表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第一章 1話


「…うわぁ。」


おどおどしい雰囲気の屋敷。

なんかボロイし、壁には蔦が這ってるし、心なしか、ここの周りだけ空が曇ってるような…


「ミリア、ここだよ。」


アリアがわたしの服の裾をくいくい引っ張る。ようは、入れと言いたいのだろう。

仕方なく、そばにあったチャイムを鳴らす。しばらくして、扉が開いた。


そこに立っていたのは、美少年。

灰色というか、銀色っぽい髪がふさふさして、瞳は同じ銀色。ただ、目つきが悪く、身長が低い。服装は、ジーンズにパーカーと、ラフな感じだ。


「誰?」


低い声で言われて、人見知りなアリアがびくっと肩を揺らしてわたしの背後に隠れた。おや、ここは姉としてがんばるか。


「はじめまして。わたし達、ここに入ることになった者なんだけど。」

「…あぁ、理事長がいってたな。」


ひとまず入って。そう言われて、寮の中に入った。


中は、見た目とは大違いで、綺麗だった。

リビングには、アンティークの家具たちが置かれていて、掃除も行き届いてるみたいで、埃ひとつない。


その、明らかに年代物のソファーにアリアと二人で腰かけていた。

仏頂面と合わずに気が利く少年君は、わざわざ紅茶をいれてきてくれた。うむ、ありがたいなぁ。


「ねぇ、君の名前は?」


興味本位で尋ねると、すごく嫌な顔をした。でも、一応答えてくれた。


「ルー。狼男と人間のハーフ。」

「えっ?」


アリアが声を上げると、ルーはそれ以上言うなと言わんばかりにアリアをにらんだ。うっと声をあげてひるむアリア。

まぁ、今のはアリアが悪いな。


「ねぇ、他の寮生は?」

「今はいない。俺と合わせて5人いる。」

「へー」


結構少ないな。


中央学園は全寮制で、寮が5つくらいあるらしい。

その中でも、第一寮は特待生や、秘密などが多い生徒の集まりで、なぜわたし達がこの寮かというと、理事長の計らいである。


(別に普通のとこでも、よかったのになー。)


わたしは、出された紅茶を飲みながらつぶやいた。

あ、この紅茶けっこうおいしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ