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第一章《ハンドガンと君》〔05〕
「ほっ」
古びた店の中で、銃声音が響く。
金や銀の弾丸を軽々とよけるのは傭兵のクロラ。
クロラは、男達の銃撃をかわしながら一人ずつ蹴りを入れ、ノックダウンさせていく。
「…ええい、この役立たず共めがぁ!!」
ルドルフが手に持っていた松葉杖を一人の男に殴りつける。
「やっと本性を出したね、化け狸!」
「うるさいうるさいっ!お前をアシグラウムスに突き出せば、私は不老不死になれるのだぁっ!!
おとなしく捕まれぇぇ!」
ルドルフは杖を魔法で大砲に変化させると、クロラ目掛けて発射した。
大きな砲弾はクロラの体を抉り、店を爆破させる。
「がっ…!!」
「ふははははは!!所詮はただの傭兵か」
ルドルフが止めを刺そうとしたその時。抉れて血塗れになっていたクロラの体がみしみしと
音を立てて再生したのだ。
「…ン、これで一回死亡かな?あ、でも死んでないか」
「き……貴様はっ…!?」
「え、ボク?ボクが何者かって?」
ルドルフの目の前にクロラが立つ。
そして長い黒髪をかきあげて、
「ボクは、君達の探している死神《不老不死》だよ」
といった。




