5話「武器」
魔法少女・・・。
愛と勇気で世界を救う者。
いや、私の名前的には合ってるかもしれないがどこの世界に特攻服の魔法少女が居るのだろう?
だが、ここで否定すると別の職業を言わなくてはならない。プロレスラーじゃダメだろうか?駄目なんだろうな。
「ま・・・魔法少女です」
恥ずかしい!なんで15歳になってそんな事言わなきゃならねーんだ!
その時玉座の間のドアが忙しく開かれ外から大臣っぽい奴が入って来た。
「国王様!既に魔族が城門前まで!」
ぇ、城門前まで来てるの?この国もう駄目じゃね?
「来たか、魔法少女様こちらをお使い下さい」
そう言って国王は玉座の後ろに飾られていた物を私まで持って来てくれた。
それは、どう考えても低年齢向け魔法少女アニメに出てきそうなステッキだった。
「これは2代目英雄様が御作りになられた魔法のステッキにございます」
いやこれ、見たことあるぞ?確か真央の部屋にあった。真央の大好きだったアニメの主人公が持ってるステッキにそっくりだ。
ということは2代目はあのアニメの主人公?え?そんな事あるの?異世界に存在してるの?
もしくは・・・?
「あの、2代目の名前って・・・?」
私がそう聞こうとした時外から大きな爆発音が聞こえて来た。
「どうやら時間ですな。英雄様・・・。」
そう言うと王様は私の前で跪いた。
「今回、貴女様の魂を悪戯に我が国に呼び、誠に申し訳ない事をしたと思っている。その上もう貴女様に頼る他無い」
一国の王が頭を下げる。
「是非、我が国を救って頂きたい」
助けて欲しいか・・・、ここまでされて「はい、無理です」とは言えない。
でも戦えるのか?わからない・・・。格闘経験と言えば喧嘩かプロレスぐらいだ。
だがもう敵は目の前。
私が悩んでいると横から、ガレオスから声を掛けられた。
「戦え」
一言、たった一言だった。
その一言で私は体の自由を奪われ、走り出した。