お知らせ2
なんかポイントがじわじわ上がってて嬉しいですw
なお……妹ズの名前はまだ考えていませんww
と……その時。
少々音の大きい玄関の引き戸が、騒音とともに開かれた。
……田舎の家は玄関が広いため、引き戸が基本である。
よほど古い家でも引き戸だけは代変わりしているはずなので鍵自体は付いているが、だいだい鍵など掛かっていない。
地方はセキュリティにおおらかなのだ。
「おはようございますー。 おーい、マークトくーん、【回覧板】持ってきたぞー」
出た、【回覧板】。 要は地域の【お知らせ】などを挟んだ一枚の板を、既読のハンコを押してから次の家に回して情報を水平展開する奴である。
都会でも一部まだ残っている風習……地域崩壊していなければだが。
それは、小人種【鈴木さん】の声だった。
一瞬、身長一八センチの小人が【A4バインダー】をえっちらおっちら運んでいる姿を連想し、ほんわりしかけたマークトだったが……すぐに顔を青ざめさせた。
「お、お前ら………【逃げろ】!!」
「「 ………? 」」
マークトのその言葉の意味を、妹ズは捉えかねた。
マークトは……思い出していた。
先日の【宴】で聞いた、【鈴木さん】の【レベル】を。
そしてそれは、【宴】に出ていないヒロインズは知らない。
「(なるほど……梶田さんの言う通り、【顔合わせ】って、重要だったわ……)」
無意識にそんなことを考えるマークト。
そしてそれは、唐突に始まった。
コロボックル【鈴木さん】の一人舞台が。
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「ん~、面白いことをやってるようだねえ」
そんな声が、急に室内のどこかから聞こえてきた。
しかし……姿は見えない。
「………っ!! だれ………っ!?」
「……こ、これは……潜伏系のスキル……?」
誰何しながら室内を見渡す妹ズ。
しかしその視線は……自分の顔の高さだ。
一方マークトもまた鈴木さんの姿を捉えるとこは出来なかったが……その視線は、畳や机の上にあった。
が、そのマークトでさえも見つけられない。
「えぇと……マークトくん、これはどういう状況なのかねえ?
一応、【村人】の君を保護するのは大前提として……この二人は、どういうレベルで叩きのめしちゃっていいのかねえ?」
姿こそ見えないが……のんびりと、そんなことを問いかける【鈴木さん】。
応じて、マークトは……静かに答える。
「……お嫁に行けるレベルでお願いします」
「ははっ、そりゃ難しいことをいうねえ。 けどまあ、お安い御用だよ」
「な……何をする気……?」
妹ズが静かに問いかえす……どうやら警戒のレベルをいくらか上げたようだった。
そしてその時になって……マークトはやっと【鈴木さん】の姿を見つけた。
【鈴木さん】は……【変わり果てた】で、妹ズの【上の方】の下にいた。
そう、身長一八【センチ】だったはずの【鈴木さん】はいま……身長一八【ミリ】となっていた。
「ふむ、【フキノトウ】解除……【螺湾蕗】へ移行」
そして【蕗の下の人】という意味を持つ【小人】の鈴木さんは今……世界で一番巨大な蕗、螺湾蕗の名前を口にした。
瞬間、鈴木さんの【身長】が一気に巨大化していた。
一八【ミリ】から……女性としては【おおがら】な、一八〇【センチ】へ。
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【おおがら】なおっぱいを、どぷりーんと揺らしながら。
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「「 な……っ!? 」」
目の前で理解不能の出来事が起きると……人は一瞬、硬直してしまうらしい。
これはまさにその状況だった……目の前にいきなり、ビキニアーマーが似合いそうな大柄美人が出現すれば当然である。
「捕まえたよ」
鈴木さんはのんびりした口調で………にっこり笑顔を見せながら、妹ズそれぞれの利き手の手首を掴んでいた。
そして。
「いくよー、【巻き添え転生】ならぬ………【巻き添え小人化】ー」
瞬間……妹ズと鈴木さんの姿が消失した。
消失したとしか思えなかった……なぜなら、三人の女性が【二〇ミリ】以下の極小の小人になってしまったのだから。
「これでいいよねー?」
長座卓の上……【粘土なロイド】の五分の一サイズに縮小された生きた立体造形は、マークトを見上げながら、笑顔で【状況終了】と告げていた。
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「服………脱げたり破れたり、しないんですね………」
「あははは、見たかったのかな?
けど……一応言っとくとね、私、中身は【男】なんだよね。
いわゆる、【TS転生】って奴だね」
「はあああ!???
そ、それはまた、なんというか………ずいぶん拗らせた転生をしましたね………。
【MOTTAINAI】も日本の文化ですが……意味合い的には真逆ですよね」
しみじみ言うマークトだった。
「………」
そんなマークトを……爆乳ツンデレ幼馴染さんが、プンスコしながら睨んでいた。




