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序起2
「ああ、いいんですよ。代金は向こうの人からいただいたので。」
そういって男性は出て行った。
「ありがとうございます。」
私はそういって男性がおいていった箱をみた。外から車の音がしていた。
箱のそばに座り込んだ。そして箱を開けていった。
「・・・・・・まあ、かわいらしいこと。」
大きな箱の中にはお人形さんがいた。少女で肌が真っ白で、代わりに真っ黒な髪と服。
堅く閉ざされた目。その目には長いまつげがつけられてあった。
箱からそのお人形さんを取り出してみた。微動だにしなくてただ、じっとしていた。
「一体、どなたが、こんなかわいらしい子を・・・」
そして箱をみた。送り主は書かれていない。少し、不気味だったりする。だから私は、かわいそうながら、その子を庭においておいた。
どこかでみたことのある彼女を(・・・・・・・・・・)。
そして時計の針が時間を刻んでいき、日が暮れて、私はベッドにもぐりこんだ。