 折角用意してくれたんだから、笑顔でお礼を言うべきだと思ったからだ。


「開けていいのか?」

「うん、喜んでくれると、嬉しいな……」

 胸の前で両手の指を交差させながら、期待したような眼差しで咲姫は見上げてきた。


 俺は丁寧に、プレゼントの箱を開ける。


 すると出てきたのは――前に俺が咲姫にプレゼントした、羽のモチーフをしたペンダントだった。


 ……え!?

 これって、前にあげた誕生日プレゼントを突き返されたの!?


 俺は予想外の誕生日プレゼントに驚いて咲姫を見た。

 

 しかし咲姫は、モジモジとして俺の顔を見上げているだけで、嫌がらせをしているようには見えない。


「その……八月の誕生日石のサードニクスをモチーフにした同じペンダントが無くて、特注で同じペンダントの形にしてもらったの。気に入ってくれた、かな……?」

 咲姫は恥ずかしそうにしながらも、上目遣いで俺のことを見つめてきた。

 

 あ……これ、形が同じだけで、前にあげたやつじゃなかったのか……。

 街灯の光しかなかったから、ガラス細工の色の違いには気が付かなかった。


「うん、凄く嬉しいよ。でも、ペアルックみたいになっちゃったけど、よかったのか?」

 俺がそう尋ねると、咲姫はなんだか覚悟を決めるみたいな表情をした。


 その表情を不思議に思いながら俺が咲姫を見ていると、彼女はゆっくりと口を開いた。


「海君、私ね……海君のことが――」

いつも読んで頂き、ありがとうございます(*^^*)


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