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殲滅のピエロ  作者: タカ
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ちょっとずつ更新していきます

 ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ

 目覚まし時計の音が部屋に鳴り鳴り響き、目を覚ます。

 

 時間は7時を少し過ぎたくらいの時間か、起きて飯を食ったら学校に行くか。


 そのままベットから降りて、階段を下りる。

 リビングにある机の上にはごく普通の朝食が置いてあるが人影は一切ない。


 今日も母さんは早くから仕事か、ご苦労なことだな。

 だから今日も朝食は手抜きか、まぁかまわないけどね。だって何を食べようと美味しいとも不味いとも何も感じないから。


 朝食を食べ終え階段を上り2階に戻ると学校の制服に着替える。

 そして階段を下り玄関から家を出て学校へと向かって6月も終わり段々と暑くなってきてるなかを歩く。


 暑い、ただただ暑い。あぁ、こんな代り映えのしない世界で生きてても意味がない気がするな。


 「異世界転生がしたい。」


 あ~あ最近こんな口癖しか出てこないな。


 学校に到着し、生徒用玄関から校舎に入り階段を上がり廊下を歩いて自分の教室に入る。


 「そうなんだー」

 「確かにー笑えるー」


 クラスメイトの人達による雑談や笑い声が教室のあらゆる所から発生してそれが反響して一つの音になったり多くの音になったり、まるで生き物の唸り声のように聞こえてくる。

 

 あぁ気持ちが悪い。吐き気がする。朝食が胃を通り口へと逆流していきそうだ。

 なんでこんなにも意味や価値がないことを喋れるんだろうか。

 みんなが話してる言葉が異国の言葉の様に聞こえ何を喋って、なんで笑っているのかが分からない。


 教室に教師が入ってきてホームルームが始まり、1日の授業が始まる。

 6時間目の国語の時間に教師が一言

 「課題として将来の自分について書いてください」

 と言った。


 将来の自分か、今の自分すら分からないのにそんなもの書けるわけがない。

 それに今を生きている意味も分からないのに未来の必要性も無い。

 こんな人生だったら死んだほうがましだ。


 帰りのホームルームが終わり他のクラスメートたちは部活や遊び等で青春を謳歌しているなか一人だけ学校指定の鞄を肩に背負い教室を出る。

 帰り道を歩きながらさっきの授業での課題について考える。


 将来、未来ねぇ、ダメだ一切分らない。こういう時は遠回りしながら帰るか。


 学校からの帰り道を少しずれた道を少し歩くと人通りが少ない道のすぐ横に、少し大きめのため池のような池がある。

 

 やっぱりここは落ち着くな、この時間帯は暇なじーさんやばーさんと時々主婦がいるくらいだから考え事をするのにはちょうどいい。

 さてもう少し端の方まで行ってみるか。

  

 その体制のまま日が暮れる少し前までずっと考え込んでから岐路につこうと振り返る。

 しかしバランスを崩してしまう。


 「えっ!うわぁっ!」


 そのまま全身が水に沈み息ができなくなる。


 あー案外と苦しいなー、でもこれで将来に悲観することも、社会に失望することもなく死ねる。

 そうやっとこの世界から消えれるんだ。


 「君、大丈夫か!今すぐに助けるからな。」


 うるさいな俺のことを何も知らない奴らは黙っていろよ。

 それにしても眠たいな、ゆっくりと暗闇に沈んでいるみたいだ。

なんだかもう苦しさも痛みさえもないな、後は魂が消えるまで待つだけだな。

 あぁ自分の魂がゆっくりとてもゆっくりと消えていくのがよく分かる。

 これも案外と悪くないな。



 「・・魂・・・どう・・ょうか?」

 「悪く・・・ね、・・少し・妙ね。」

 「でも、時・・・・て選んでい・・・・・の世界・神が・・・・すよ?」

 「そ・・ぇ、いまあ・・・・・条件を・・・・・・のはこ・・・・・ね。」



 誰だ、誰が話しているんだ?世界?神?条件?なんの話だ!答えろ!

 さっきから魂の消滅も止まっている。俺の魂に何をした!

 俺はやっと消滅できるんだ!


 

 「さて、さっ・・魂を・・・・世界に・・・・・にかえましょ。」

 「魂の変質化と適応化が終了しました。」


 

 消えていった魂が形を変えて戻って来ている。

 そして元あった魂さえもがそれに連れられて少しずつ変わっていく。


 「もう聞こえるわね?あなたの願いを叶えてあげるわ。私達の願いは次に会った時に伝えましょう。」

 「また会いましょう、次ぎ会えるのを待ってます。」


 その声と共に二つの存在が消えて行く。

 

 なんだ、魂が何かに引っ張られていく。

 

 次の瞬間に魂がそこから消えるのと同時に魂の中にあった意識が消える。

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