第二章《不老不死を狙う者》〔04〕
「ここどこだよ」
アイザの不機嫌な声を聞いて、クロラがにっこりと微笑む。
「なに言ってんの?アーリアの屋敷だよ」
ウェイスの中心にある大きな屋敷は、クロラの知り合いのアーリアという女性が住んでいるらしい。
綺麗な緑色の建物の中に入ると、そこにはビスクドールのように小さい、車椅子に乗った
女性ー…というよりは少女ー…がクロラたちを待っていた。
「こんにちは。私はアーリア・マイス。今回はまた随分と珍しいお客様を連れてきたのねクロラ」
大きな鏡がある部屋の中の椅子に腰をかけるクロラ達にアーリアはお茶菓子を出す。
セブがそれにピクリと反応して、アイザがセブの反応に驚く。
「あー…なんか面白そうだったんでね。今請けてんの、アーリアのも含めて3つになっちゃった」
クロラは指を三本立ててキリコたちを見回した。
「それにしても、ギルドキラーなんてウェイスに居たかしら…」
アーリアが可愛らしく腕組みをして、お茶菓子のスコーンを口に含む。
小さな口には入りきらないのか、一口食べたスコーンを皿の上に乗せていた。
セブはキリコたちの目も気にせず、お茶菓子を平らげていた。
「ちょ、お前っもうくったのかよ!!?」
「あー…セブはどんだけ目の前に食べ物があっても全部平らげちまうんだ」
アイザの突っ込みにキリコが説明する。
「それでも…なんか信じられねぇ…」
「さてと。アーリア。報酬半分にしていいからさ、ちょっと頼まれてくんない?」
クロラが両手を合わせてアーリアに見せる。
「半分なんて…別に構わないわ、何かしら?」
「ギルドキラーを、ここに呼んで欲しい。「貴方たちの功績を称えて、賞金を授与する」って言ってね」
「……それは…私に悪役になれって事?」
アーリアの問いに、クロラは悪戯な笑みを見せる。
指をパチンと鳴らして
「その通り♪」
と答えた。




