4話「英雄召喚」
目を開けるとそこは知らない部屋だった。
知らない石畳の床に何かの魔術的な魔法陣が描かれている。
私は死んでると言う事だが・・・、足はあるな、手もある。服装はそのまま特攻服、取りあえずは魂だけでは無さそうだ。
そして目の前には顔の濃いおっさん、茶色の髪に魔術師的なフード付きマントを羽織っている。
恐らくこいつが私を召喚した奴だ。詰まり私を使役してる奴。
ついでに奥には玉座っぽい椅子に座った皺のあるじいさん。国王って奴か?
そのまま周囲の確認を続けようとしていると終に国王っぽい奴から声を掛けられた。
「ようこそいらっしゃいました英雄様、儂はこの国の王シュトス、3代目シュトスを拝命している者だ」
王様で合ってるらしい、そして拝命制なのか。
「そこに居る者はガレオス、我が国に使えている召喚師じゃ」
こいつも当たりだな、取り敢えずこいつの支配から逃げるか、協力してもらうかしないと絵流を救えない。
「英雄様のお名前を伺わせて頂いても?」
「結城 藍だ」
「勇気に愛ですか、とても素晴らしい名ですな」
私は声を大にして言いたい、自分の名前は嫌いだ。何度この名前で弄られた事か、弄った奴の末路は伏せておこう。
「もし良ければ英雄様の来歴・・・もしくは職業を教えて頂きたい」
来た・・・、一番の難問。勿論私は英雄では無い、喧嘩なら負けなしだったが求めているレベルは全然違うだろう。
ここでの返答を間違えれば・・・どうなる?帰されるのか?ヤバイ、絶対ヤバイ!
「どうしました?もしや貴女様も今までの英雄様と同じ・・・。」
初耳のワードが来た!過去の召喚の英雄が誰かわからないが是非この波に乗っかりたい!
「ほぅ・・・?私以外にもこの世界に来た英雄が居ると?」
「えぇ、過去に2人、60年前と30年前。そしてその者達は偶然にも同じ職業でした」
チャンス!大チャンスだ!今回も同じと言う事にしてしまえ!
「なら、私の職業もわかるだろう?」
「やはりそうでしたか・・・では貴女様も魔法少女なのですな?」
いいえ、違います。