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お知らせ4

年度末、忙しーw

「まず私は……ハイファ・ピアス。


 すでに滅んだ国の王族の末裔なんです」


 ツンデレ幼馴染さんは観念したのか……大きなため息をついてから、鈴木さんの問いかけに応じた。


「………」


 その鈴木さんは、無言のままチラリとマークトに確認の視線をやる。


 その視線の先でマークトは……天を仰いだままだった。


「……どうしたんだい、マークト(湯布院)君?


 彼女のセリフ……いきなりダウトなのかい?」


「いやいや、あなたのセリフが間違いダウトですよ。


 僕ん家、温泉郷じゃないですから。


 いい加減、僕の【前世】の名前を憶えてくださいよ……ていうか、普通に【マークト】って呼んでくださいよ」


 速攻で突っ込むマークト君。


 しかし、そのツッコミに元気がない……やがてマークトは、再び大きなため息をつきながら天を仰いでいた。


「「「 【前世】……? 」」」


 不審そうに問い返すヒロインズ……それに構わず、マークトは疲れたように天を仰ぎ続けていた。


 その彼の脳裏をぐるぐる巡っているのは……パワーワード。


 【名探偵のジレンマ】【テンプレ転生者のテンプレ】……要するに災難が向こうから、しかも次々とやってくることを差す言葉。


 基本的には【女難の相】しか見えない言葉だった。


「(くそう……完全に油断してた。


 僕は【転生者】……そうだよなぁ。


 【幼馴染】や【恋人】が実は【特別な力】を持ってたり、実は【高貴な身分】だったり……王道中の王道じゃないか。


 街道を三歩歩けば馬車襲撃に出くわすほど【テンプレ】な僕が……その可能性を全く考慮していなかったなんて。


 うかつだったよ……)」


 そしてマークトはもう一度疲れた様子でため息をついていた。


「ふむ、そんなに言いづらいんだね……。


 でもそれは即ち……『確証はないけど、心当たりはある』ってことかな……?」


 応じないマークトに、少し心配そうにもう一度問いかける鈴木さん。


 その問いかけに……鈴木さんのおっぱいが、ぷるんと揺れる。


「……え?


 ああ、ええと……そんなところです。


 多分、ハイファが言っているのは……本当だと思います」


 半ばやけくそになりながら、マークトは鈴木さんの言葉を肯定する。


 それは即ち……ハイファが【亡国の美姫】であるという事。


「(【美少女な戦士】と同様、【美しい姫】と自己主張している訳ですよ……)」


 そんな言葉がマークトの脳裏をよぎる。


 さすがにその言葉を口にしない程度の分別は、マークトにもあった。


 そしてそのまま……苦笑を見せる。


「で……僕の妹たちは、その【忠臣】の娘ってわけだ……なるほど、生まれた時からお姫様の護衛兼お目付け役か……そして。


 【王国再興】を目指して……今もそれを実施し続けている訳だ」


「「「 …………っ!! 」」」


 マークト君の見事で完璧な穴のない神算で疑うべくもないまぎれもなくスーパーな推理!!(適当)


 しかしそれにヒロインズは……呼吸すら止まるレベルで驚き、目を見開いていた。


 だが。


 ここで……当然のように、【ある問い】が浮上する。


 無意識に……マークトはその疑念を口にしていた。


「あ、あれ? じゃあ僕は……何処のうちの子?


 娘二人を姫の護衛にするって……【忠臣】って言っていいレベルの御家おいえだよね? ……まあ、平民レベルにまで没落してるけど。


 上の兄貴……長男も、跡取りだから、たぶん知ってるはず。


 じゃあ僕は……そもそも、何でそれを知らなかったんだ?


 ひょっとして僕……【よその子】?


 しかも蚊帳の外に置かれて……ちょっと【悲しい】子?_」


 そう言ってマークトがすがるように見た視線の先……ヒロインズが、先ほどまで見開いていた目を、一斉に反らした。


 マークトの問いかけの答えを……この三人は、知っているようだった。


 すなわち……マークトが、マークトだけが知らないだけで、実は【よその子】だったという事だった。


 唐突に晒された、自分の出生の秘密!!


 それに、マークトは愕然としていた。


 だが同時に……すとん、と納得してしまえる部分もあった。


「(そうだった……俺は【転生者】だった。


 【自分の出生の秘密】に対して……ひどく【無頓着】という隠し属性があったんだ、たぶん。


 ま、まあ僕も……『本来の自分は【日本人】』って意識はあったから、深く追求しなかったのかもしれないけど。


 けど。


 でも。


 もしかしたら……それだけじゃなくって。


 例えば【転生者】の【固有属性】として……上級エリートスキル【(え?なんだって?) (バカッ知らない!)】的なこともやらかしていたのかもしれない……。


 い、いくら何でもそれは、あんまりだろ!!


 恥ずかしすぎる!!!!)」


 そう回想してマークトは……ズボンをはき忘れたままマラソン大会で優勝したぐらいのレベルで、顔を青くさせていた。

話が全然進んでない…w


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