第九章《End Tale, True beginning 》〔02〕
「フフ、ハハハ…!……死神ぃ…」
血走った眼は、クロラの姿を捉える。
「あの方の目的を果たしたところで、わしの野望は叶わん…叶わんのだ!!
お前の体をぉ…融合さえすればぁ…!!」
「…融合?」
バスタの振り上げる杖を見て、キラーと戦っていた使用人の一人がクロラに向かって叫んだ。
「クロラ様、杖です!その杖を壊してください!それはアバター融合アイテムです!」
「わしに体を寄越せぇぇぇぇ!!」
「っ……!!」
ドンッ
「ぐっ……うぅ…」
「セブ!!」
クロラの前に剣を構えて立つ、セブ。
杖から放たれる光の咆哮に、剣はピシピシと音を立てて壊れていく。
「キリコ!!皆さん!!お願いします!」
「おうっ!」
「了解です!」
セブの合図で、後ろに待機していた使用人の皆とキリコは炎属性の魔法陣を展開した。
「業火よ、焔の檻にて焼き尽くせ――イグニートプリズン!!」
「喰らえっ!!」
火の咆哮が、身を引いたセブとクロラの前にいたバスタの杖を焼く。
だがまだその程度では杖は壊れることは無く、バスタは再び杖を振り上げた。
「まだかっ!!――あどけなき水の戯れ、シャンパーニュ!!」
「尊貴なる光の斬撃 不滅の悪をも圧倒する、ブレードロール!!」
使用人たちの攻撃を跳ね返す、ヒーラーのキラー。
「皆!!まずはあいつから倒すよ!!」
「了解!」
ウェリの掛け声で、使用人全員の攻撃は一人のキラーに向かった。




