初投稿です。
楽しんで読んでくださったら幸いです。
アルカルド王国には三人の守護者と一人の殲滅者と呼ばれる者達がいる。
その三人の守護者とは
一人めが王を守るためだけに存在し王の守護者と呼ばれる王家直属近衛騎士団団長
二人めが敵国の侵攻時に領土を守る国の守護者と呼ばれる王国軍軍団長
三人めが王国を魔物や邪教から守る火の守護者と呼ばれる女神教の勇者
そして殲滅者とは、
ピエロの様な仮面を付け、他国からの侵攻や魔物の大群進行などの大規模戦闘だけに現れ全てを殲滅する為に『殲滅のピエロ』と呼ばれる者である。
殲滅者とは、他の三人とは立場も保持する権力も全く異なる。
例えば、守護者の三人は上位貴族で平民に対する絶対的な命令権限があり、王に対しても一定の発言権がある。だが殲滅者はただの上位冒険者なので平民に対する命令権限などなく、王に対する発言権などもってのほかで謁見することすら叶わない。
またその他にも殲滅者には無くて守護者にはあるものがいくつかある。
それは王国国民からの支持、羨望の眼差しそして名声だ。
そして守護者には無くて殲滅者にはあるものがたった一つだけある。
それは町や村しまいには同じ冒険者達からの恐怖の視線だけである。
その違いの理由とは王国に所属しているかどうかである。
王国に所属していたら王国から出ていくことも敵国に裏切ることも無く自分達を守ってくれるからだ。
また守護者は全員が貴族であるが殲滅者は冒険者なので、守護者は王からの命令には従はなければいけないが殲滅者は冒険者なので国に所属するのではないので国からの命令には従わなくてもいい。
そして殲滅者が恐れられているのは経歴は名前しか知られておらず、その名前さえも偽名であり、その素顔は『殲滅のピエロ』と呼ばれる理由となったピエロの仮面で隠れている。
そして殲滅者は何処に現れるかが一切わからない。
何のために生き、何のために戦っているかも誰も知らない。
多くの人に嫌われ、
多くの人を拒絶し、
たった一人の友を、
たった一つの思いのために捨てた、そんなピエロのお話。